ツンデレ幼馴染は僕に彼女が出来たらヤンデレる
甲種ヤンデレ取扱者
第1話
「あんたってほんとに私がいないと何も出来ないよね」
聞き飽きたセリフだ。
幼馴染の奏はことがあることにこのようなことをよく自分に言う。
昔は自分の後ろを着いてくるような幼馴染だったのに。
「ごめんな」
「そーよ、悠夜は私に感謝しなくちゃ」
僕の名前は柏崎 悠夜 応泉高校2年サッカー部に所属している。特に特徴もない普通の高校生だ。
「ハイハイありがとな、奏」
彼女は、霧島 奏 同じ高校の同級生の幼馴染だ。彼女は部活に入っておらずその代わりに生徒会に所属している。
学校までの道を2人で歩く。ガヤガヤと学生の喧騒が聞こえ始めこれからの一日に憂鬱な気分に沈んでいく。
そんな一日を毎日繰り返していた。
僕と彼女の関係が変わるまでは。
その日の夕方の事だった。奏は生徒会の仕事があり、遅くなるとのことで一人で帰ることになった。帰る準備をしていると
「先輩、一緒に帰りませんか?」
後輩のマネージャー 泉 玲香が声をかけてきた。
帰り道を歩き電車に乗るたまたま同じ駅で降りることもあり、泉の家の方面まですこしだけ寄り道をして送っていくことにした。
「先輩は優しいですね?わざわざ送ってくれなくても」
そう彼女は言ったが
「別れた後に何かに巻き込まれたっていうのが起きたら目覚めが悪すぎるだけだよ」
そう言って返した。
「あの家です!」
泉が指を指し教えてくれる。
「それじゃあここで別れようか。部活お疲れ様。また明日ね」
そう言って今歩いた道を戻ろうとした時。
「先輩」
呼び止められた。
「私、やっぱり我慢できないです…。先輩のことが好きでした。私と付き合ってくださいっ!」
唐突だった。
こちらかいきなりのことで困惑し、驚いていると。
泉は僕に飛びつき口付けをして離れた。
「すぐに返事はいいですっ!この帰り道もすっごくどきどきしてて、我慢できなくなっちゃいましたっ!送ってくれてありがとうございましたっ!」
逃げるように自分の家に走り去って入っていった。
ピコンと携帯の通知がなる。
『今日は本当にありがとうございました。あの告白は嘘じゃないです。良かったらお返事待ってます!』
泉からの連絡をみてしばらく立ち尽くし、そのまま自宅へ帰った。
「…なんで悠夜…。」
生徒会の仕事で他校にいき、その帰り道で奏は遭遇してしまった。自分だけしか彼の魅力は知らないと思っていた。人のために自然と動けるところや、それに伴った行動力。幼馴染は自分だけのものでは無いと『自覚』してしまった。
「どうするかな。」
悠夜は自宅に帰ったあと。ベットで寝転びながら何回も最後に送られてきていたメッセージを見直していた。
「誰かに相談するのもな。」
せっかくの後輩の決心を人に話してしまうのはどこか違うと感じる。
明日の自分に判断をぶん投げ、そのまま部活の疲れもあってか眠りについてしまう。
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