美少女の私生活
早速夜、びっくりすることがおきた。
ご飯だよーって呼ばれるとリビングに向か
ったら、お父さんもお母さんも瀬野さんま
でもニヤついていた。
え…。
「良夜君どこ座るう?」
お母さんの質問にドギマギしながら、
「えっ、どこでも大丈夫ですけど。」
と答えるとみんな一斉に
「私ここー。」
「お父さんここ。」
「じゃあ、お母さんここ!」
って言って席を選び出した⁈
びっくりしていると、
「じゃあ、良夜君そこで大丈夫?」
と、瀬野さんに言われた。
「あっ、うん。」
するとお母さんが
「じゃあ、セーので座りまーす。セーの!」
と号令をかけた。
みんなが一斉に座ったから、オレも慌てて
みんなに合わせて座った。
すると…瀬野さんのお尻のあたりから
キャアーって聞こえてきた…⁈
何⁉︎
どうなってんだよ⁉︎
「びっくりした?ごめんね、驚かせて。うち
いつも茶碗洗いキャアキャアクッションの
上に座った人が洗うの。今日は理央ねー」
「はぁーい」
…あのクール美少女瀬野さんが毎日こんな
日常を過ごしていたなんてびっくりだ…。
ってか予想外の生活っぷりじゃないか。
学校では、滅多に人と話さないって有名だ
ぞ。
話しても、うん。そうなのね。わかった。
なんて言葉くらいしか返ってこないって噂
だぞ…。
ご飯を終えてお風呂に入らせてもらった。
いい香りのバスクリン。
瀬野さんちのお風呂って感じがかなりした。
あー、毎日瀬野さんと同じ湯船に入ってる
なんて男どもが知ったらオレはどうなって
しまうんだろう…。
想像しただけで恐ろしくなるぜ。
次の日は、学校だ。
瀬野さんとどう接したらいいか少し迷うが
あっちに合わせることにしよう。
そして朝
「おはよう。よく眠れた?」
朝から爽やかな瀬野さん。
「うん。おかげさまで。」
「そう。ならよかった。あ、そうそう。電車
の時間教えてなかったわね、七時二十分の
電車なら余裕で間に合うわよ。」
「あ、そうなんだ。わかった。ありがとう」
「うん」
…朝一緒に登校すんのかな?
でも、わざわざ時間教えてくれたって事は
別々だよな。
…やっぱり別々の登校らしい。
瀬野さんは、かなり早めの時間に出て行っ
た。
瀬野さんのお母さんによると、学校の花壇
の水やりをするからいつも早く出て行くと
のことだった。
委員会に入っているからって毎朝えらいな
ぁ。
オレはそれから結構時間が経ってから家を
後にした。
学校につくと瀬野さん…
今まで他人だった瀬野さんが向こうから歩
いてくる。
ど、どうすれば…
オレがドギマギしていると、
一緒に隣を歩いているクラスメイトが一言
「おー、朝から瀬野さんが歩いてくるじゃん。
すれ違えるなんてラッキー」
なんて言っていた。
もうすれ違えるだけで男どもは、嬉しいの
だ。
実際オレもそうだった。
きっとスルーだ。
しかし瀬野さんは、まさかの…まさかのお
辞儀をこっちに向かってしてきたじゃない
か!
すかさず条件反射でお辞儀を返した。
「えっ⁉︎瀬野さん今良夜にお辞儀しなかった
か⁉︎」
クラスメイトは、驚いていた。
「うん…まあな」
「なんだよ!お前いつのまに知り合いになっ
たんだよ⁉︎マジかよ!すげ〜じゃん‼︎」
とにかくびっくりしていた。
…うん。オレもびっくりだ。
あの瀬野さんがオレに向かってお辞儀をし
てくれるなんて。
はぁ。
幸せってこういう事を言うんだな。
なんて幸せを噛みしめている場合ではなか
った。
なんでお前に瀬野さんがお辞儀してくるん
だと質問の嵐…
なんでかなぁ⁇不思議だなぁ⁇ってごまか
すのが精一杯だった。
そりゃそうなるわな…。
オレだってあの瀬野さんとこうなるなんて
思いもしなかったし。
基本瀬野さんは、休み時間一人で読書をし
ていることが多い。
だから、誰かとコミュニケーションをとる
なんてまずそうそうないのだ。
家に帰ると、先に瀬野さんは帰っていた。
「あ、お帰り」
…うおーっ。瀬野さんからのお帰り‼︎
オレは…オレは幸せものだ。
あの瀬野さんからお帰りなんてお言葉をい
ただけるなんて。
これが毎日続くんだろ⁈
あー、最高っす‼︎
そして今夜もキャアキャアクッションバト
ルが始まった。
「私ここ‼︎」
「じゃあ、父さんここ」
「良夜君どっちにする?」
「じゃあ、こっち」
「なら、お母さんここー‼︎せーのっ」
キャアー。
オレのお尻からだ…。
今夜はオレが皿洗いとなった。
瀬野さんは、あー良夜君お皿洗いだーって
言いながら笑った。
とにかく家では、よく笑うんだよな。
学校じゃ笑った顔見たことないけど。
もっと学校でも笑えばいいのに…
ご飯を食べていざ皿洗い。
初めてだから、瀬野さんのお母さんが洗い
方について教えてくれた。
教わりながら瀬野さんの意外な過去が明か
された。
…そうだったのか。
瀬野さん…。
続く
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