誰にも言っちゃ駄目だよ
草凪美汐.
第1話 一話
入り婿だった父が、4人目の娘に適当につけた名前。本人は違うと言っていたが、一瞬、目が泳いだのを見逃さなかった中二の春。
(嗚呼、桜が満開で綺麗だったなぁ……)
雲一つない青い空。
薄桃色の可愛い花びらがゆらゆら、サラサラ…………
「智草先輩、呑気に現実逃避しないでください」
声の主に、全身脱力中の私は、元気いっぱい体を揺さぶらている。
いや、させろ、させろよ。
現実逃避くらい。
「……
息も絶え絶えで尋ねると、
「そうですねぇ……強いて言えば、好き嫌いがないから、かな?」
考えたふりをして、小首を傾げる。
「……そこじゃないよ」
ため息をつくように、つっこんだ。
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