第七章:旅は道草、要は酒

【エステル視点】


 窓辺から朝日が差し込む東雲刻、静謐に包まれたアイスロック山脈に、ドラゴンバードの号令が響き渡る。目覚める瞬間、腕の中で眠る最愛の人と目が合う喜びを胸中に噛み締めながら、頬に手を触れる。笑みを浮かべて僕の手を取り、目を閉じるビビアラに静かに告げる。


「さあ王女様起きて、朝の鍛錬の時間だよ。」


「もう一回戦だけ、夜の鍛錬の続きがしたい…」


「だめだよ。君が遅れるとみんなが困ってしまうだろう?」


 むぅぅ〜と無言で抱きついてくる嫁を引き剥がし、僕も支度を始める。物寂しそうにこちらを見るビビアラに木刀を手渡す。


「さぁ、行こう。」


「んん〜!手加減しないからねっ!」


「それは困っちゃうなぁ…。」


 龍人族の小さな国では、朝一の鍛錬が国民の習慣になっている。朝日も登りきらない時間帯から、外を走る者、剣を振る者、魔力向上の呪文を只管詠唱する者で溢れている。メネルにはこの慣習について説明していない。その上彼は昨日散々歩いて疲れているだろうから、朝の行事が終わった朝食の時間帯にでも起こしにいってあげよう。


 僕が外に出て目一杯透き通る空気を身内に蓄えると、視界の端に悍ましい目つきでうずくまる魔王が、僕を捉えたことに気がついた。


「おはようメネル、どうしたのこんな時間に?」


「どうしたのじゃあなかろう!あの万年発情ドMを俺に押し付けやがって!荒ぶる鼻息と滴るヨダレのおかげで一睡もできなかったぞ!」


「あぁ〜、ごめんね。部屋数たりてなくて一緒になっちゃったのか。」


「俺は寝るっ!寝るからなっ!寝てる間に要件を全部済ませてこいよっ!」


「わかったよ。これから朝の鍛錬が始まるけど、参加してから寝ない?」


「やらんわっ!」


 メネルはぶつくさ文句を言いながら、宿の方へと戻っていった。街の中央広場では奥様方が慌ただしく、洗濯物を物干しに果てしなく強く固定し始める。すぐそばでは剣術の鍛錬を行う団体が一列になり気合を入れる。素振りを始めた瞬間に普通に立っていられない風圧が街中に吹き抜ける。大人の素振りは全く見えない。子供の素振りですら残像が見えて、一体1秒間に何回振っているのか見当もつかない。


 街の外周の道には、早朝横断禁止の線が引かれ、人々がものすごいスピードで和気藹々と雑談しながら走り回っている。気のせいでなければ、発せられる会話にドップラー効果がかかっている。


 魔力向上の呪文詠唱は、以前耳にしたマーメイドの唄とはまた違う、力強い舞曲のようにも聞こえる。凍てつく風の音以外何も聞こえない静かなアイスロック山脈に、慌ただしい朝がやってきた。


ーーーーーーー


【メネルドール視点】


 やっとのことで宿の床を舐めるドMを外に追い出し、ベッドに滑り込むと、今度は窓の外からやかましい呪文詠唱と風の音が聞こえてきた。窓から街を見下ろすと、どこから湧いて出たんだと言うほどの人々が、朝っぱらからものすごい勢いで運動しているではないか。まだ朝日が登りきっていないと言うのに、近所迷惑も考えて欲しいものだ。


 雨戸を閉め、布団に潜り、耳を塞いでようやく眠ろうかと言うときに思い出した。昨夜は何も食べていない。空腹を忘れる程に疲労していた俺は、夕食を断り宿を取ったのだ。さらには昨夜は寝れていない。早めに寝ようとしてベッドで寛いでいたら、いつの間にかメイベルがベッドの足元に忍び込んで、俺の足を顔に押し当てていたのだ。眠気よりも空腹が優ってきたので、俺は朝食を調達するべく、仕方なく部屋を出てエステルを探した。街を歩いて先ほどエステルと会った、ビビアラの家らしき素朴な家の前でウロウロしていると、天を照らす朝日よりも輝かしい笑顔のエステルがやってきた。


