美少女はさみしがりや⁇

 オレの提案とは、

 二年間理央ちゃん宅にお世話になった代わ

 りに今度は、一年間理央ちゃんがうちに来

 たらどうだろうか、という案だ。

 

 この案を理央ちゃんに提案するとそれはそ

 れは目を輝かせて喜んでくれた。

 しかし、それは二人だけで決められる問題

 ではない。

 双方の両親に相談が必要だ。

 と言う事でオレは早速両親に聞いてみた。

 すると、いいんじゃないとの答えが返って

 きた。

 理央ちゃんもご両親に早速聞いてくれたみ

 たいだ。

 あちらがご迷惑じゃなければ。という返事

 だったそうだ。

 

 よかったー‼︎

 とはいえ、あと一年はまだお世話になる。

 ベッドの上でボーっと考えた。

 ここは、理央ちゃん家なんだよなー…。

 本来なら彼女の家って事だよなー。

 ほぼ付き合ってるような状態だし。

 彼女の家で寝泊まりって事だろ⁈

 今更ながらすごい状況…

 しかも一年後理央ちゃんがうちに来て暮ら

 すんだろ⁈

 すげー。

 

 そんな凄さを改めて実感しながら本日オレ

 は、茶碗洗い。キャーキャークッションは

 いまだに開催中だ。

 カチャカチャ洗っていると


 ⁉︎   ⁉︎   ⁉︎


 ん⁉︎

 

 ふりむくと…

 理央ちゃんが後ろからオレを抱きしめてき

 たじゃないか。

 ご両親が家にいるというのになんと大胆な

 行動。

「り…理央ちゃん。」

「ふふっ、昼間のお返しー」

 こんな幸せなお返し最高っす!

 オレは急いで手をゆすいだ。

「理央ちゃんがおやすみー」って戻ろうとし

 たその隙にオレは理央ちゃんに抱きついた。

 フギャッ

「お返しのお返しー。」

 ぎゅ〜っ。

 はぁ〜。最高の癒しっす。

 なんて癒されてたら理央ちゃんがいきなり

 オレの耳に

 フゥ〜って息を吹きかけた。

 

 ⁉︎   ‼︎   ⁉︎

 

「うぉ〜っ」

 思わず声を上げてしまった。

「ふふ、お返しのお返しっ」

「なら、オレも」

 フゥ〜。

「ハゥッ。」

 理央ちゃん‼︎いい加減可愛すぎるよー。

 ぎゅーっ。

 チュ〜。

 理央ちゃんのとろ〜んとした目が可愛くて

 またぎゅーってしてキスをした。

 

 こうして夜の台所でイチャイチャして過ご

 したのでありました。

 

 そんなこんなでイチャイチャしながら一年

 があっという間に過ぎてしまった。

 

 ピンポーン

 多分母さんだ。

「ヤッホー‼︎おひさー。良夜がお世話になっ

 てー。ほんっとありがとう‼︎」

 下に降りようとしたらもう理央ちゃんのお

 母さんが玄関で母を迎え入れていた。

 …しかし母さん。なんでそんなにたくさん

 お土産。

 両手にどっさりだな…

 しばらく母親は、理央ちゃん家にお邪魔し

 て楽しそうにおしゃべりしていた。

 

 理央ちゃんは、一週間したら一年間オレん

 家に暮らすことになった。

 

 部屋の荷造り完了。

 すると部屋に理央ちゃんが来た。

 ⁈

 目を潤ませてる理央ちゃん。

「理央ちゃん⁈どうしたの⁉︎」

「さみしー…さみしーよぉ〜つ」

 って言いながら理央ちゃんがオレに抱きつ

 いてきた。

 え…

 一週間したらうちに来るんだよな?

 理央ちゃんを抱きしめながら聞いた。

「理央ちゃん…一週間したらうちに来るんだ

 よね?」

「うん。」

「それに明日も学校で会えるから。」

「うん…」

 意外と理央ちゃん寂しがりやさんなのかな。

 でも、こんなに慕ってくれるなんて嬉しす

 ぎだろー‼︎

 理央ちゃんの頭をナデナデしながら言った。

 毎日学校着いたら会いに行くからって。

「フゥんッ。わかった…。」

 涙を拭きながら理央ちゃんが可愛く返事を

 した。

「理央ちゃん。」

「ん?」

 理央ちゃんが顔を上げた拍子にオレは理央

 ちゃんに、長く甘〜いキスをした。

 ンキュッッ。

 可愛く声を上げる理央ちゃん。

「これで充電された?」

「うん。された!良夜くん…私、一週間頑張

 る。」

「うん。」

 理央ちゃんの顔が明るくなった。

 

 家に帰ると…なんか自分の家なのに少し落

 ち着かないな。

 やっぱ寂しいな。

 早く明日になんねーかなーなんて思う自分

 がいた。

 

 次の日早めに学校に向かった。

 そもそもうちのマンションは、学校から結

 構近いのだ。

 理央ちゃんの花の水やり時間に合わせて登

 校。

 

 いたいた。

 理央ちゃんが朝日に照らされながらキラキ

 ラした水をお花にあげていた。

 うわー…絵になるわー。

 思わずみとれてしまった。

 これは記念にカシャッ。

 なんの記念だ…なんて自問自答。

 

 カシャって音に気づいた理央ちゃん。

 キラキラ目を輝かせてこっちに向かってき

 た。

「良夜くーん。寂しかった」

 理央ちゃんは、堂々とオレに抱きついた。

 学校っすけど…

 ま、朝だし誰もみてないか。

「オレもさみしかったよ」

 って言いながら理央ちゃんを抱きしめた。

 

 早く一週間経たないかなー。

 

 続く。

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