第16話 選択肢10 ー1クライヴが憎らしくなった ※選択肢によってはBLルート※(15話選択肢より)
クライヴが憎らしくなった。
どうにかして、この男を屈服させることは出来ないだろうか。
そう考えた時、私は、リリィが渡してくれたカードのことを思い出した。
このカードを餌に、クライヴを、私に跪かせることが出来るかもしれない。
彼の父親に逆らう行為だが、それでも、私はやってみたかった。
幸い、ここには私とクライヴしかいない。
うまくやれば、クライヴに一矢報いて、このまま勤め続けることが出来るかもしれない。
「……」
私はクライヴに歩み寄り、彼の顔を間近で見つめる。
そして、しまっていたカードを取り出し、彼の目の前にちらつかせた。
「そのカードは……っ」
目の色を変えたクライヴに、私は彼からカードを隠した。
「そのカードを、カナリヤと無料で会えるカードを、譲ってはくれないか。頼む……!!」
「このカードは、私が、カナリヤから頂いた物です。他の方に渡すわけにはまいりません」
「では、僕と一緒に娼館に行ってくれないか。そして、カードを使う権利だけを、彼女に会う権利だけを譲ってはくれないだろうか」
クライヴは勝手なことを言う。
だが、強くはねつけることは出来ない。
なぜなら、この男は私の雇い主の息子だからだ。
「では、私と一緒に娼館に行けば良いというわけですね。私は娼館の入り口で待ち、あなたはカナリヤに会う。無料でね」
「そうだ。そうしてほしい」
「でも、私には仕事があるので、外出することは難しいです。困りましたね」
「それなら、君の仕事を他の人間に回そう。僕が手伝っても良い!!」
「そうですか。ありがとうございます。今日は、もう帰宅しても宜しいですか? お父上から許可を頂いていますので……」
「できれば、時間があるのなら、娼館に行きたいのだが……」
クライヴが遠慮がちに、ずうずうしいことを言う。
私は、彼に聞こえるように舌打ちをした。
「……その、無理にとは言わないが」
このまま、クライヴを無視して今日は帰ろうか。
それとも、クライヴを焦らしていたぶってやろうか。
少し迷った末に、私は……。
選択肢11
1今日は帰ることにした(次へ/鳥籠の鳥【男主人公編】16話→ 鳥籠の鳥【男主人公編】17話へ)
2クライヴをいたぶることにした(鳥籠の鳥【男主人公編】16話→ 鳥籠の鳥【男主人公編】18話へ)
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