薔薇の花束をきみに
朝日屋祐
プロローグ 在りし日の約束
とある‘愛’のない王国には
姫君は会えない思いを
男に会いに行こうとしたが、行方を
まるで永遠に姫君とは会いたくないように。
だが、姫君の許には残酷な
彼はどうやら、心も病んでしまい、姫君への面会にも一切許可を出さなかったようだ。彼の遺体は火葬され、彼の遺書が、見つかった。遺書にはこう書いてありました。
「お姫様へ、私の命は長くはありません。私はいまは肺を病んでおり、こんな惨めな姿であの子達には会いたくはありません。そしてなにより、私は貴女を養う経済力もなかった。どうか、お姫さまよ、お城に帰っておくれ。私とは違う男と幸せになってくれ。だが、その中でも私は貴女に最期に二言三言なにかを残すのなら、言わせてもらいたい。一つ目、私のことを決して忘れないと約束しておくれ。‘二つ目、そして’私は貴女の事を心から愛していたことを覚えておくれ。そして、三つ目、子供達のことは私のことより、大切にしておくれ」
姫君はお城へ帰り、彼が、肺を病む前に
生まれた息子は国王となった。弟は公爵となる。そして老年となる、姫君は一生涯、独身を貫き通した。
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