モンスターの存在が生活になじんだ世界
仲仁へび(旧:離久)
第1話
俺は、モンスターを育てる牧場に働いている。
一昔前まではモンスターは人間の脅威だった。
魔王が登場した影響を受けて狂暴になっていたから、見つかったら「即・命の危機!」に瀕していたくらいだ。
しかし百年前に魔王が倒されてからは弱体化した。
だから、モンスターは普通の動物と変わらない生物になっていた。
だったら、もうモンスターじゃなくてただの動物じゃね?
と思うかもしれないが、モンスターには動物にはない特徴がある。
魔法が使えるのだ。
だから、未だに区別されていた。
で、俺はそんなモンスターを育てる人間だ。
牧場であせくせ働いている。
モンスター達はのんびりしてるな。
昔と違って、気質が穏やかだから、管理しやすい。
異変がない事を確認しながら餌やり。
みな、勢いよくがつがつ食っていく。
今日の仕事はこれで終わり。
そう思った時、それはきた。
モンスター達が騒ぎ始めた。
空を見ると、雲が分厚くなっている。
これはひょっとして魔力嵐の時期がくるのか?
モンスターと動物のちがうところ。
それは本能の部分が強いと言う事。
強い第六感が、危機の到来を教えているのだ。
魔力嵐がやってくると、魔力で作られた道具が動作不良を起こすんだよな。
魔道具を使ってモンスター退治をしている冒険者とか結構困るし、病院とかだと治療魔道具でけが人の治療とかもできなくなる。
それだけじゃなくて、魔力が引き起こす暴風で、家の屋根とか飛ばされたりするから大変だ。
俺は近隣の者達に知らせにいった。
モンスター達を飼育小屋の中に入れて、カギをかける。
一昔前は、天敵みたいな扱いだったのに、今はこんなに俺達の生活になじんでるんだもんな。
不思議だよな。
モンスターの存在が生活になじんだ世界 仲仁へび(旧:離久) @howaito3032
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