夜の公園

仮眠

出会い

僕は寝ていたら朝じゃないのに目が覚めた。時計を見たら夜の2時くらいだった。

なんでこんなに早く起きちゃったんだろう。お母さんもお父さんもまだ寝てる。まあいいや、歯磨きしよう。

僕は歯磨きして次いでお風呂に入ろうか迷ったんだけどやっぱりめんどくさいから朝ごはんを食べることにしたんだ。

「ママ起きてー。ご飯食べよう!」

「うう。健二どうしたの?」

僕はママを起こしてご飯を食べることにした。

「お腹すいたー」

「そうなのね。でもまだ夜中の3時よ。ご飯食べたら寝るのよ。わかった?」

「うん。わかった」

ママは僕にパンと牛乳を作ってくれた。でもママは食べないみたい。お腹すいてないのかな?

「健二これ食べたら歯磨きしてから寝るのよー」

「はーい」

ママはそう言って寝る部屋に戻っていった。僕はパンを食べて牛乳を飲んだあとトイレにいった。

寝ようかな。でも寝る気分じゃないんだ。うーん、どうしよう。よし公園に行こう!

僕はトイレを出て歯磨きをして靴下を履いて玄関に行った。

誰もいないからいっぱい遊べるぞ!それに夜だから純也君に邪魔されることもないし。

僕は靴を履いて公園に向かった。

誰もいないなー。みんな寝てるのかな?それに暗いなー。ちょっと怖い。でも暑くないから夜っていいかも。

公園に着くまで誰にも会わなかった。だけど猫ちゃんに3回会った。僕も猫飼いたいなー。

「誰もいなーい!全部僕のだー!」

最初は何で遊ぼうかなー?やっぱり滑り台かな?でもシーソーもいいなー。うーんやっぱり滑り台で遊ぼう!

「行くぞー!とお!」

僕は勢いよく滑ってかっこよく着地した!僕はやっぱり仮面ライダーなのかも。

「もう一回滑ろ!」

やっぱり滑り台は何回滑っても楽しい!いつもは純也君に邪魔されて後ろから押されて怖いけど一人だと楽しい!きてよかったなー。

「次はシーソーで遊ぼー」

僕は滑り台から降りてシーソーに乗った。でもシーソーは動かない。やっぱり二人必要なのかなー。

「動かないや。つまんない」

うーん。じゃあ何して遊ぼうかな。そうだブランコで遊ぼう!

僕はシーソーから降りてブランコに向かった。その時目の前に猫が通った。

「わあ!びっくりしたあ!なーんだ猫ちゃんか。どうしたの?」

「ニャアー!」

びっくりしちゃった。お化けかとおもった。

猫ちゃんが僕の足に体をくっつけてきた。

「かわいいなー。一緒に遊ぶ?」

「ニャー」

「あ、行っちゃった」

猫ちゃんはどこかに走っていった。

遊びたくなかったのかな?でもやっぱりかわいいなー。僕も飼いたいな。

「そうだブランコで遊ぶんだった」

僕は立ち上がってブランコに乗って前へ、後ろへと動かした。

うーん。あんまり楽しくない。いつもは純也君が後ろから押してくれるから速くて楽しかったけどなー。ジャングルジムで遊ぼう。

僕はブランコからジャングルジムに向かった。

「よーし練習するぞ!」

いつも純也君とどっちが速く一番上に登れるか競争して負けちゃうから、今練習して次は絶対勝ってやる!

僕は勢いよく登っていく。手を先にかけてその次に足をかけてまた手をかけて足をかけて、それを繰り返して一番上についた。

「よし!これなら純也君に勝てる!すごく速く登れた!」

明日のお昼にまた純也君と勝負しよう!次は絶対勝てるはずだ!よーしもう一回練習しよう!