「やあメネル、もう起きたのかい?これから朝食を食べに行くんだけど、一緒にどう?」


 俺の溢れ出る感情を形容する言葉が見つからず、歯軋りが止まらない。ひとまず食事にありつけそうなので、俺は黙ってエステルについていくことにした。街の中央から少し外れた通りには、すでに朝一が開かれ出店が立ち並んでいた。食事処の外の席に腰を下ろすと、忘れていた眠気が一気に襲いかかってきた。


「メネル、何食べる?あ、ビビアラお疲れ!こっち座りなよ。」


「おはようメネル、昨日はよく眠れたかしら?」ビビアラはエステルの隣にふわりと座る。


「んわー。おつ。なんでもいい…」


 もはや普通に喋る気力もない。


「メネルは昨日一睡もできなくて、ちょっとお疲れ気味みたい。」


「あら、それじゃあ今夜の宴は参加できないの?」


「大丈夫だよねメネル、過労死するまで徹夜できる実績の持ち主だもんね!」


「それとこれとは全然話がちがう…」


 朦朧とする意識を必死に保っていると、朝食が目の前に差し出された。かなりボリュームのある肉肉しいメニューだ。朝からウォーターホースのステーキなんて聞いたことがない。スムージーなどの流動食が望ましいと伝えるべきだった。気を紛らわすために、聞きたくもない話題を振ってみることにした。


「エステルとビビアラはどうやって知り合ったのだ?そしてなぜそんなに早急に籍を入れた?」


 正直、どうでもいい。


「うふふ、それはねぇ〜…運命だったのよっ!」


 ビビアラはモジモジしながら答えた。


「この国の龍人族は女性から求婚して、相手が応じれば決闘する。求婚された側が勝ったら結婚、負けたら相手にされなくなるって風習があるんだよ。」


 イッテルイミガワカラナイ。


「初めて出逢ったときは忘れない、エステルのあの一点の曇りもない眼差し…部外者を排除せんとする私の牽制にも一切動じないあの佇まい…惚れたわっ!」


「それで決闘を申し込まれたんだけど、僕は暴力は嫌いだから、手を出さない代わりに自由に攻撃してもらって、3分間立っていられたら勝ちでいいことになったんだ。」


 最初は誰でもナメくさった提案だと思うだろうが、今ならそれがどんなに難しいことか理解している。腕に自信があればあるほど承諾しやすい提案だな。


「私は諦めていた。この世に私よりも強い男なんて存在しないと、そう思っていた。ようやく運命の人が現れたのだから、逃す手はないわっ!」


「おかげさまで今とても幸せだよ。ありがとうビビアラ。」


 ビビアラは顔を赤らめ下を向き、笑顔を浮かべている。こういうことを恥ずかしげもなく真っ直ぐ目を見て言えるのは、本当にすごいと思う。さすがリア充…。


「メネルの馴れ初めも話して…」


「それは結構!!!!!!」


 天変地異が起きようが断じて言わないっ!語らないっ!

俺はステーキを口にいっぱい蓄えると、早急に金を机に叩きつけて店を出た。宿に戻る頃にはようやく外が落ち着きを取り戻していた。


 俺は勢いよくベッドに飛び込むと、あぁっ///と言う声とともに柔らかい感触が背中に伝わってきた。予想だにしていなかった。掛け布団の下にメイベルが隠れていたのだ。俺はジャンピングボディプレスを思わずメイベルに食らわせてしまった。メイベルはありがとうございましゅっ!と虚な瞳を向けながらハァハァと呼吸を荒げ始めた。


「なんで俺のベッドに寝てるんじゃぁぁああああ!」


 ドMを再び部屋から叩き出し、鍵を閉めてようやく俺は眠りに…んんんんん〜ベッドが湿ってるっ!キングサイズのベッドの端の僅かなスペースに身を寄せて、俺は眠りについた。

 

 目覚めたのはすでに黄昏時、前世では昼夜逆転の生活なんてほぼ当たり前だったので、夕暮れは俺にとっては一日の始まりのようなものだ。寝床から起き上がり外を眺めると、街には徐々に灯が灯り、何やら中央広場で装飾がなされているのが見える。そういえばビビアラが今夜は宴だと言っていたな。あまり期待はしていないが、うまい飯が食べられるならと俺は重い腰を上げた。街の中央広場に這い出すと、ビビアラが俺を呼び止めた。


「おはようメネル!こっちこっち、もう準備はできているから!」


 中央広場から少し外れた建物の屋根の下に少人数のグループと、エステルの姿が確認された。テーブルの下には犬用の器が置かれ、すぐそばにメイベルが艶かしい悦びの表情を浮かべながら伏せていた。なんで龍人族の人たちは、この状況を普通に受け入れているのだろう。


「遅かったねメネル、それじゃあ始めようか!」


 宴は思いの外楽しいものだった。笑い語らい、酒を飲みうまいものを食い、一発ギャグをぶっこむ。パリピやリア充は毎日楽しいだろうなと思っていたが、こんな感じなのだろうか。初めて会ったのに、みんな昔から仲の良い知り合いのように接してくれる。充実した人生にはやはり友達が不可欠なのだろうか。さまざまな考えが交錯しては、笑いと酒で押し流されていった。


 酒は飲めないというエステルに無理やり酒を飲ませた…とここまでは覚えている。この先がどうしても思い出せないし、なぜ俺が宿のフロントで縛られて宙吊りになっているのか全く理解不能。少し動くたびに揺れるのが二日酔いの俺に、大ダメージを持続的に与え続ける。ひどい頭痛のさなか、あれこれ思い出そうとしていると、唐突に鮮度ピチピチのバグフィッシュを踊り食いさせられたことを思い出し、嘔吐に耐えかね吊るされたまま床に吐き散らした。下からピチピチとバグフィッシュが跳ねる音が聞こえる。辺りを見渡すと、メイベルが羨ましそうな顔をしてじっとこちらを見ていた。


「違うからなっ!そういうのじゃないからなっ!」


 やっとの思いで縄をほどき、外に出ると驚きの光景が目に飛び込んできた。視界に入る全員が縄で縛り上げられ身動きできなくなっているではないか!そして広場の向かい側から爽やかな声が、俺の二日酔いの頭を叩いた。


「あ!おはようメネルっ!昨日のことは全然覚えていないんだけど、みんなハメを外しすぎちゃったみたいなんだ、解くの手伝ってくれる?」


 エステルの足元にはビビアラがメイベルと同じ目をしながら、ありがとうございましゅっ!と恍惚の表情でよだれを垂らしている。


「あいつ昨夜ビビアラに何をしたんだ…」


 もうエステルに酒を飲ませるのはやめよう…。


ーーーーーーーーーーーーーー


【エステル視点】


 龍人族は朝の日課を欠かさない。たとえ前日飲みすぎて二日酔いだろうと、この世の終わりのような顔で鍛錬を始め、終わることには清々しい笑顔を輝かせている。メネルは気分が優れないようで、今朝から井戸のそばでうずくまっている。僕は旅立ちの準備のために家に戻ると、ビビアラが胸に飛び込んできた。ハァハァと荒い呼吸で、頬を擦り寄せてくる。


「どうしたんだいビビアラ?」


「エステルっ!私はあなたと一緒にいられて幸せでしゅっ!ありがとうございましゅっ!」


 昨日ビビアラに一体何があったのだろう、今朝から様子が変だ。


「ほらほらビビアラ、僕たちもう行くから準備しないと。」


「ねぇ、一緒に行っていい?」


「だめだよ、君にはこの国を守る義務があるし、王都陥落の作戦に龍人族が混じっていたら、人間と龍人族の対立構造が明確化してしまうって、魔王城に行く時にも話したじゃあないか。人間との争いは君にとっても本意ではないだろう?」


