セミ・ファイナル 8-27


 気だるい体をソファに横たえ、天井を見つめていた。


 ふんわりとしたまどろみ。

 このまま眠ったら、きっと気持ちいいに違いない。


 ゆっくりと目を閉じた、そんなとき。

 ベランダでけたたましく鳴き始める、セミの声。


 途切れ途切れ、ときおり弱々しくなるその声は、夏の終わりを告げる歌なんだと私は悟った。

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