第15話 選択肢9ー2クライヴに従う(13話選択肢より)

クライヴに従うしかなかった。

……ああ。悲しい雇われの身よ。


「……」


クライヴの気が変わり、私を解放してくれないかと願いながら、彼の背中を見つめて歩く。

どうやら、クライヴの部屋に向かっているようだ。


ああ。この背中に蹴りを入れて、逃げ去ることが出来たら、どんなに気が晴れることだろう。

だが、そんなことをしたら職を失う。


……クライヴの部屋に着いた。


「……」


クライヴが私に向き直る。

正面から真っ直ぐに見ると、クライヴの顔立ちは整っていて、男の私でも美しいと感じる。

中身を知れば、その感情は霧散するのだが……。


「父上から、何を命じられた?」


クライヴが私に問い掛ける。

今、この部屋には私とクライヴしかいない。


「お答えしかねます」


私は目を伏せ、言った。

クライヴは私の主だが、彼の父親には逆らえない。

このまま、話を終わらせて立ち去ろう。


「用件がそれだけでしたら、私は失礼致します」


「答えるまでは、帰ることは許さない。もちろん、嘘も駄目だ」


クライヴはしつこく食い下がってくる。

嘘も駄目、というが、私の言葉が嘘かどうか、彼にわかるはずもない。


そこまで考えて、私は、ある考えに行きつく。


まさか、クライヴは私が今日、どこに行ったのかもう知っているのか……?


「……」


クライヴが私の答えを待っている。

私は……。


選択肢10

1クライヴが憎らしくなった ※選択肢によってはBLルート※(次へ/鳥籠の鳥【男主人公編】15話→ 鳥籠の鳥【男主人公編】16話へ)


2娼館に行ったことだけは話そうと決めた(鳥籠の鳥【男主人公編】15話→ 鳥籠の鳥【男主人公編】21話へ)

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