「んん〜それじゃあ今から夜の鍛錬しよっ?ねっ?」


「さっき朝の鍛錬を終えたばかりじゃないか。」


「ねぇ〜お願いよぉ〜ねぇ〜ねぇ〜」


 こんなに駄々をこねるビビアラは見たことがない。しかし改めて考えると無理もないのかもしれない。結婚して早々に僕は彼女と離れて長いこと魔王城で暮らし、久々に帰ってきたと思えばすぐに王都へと旅に出るのだから。隠すことなく本心を打ち明けてくれるようになったと、ポジティブに捉えることにしよう。


「わかったよ、準備が終わったらね。」


「やったぁ!それにエステルにプレゼントがあるのよ。」


「プレゼント?何かな?」


「ふふふ、寝室にあるから見に行きましょう。」


「罠じゃあなかろうね?」


「私がそんな姑息な戦術を使うとでも?」


「いや、ないか。」


 寝室に入るとそこには光が刺していた。一瞬、外の光かと思ったが、どうやら雨戸は閉まっているようだった。光源は部屋の中心にある純白の衣服にあるようだ。


「もしかしてこれのことかい?」


「そう、エルフの秘宝であるミスリルを、龍人族随一の職人が戦闘用に織り込んだこの世で唯一の装備よ。」


「秘宝って、君が大切な友人から譲り受けたものって言ってたじゃないか。いただけないよそんな大事な…」


「私にとって世界で1番大切なものはね、あなたなのよエステル。ちょっとやそっとの攻撃ではあなたは傷付かないことは知っている。だけど、万一のことを考えるとどうしても心配なの。後になってどうしてって後悔しないように、私ができる全力であなたを応援したいのよ。」


 純白の衣服はそれ自体が発光していて、所々龍人族の放つ炎の色の、青い繊維が術式の模様に織り込まれている。おそらくこの装備には強力な魔術が込められている。


「これでさらに天使みたいになってしまうね。ありがとうビビアラ、大切にするよ。」


「絶対に無事に帰ってきてね。約束よ。」


 ビビアラは僕にそっと寄り添い、服にしがみ付く。きっと言いたいことはもっとたくさんあるのだろう、たくさんの我慢を強いていることは承知している。それでも僕の願いを尊重し、理解してくれるビビアラには頭が上がらない。この旅を終えたら、ビビアラのワガママにとことん付き合ってあげよう。僕は無言でビビアラを優しく抱きしめた。



ーーーーーーーーーーーーー


【メネルドール視点】


 今朝は散々な思いをしたが、昼ごろになってようやく体調が回復し始めた。二日酔いに効く薬草の研究を始めたらボロ儲けだろうな。エステルにお願いして作ってもらおう。エステルは旅の支度を進めると言っていたので、俺も必要なものを買い出しに回ることにした。


 装備品はある程度揃っているので、回復アイテムや食料が中心になる。出店に赴き、日持ちしそうな食料を亜空間にしまっていく。日持ちしなさそうなものに関しては、美味しそうなものを少しだけ仕入れて、この後の道中に食べながら歩くとしよう。


 回復アイテムの店は小さな出店だったが、非常に高品質なものが揃っている。一般人では全く手の届かないものばかりが並んでいるではないか。


「お姉さん、これとこれと〜あとこれを10個ずつもらえる?」


 脱力気味に店番をしていたお姉さんの眼光がギラリと俺を貫いた。見たところ龍人族ではなさそうだが…


「お兄さん、お目が高いね。こっちにもっと良いものがあるから見て行かない?」


 なるほど、常連や特別な客にしか出さない商品があると言うことか。イベント発生が極端に少ない限定のアイテムは、金に糸目をつけずに購入することに決めている。無論いただこう。出店の間を抜けて奥の家の中に入ると、狭いカウンターテーブルの向こうにずらりと薬品が並べられている。その中からいかにも身体を壊しそうな色合いの液体の入った薬瓶を、お姉さんは棚から取り出した。


