空を仰いで
伏見 明
慈しむ
暖かくて風が少し吹いていて
申し訳程度の雲が浮かんでいる。
過去にあった悲しい出来事や、
今知らない土地で流れてる血や涙の頭上にも同じものがあるはずなのに。
清々しい気持ちになっている自分が許せなくなる。
それと同時にここに居られる事、
生者が想わなければならない筈だった。
目を瞑って、幾分かの不満やなんかは
取るに足らないものだと思えたら。
だってこんなにも美しい。
暖かくなるし、海にでも行こう。
春になったら、春服が着れるね。
どんな人が居るんだろう。
ほら、もうすぐ、花が咲くよ。
空を仰いで 伏見 明 @fushimiaki
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