美少女とパラダイス⁈

 いつもの平日の朝

 二人で朝ごはんを食べていたら理央ちゃん

 が久々にオレにこんな事を言ってきた。

「良夜くん。」

「ん?」

「あのね、お願いがあるの」

「お願い?何?」

「あのさ、行きたいところがあって」

「うん。いいよ!どこ?」

「それは、秘密なの。でもパラダイスなの」

「そっか、パラダイスか。楽しそうだね!」

 ニコッ

「うん!きっと楽しいよ。イケメ…あっ、う

 うん。なんでもない。さ、ご飯冷めちゃう

 から食べよ。」

「うん」

 イケメ?イケメンって言おうとしたのかな

 ?なんだろ⁇

 なんか最近理央ちゃん、よく携帯みてニコ

 ニコしてるんだよなー…

 

 

 よくわからないまま約束の日

 理央ちゃんの行きたい場所に行くことにな

 り今日、学校帰り待ち合わせって事になっ

 ている。

 理央ちゃんの大学の近くで。

 少し早く着きすぎちゃったなー。

 でも、理央ちゃん待たせるより全然いっか。

 すると女子高生がオレの横を通り過ぎた。

「ねー、今日パラダイス行こうよ‼︎」

「あっ、いいね!りょうちんに会いたい!」

 なんて話しながら通り過ぎたぞ…。

 パラダイスって今からオレたちが行くとこ

 ろだよな?

 りょうちんって誰なんだろう。

 よくわからないままボーっと待ってると、

 大学生らしき年の人たちが続々と歩いてき

 た。

 理央ちゃん、そろそろ来るかなぁ。

 毎日一緒に居るけど早く会いたいなー。

 なんて思ってたらまたどこからともなく男

 子の話し声。

「なー、さっき瀬野見た?」

「見た見た!今日かわいい服着てたよなー」

「へーっ。俺服なんてオレ見てねー。顔しか

 みてねー」

「マジかよ!でもとにかくかわいいよな」

「でもさ、旦那さんいるんだろ?」

「あー、指輪してんもんなー。旦那さんマジ

 羨ましーんですけどー‼︎」

 って言いながら通り過ぎて行った。

 

 …理央ちゃんやっぱり大学でもモテるんだ

 な。

 指輪もずっとはめててくれている。

 旦那さんじゃないけどあー、オレは幸せ者

 じゃないか。

 なんてほっこりしていると理央ちゃんがニ

 コニコしながらオレの元に近づいてきた。

「お待たせっ、良夜くん‼︎」

「あー、全然待ってないよ。行こっか!」

「うん‼︎」

 嬉しそうに理央ちゃんは微笑み、髪を耳に

 かけた。

 えっ⁉︎

 理央ちゃん…

 指輪してない⁉︎

 ん⁉︎

 いつも左の薬指にしてるよな。

 えっ…右だっけ⁈

 慌てて理央ちゃんの指を確認。

 …してない。

 り、理央ちゃん…どうして。

 もしかしてオレとの婚約早まったって思っ

 てる?

 オレに飽きたとか⁉︎

 一人悶々と考えてると、

「今日ぜひ会ってもらいたい子がいるの!」

 なんて言い出した。

 えっ…誰だろう。まさか理央ちゃん好きな

 人が出来たとか⁈

 だから、指輪外してるのかな…

 

 あー、マジかー…全然気づかなかったぞ。

 でも、理央ちゃんモテるもんな。

 すっかり毎日イチャイチャしてたから安心

 しきってたー…。

 オレのバカ…。

 はぁ…誰なんだろう。

 この間イケメって言ってそれから言うのや

 めたんだよな。

 イケメンって言うつもりだったんだな。

 …きっとイケメンがパラダイスって店にい

 るんだ。

「あー、ドキドキしちゃうな〜」

 なんて理央ちゃんは、ほっこりしていた。

 そんなにそのイケメンに会うのか楽しみな

 んだな…

 はぁ。

「良夜くん元気ない⁈大丈夫?」

 理央ちゃんの問いかけにオレは、

「あっ、全然大丈夫だよ」

 って微笑んだ。

 するといきなり理央ちゃんがオレの手を振

 った。

「良夜くんの手大っきいね」

「あー、そうかな?自分じゃわかんないな」

「そうなんだ。あのさ…」

「うん。」

「お店着くまでずっと手繋いでてもいいかな

 ぁ⁇」

「えっ、いいけど理央ちゃん嫌じゃない?」

「なんで?嫌なわけないよ〜。むしろ両手繋

 ぎたいぐらいだよ〜」

 クスクス

 可愛く笑う理央ちゃん。

 オレと手繋いでくれるんだ…。

 理央ちゃん…これから理央ちゃんの好きな

 人に会いに行くんじゃないのか?

 指輪まで外しているのに、オレと手なんて

 繋いでいいのか⁈

 理央ちゃーん‼︎

 パラダイスってなんなんだー‼︎

 

 …理央ちゃんとしばらく手を繋いで歩いた。

「良夜くん、着いたよ。ここだよ‼︎」

「あー、ここがパラダイスか…。」

「うん!行こ行こ‼︎中はもうパラダイスだか

 ら」

 はしゃぐ理央ちゃん。

 お店に入ると…

「いらっしゃい!理央ちゃん!」

 なんて爽やかに話しかける店員さん…

 うわっ…

 この人が…この人が理央ちゃんの好きな人

 なんじゃね⁉︎

 マジカッコいいんすけど…。

 はぁー。オレ全然敵わねーっス…

 

 思いっきりへこんでると店員さんがオレに

 まさかの発言をしてきた。

 

 えっ?

 

 続く。

 

 

 

 

 

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