サイレン 12-22

 

 冬の夜。

 どこかから響いてくるサイレンは、ぼくの心を不安にさせる。


 人恋しい。

 物悲しい。

 無力感。

 眠れない。

 そんな夜。


 ぽっかり空いた心の隙間にサイレンが響き渡って、涙がこぼれた。

 瞬間、気付く。


――涙って温かいんだね、と。


 響き渡る、冷たいサイレン。

 その無機質さを、熱い涙がかき消していく。

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