ニィニィ 2-2
「ニィニィ」と言いながら、僕を追いかけてくる子がいた。
小さい、子犬のような女の子だった。
そんな子と過ごした時間を思い出して、僕はフフッと笑った。
「どうしたの? マーくん」
声をかけてきたのは、妻。
子犬のような笑みを浮かべて、こちらを見ている。
僕をニィニィと呼んだあの子は、もういない。
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