失くしもの発見器
マフユフミ
第1話
子どもというのはどうしてこうもモノを失くすのだろう?
「え、知らん」
「ないけど?」
「どこなん?」
「そこ見たけどなかった」
「そんなんあったっけ?」
毎日そんなことを言ってはいろんなものを探す探す。
終いには存在そのものを消してしまおうとする始末。
いや、あるし。
結局、どんなものでも最終的にはオカンが召集されて探検隊の結成。ろくろく使い物にならない隊員は放っておいて、隊長=オカンがありとあらゆる手を使って探し当てるのだ。
「すごいな!」
「え、どこにあったん!?」
「嘘ぉ!そこ見たのになぁ」
そんな感動をもって迎え入れられた探し物たち。それでもまた使い終わればまた一瞬で行方不明の仲間入り。
なんでや??
ウチの子どもたちは二人とも発達障害を持っているためか、本当によくモノをなくす。
ただ単に性格がルーズなだけかもしれないけれど。
出したものを同じ場所にしまうことの難しさ。
ラベルとシールとでマッチングさせる、なんてことも療育の場では習ったけれど、それはそれでイヤらしく、なかなかうまくいかない。
「お母さんほんま探し物うまいなぁ」
「いつもすぐ見つけてくれるしな」
「なんで分かるん?」
子どもたちにはものすごく第六感が冴えわたっている人、失くしもの発見器みたいな扱いをうけている。
「お母さんに聞いたらだいたい出てくるから」
いやいや、わて発見器ちゃいますねん。
ただ単に、あんたたちのこれまでの行動パターン見てたら分かりますやん!
私のことをそんな風に信頼してくれるのもまあ悪くはないんやけど。
それより、そろそろ、出したものは出したところへ収納するという癖をつけてはくれないものでしょうか??
失くしもの発見器 マフユフミ @winterday
★で称える
この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。
カクヨムを、もっと楽しもう
カクヨムにユーザー登録すると、この小説を他の読者へ★やレビューでおすすめできます。気になる小説や作者の更新チェックに便利なフォロー機能もお試しください。
新規ユーザー登録(無料)簡単に登録できます
この小説のタグ
関連小説
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます