霧笛 12-20


 目の前に深い霧が立ち込める。


 どうすればいいかも、どう進めばいいかも分からなくて、呆然と立ちすくんでいた。

 そんなとき。


 どこかから音が響いてきた。

 耳の奥を心地よく刺激する、低い音。

 私は音のするほうへ歩き出す。


 次第に晴れゆく、白い世界。

 その向こうには……。


 思わずホッとして、頬が緩んだ。

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