「それはどんな効果があるのだ?」


 見たことがない赤紫色で怪しげに光る薬品だ。


「これはサキュバスですら根を上げるほどの絶倫になれる、最強の強壮剤。1瓶で3日3晩…」


「いただこうっ!」


「え…?! 1つ120ま…」


「10個いただこうっ!」


 童貞を卒業し一皮剥けた俺にもはや怖いものはないっ!ましてや滅多にお目にかかれない貴重なアイテムだ。あるだけ全部買っていきたいが、流石に何十個も持ち歩けない。


「冗談じゃないわよね…これ高すぎて売れないから在庫2つしか残っていないんだけど…」


「なんだそれでは仕方がない、その2つは貰っていこう。それとさっきのポーションもな。」


 1つはエステルの結婚祝いということでくれてやるか。


「あと、高すぎて売れないアイテムがもう一個あるんだけど…」


「なんだ?レアアイテムなんだろうな?」


 今度はさらに小さい小瓶を持ってきた。


「これは私のオリジナルで作った、貞操観念の塊のようなエルフですら一滴で堕落する超強力媚薬で…」


「全部いただこうっ!!!」


「?!!…これ精製が大変で1個しかないんだけど…300万ゴールドよ?お兄さん本当に大丈夫なの?」


 俺が無言で財布から金を出すと、お姉さんは逆に引いている様子だった。しばらくポカンとしていたお姉さんは、現実感のないままあわあわと瓶を袋に詰め始めた。


「これを自分で作ったと言っていたな。」


「えぇ、私は薬師だから。」


「うちに薬草や回復魔法について知りたがってる奴がいるんだが、少し話してみてくれないか?」


 お姉さんは驚いた様子で俺を見た後に答えた。


「なんだ、てっきりこの媚薬の効果を試させろって言うのかと思った…」


「そんなことせんわっ!!」

 

 いや確かに偽物をつかまされるという可能性を考慮していなかった。


「ねぇお兄さん、私を娶らない?そうしたらこの薬品全部タダでいいわよ?」


「あいにく俺にはすでに2人も嫁がいる。それにこの国では互いに1人としか結婚できんのではないのか?」


「私は龍人族と親交の深い、エルフとドリアードのハーフだから、この国風習は関係ないの。ねぇ、私がいれば助けになるんじゃない?お兄さん注文内容からしてかなりハードな旅をしてそうだし、私がいればその辺に生えてる薬草からいつでもポーション作れるわよ。お仲間も私と話がしてみたいんでしょう?なんなら私がどれだけ優れた薬師か、今ここで証明してみせましょうか?」


「いやいやいや結構、流石に初対面でそれはっ!」


 エルラスでの悪夢を思い出す。


「ち…違うわよっ!この媚薬のことじゃなくてっ!見ててっ!」


 お姉さんは棚から普通のポーションを取り出し、呪文を唱えると瓶の中身の色が変わった。あの色は間違いなくハイポーションだ。こんな魔法聞いたことがない。


「どういうことだ…」


「私は回復薬の効能を向上させる魔法の開発に成功したの。だから普通のポーションが作れれば、効果の高いハイポーションも作れるし、そのハイポーションを適切に薄めれば、無限にポーションが製造できるってわけ!」


 これは回復薬の普及に尽力しているエステルが、喉から手が出るほど知りたい魔法だろうな。


「わかった、結婚の話はともかく、仲間と話をしてみてくれ。」


「わかってない〜、もぉ〜。まあいいわ、私はフーリン。あなたは?」


「メネルドール。」


「wwwwえっ?!あなたが踊り食いのメネルっ?!っっw」


「なんだその不名誉なあだ名はっ!?いつの間に広まったのだっ?!」

もう酒は二度と飲まない…。

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