僕が降りようとした時さっきの猫ちゃんの声が聞こえたんだ。聞こえた方を見ると知らないおじさんが一人椅子に座っていた。そのおじさんに猫ちゃんが抱っこされていた。

なんであのおじさんは夜にここにいるんだろう?それに猫ちゃんを抱っこするなんていいなー。僕もしたいな。

僕はジャングルジムを降りてベンチを見てみると黒い服を着て黒い帽子を被ってるおじさんが座っていたんだ。僕はおじさんに近づいた。

「おじさんだーれ?」

「ニャー」

「おお!びっくりした!誰かいるとはおもってたけど、こんな小さい坊やだったのか?坊やこそどうしてここにいるんだい?」

おじさんは驚いて顔をあげて僕を見た。

「僕は目が覚めて公園で遊びたいなっておもって来たんだ。おじさんはなんで?」

「俺もだよ坊や。寝れなくてなー。暇だから公園にでも遊びに行こうかなっておもったんだよ。でもよー一人だったら何やってあんまり面白くないからよ、猫ちゃんと遊んでいたんだよ。」

おじさんは猫ちゃんを抱き上げて笑った。

「おじさんも猫ちゃん好きなんだね!僕も猫ちゃんが好きなんだよねー。いつか絶対お家で飼いたいんだよ!」

「おお!いいじゃねーか!猫ちゃんってめっちゃかわいいもんな!俺も猫ちゃん飼いたいんだけどよー、金がねーから飼えねえんだよなー。」

おじさんってすごく優しいんだなー。だけどもしかしたら貧乏なのかも。

「じゃあさ、この子に名前付けようよ!そして僕たちのペットにしよう!」

「おお!坊やお前頭いいな!そしたら俺も金を使う必要なくなるしな!」

おじさんは猫ちゃんをベンチの上に座らせた。

「なんて名前にする?」

「ミイちゃんとかどうだ?」

「うーん。でもその名前のこ他にもいっぱいいるよ。」

「まじか!結構いい名前だと思うんだけどなー」

「ニャー吉とかかわいいんじゃない?」

「いいなー。だがちょっと違う感じすんだよな」

「そっか。」

「ムサシとかはどうだ?」

「なんか昔っぽい!」

「ガチで?俺若い方ではあると思うんだけどなー。」

「うーん。難しいなー。」

「じゃあよ!ムサシのムサとニャー吉の吉をとって、ムサ吉とかはどうだ?」

「うーん。いいよ!じゃあムサ吉で決まり!」

「よっしゃ!じゃあ猫ちゃんお前は今日からムサ吉だ!」

おじさんはムサ吉を抱き上げていった。

ムサ吉、いい名前だなー。

「名前も決まったら、せっかくだからムサ吉と3人で遊ぼうぜ!」

「やった!遊ぼう!」

「にゃー」

「坊やなにしてあそぼうか?」

「じゃあかくれんぼしよう!」

「いいぜ!じゃあ俺が隠れるからムサ吉と坊やが鬼!俺が隠れ始めたら目を瞑って十数えてから探し始めろ!いいな?」

「わかった!」

「にゃー!」

おじさんは草むらの中に飛び込んでいった。

よーし!絶対見つけてやる!

「1,2,3,4,5,6,7,8,9,10」

「もういーかーい?」

よし!おじさんが何も言わないということは隠れたってことだな!見つけるぞ!

「ニャー!」

ムサ吉が草むらの方を向いて鳴き始めた。

もしかしたらムサ吉はおじさんの匂いがわかるのかもしれない!

「ムサ吉、もしかしておじさんを見つけたの?」

「ニャーニャニャー!」

「あそこの草むらにおじさんは隠れているの?」

「ニャー!」

ムサ吉の言う通りあそこにいるのかもしれない。よし、探してみよう!

僕は草むらを掻き分けておじさんを探した。

「見つけた!おじさんみーっけ!」

おじさんは草むらの中に寝転がって隠れていた。

「見つかっちまった!ムサ吉が鼻がいいなんて知らなかったぜ!坊やも見つけるのうめえじゃねえか!将来は宝石ハンターとか目指すのもいいんじゃねーか?ははは!」

おじさんは僕とムサ吉の頭を撫でた。

宝石ハンターってかっこいいなー。でも僕は将来仮面ライダーになるんだ!悪を倒して世界を救うんだ!

「じゃあ次は俺が探すからムサ吉と坊やは隠れろ!」

「わかった!」

「ニャー!」

「いくぞー!いーち」

僕とムサ吉はベンチの後ろに隠れることにした。ムサ吉はベンチの下に寝転がって僕はベンチの後ろに寝転がって隠れた。

「にー、さーん、しー、ごー、ろーく」

おじさんがどんどん数を数えていく。

「ムサ吉、絶対バレないようにしよう!」

「にゃー」

「ひーち、はーち、きゅー、じゅう!よーし見つけるぞ!どこかな、どこかな?ここか?」

おじさんは草むらの中を探したりトイレの中を探したり木の裏を探したりしてた。

「おじさん全然気づいていないね。」

「にゃーにゃ」

「もしかしてベンチの下にいるんじゃないかー?」

おじさんはポケットから手をとり僕らに近づいてきた。

やばい、やばい!バレちゃう!どうしよう!

「ここかー?」

おじさんは座り込んでベンチの下を覗き込もうとした。

「なーんて、ベンチの下に隠れるわけないよなー。」

おじさんは立ち上がった。

よかった、 助かった。あと少しでバレるところだった。ギリギリセーフ。

「とでも言うとおもったか!」

おじさんは勢いよくベンチの下を覗き込んだ。

「おわああああ!」

「にゃああ!」

びっくりした!ムサ吉もビックリして走りまわっちゃってる。

「よし!ムサ吉と坊やみっけ!」

「見つかっちゃた!」

「ニャニャ」

おじさんってもしかしたらすごい人なのかもしれない。

「おじさんビックリさせないでよ」

「はは!すまんすまん!でも久しぶりにビックリさせられて楽しかったぜ!それにいい反応だった!将来は芸人もいいんじゃないか?」

芸人かー。ダメダメ!僕は仮面ライダーになって世界を救うんだ!

「にゃーにゃーにゃ!」

「うんうん。ムサ吉も驚いたって言ってるぜ!やっぱりみんなで遊ぶ楽しいな!」

もしかしておじさんは動物の言葉がわかるのかな?

「もう一回しよう」

「俺もしたいんだがそろそろ朝になっちまう。家に帰る時間だぜ。坊やも外で遊んでるってバレたら怒られちまうだろ?」

やばい!遊んでたら朝になっちゃった!早く帰らないとママに怒られる!

「ママに怒られちゃう!じゃあ僕帰る!」

「そうだな。家までムサ吉と一緒に見送るぜ!」

「本当に!じゃあ帰ろう!」

やっぱりおじさんは優しいな。

僕とムサ吉とおじさんは家に向かった。

「坊や、お母さんは好きか?」

「ママは大好きだよ!」

「それはよかった。母さんは大事にしな。肩たたきとか、家の手伝いとかちゃんとするんだぞ。」

「僕ちゃんとママのこと大事にしてるし、ママのお手伝いしてるよ」

「おお!それはよかった。さすが俺の友達だな!」

僕らは話していると家の前に着いた。

「おし、ここでお別れだな。また夜起きちまったら遊びに来いよ!一緒にまた遊ぼうぜ!」

「にゃーにゃにゃーにゃ!」

「うん!またね!」

僕は手を振ってドアを開けて家に入った。後ろを振り返ったらそこにはおじさんもムサ吉もいなかった。

帰っちゃったのかな?でも今日は本当に楽しかった!でもいっぱい遊んじゃったからか、眠くなってきちゃった。寝よう。

僕は手を洗って布団に入った。


カーテンの隙間から太陽の明かりが差し込んだ。

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

夜の公園 仮眠 @mino47

★で称える

この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。

フォローしてこの作品の続きを読もう

この小説のおすすめレビューを見る