仏教とパンドラの箱

仏法を学ぶことで、自分が親を選んで生まれたこと、過去の因縁が循環していることも理解した。

ひどい仕打ちを受けたとさえ思うことすらも、過去世の自分が恐らく招いてしまった可能性も理解した。


更に魔に対峙する為に、生まれた環境すらも全て仕組まれたスパルタ教育だったと天照様から神託を受けていた。

その業を解消するために、今世で体験していることも理解した。


因果応報という言葉通り、巡ること。

そしてその学びに気づかない限り、人生の課題として先送りされた問題は何段階もハードルを上げ、再び課題としてやってくることも理解した。


誰もが意味のない感情から他人を否定・拒絶する心の原点を考えると、そこには妬み恨みがある。

その思いが根底にあるからこそ、自分の心のフィルターを通して攻撃対象と認識するのである。


そのフィルターを通したが最後、延々と変わらない思考。

それが私が17年間育った世界。


その倍以上の時間をかけてやっと真実に辿り着き、巡る思いがより一層強くなり、現実を突きつける。

それはトラウマとして、封じてきた思い。



しかし法華経を信心し読経する中で、私の心も少しづつ変わり運命も変わってきた。

これまで散々に苦しめられてきた命に関わるような霊障が、圧倒的に無くなったのである。


毎日家中をパトロールし、悪い存在を感知して威嚇し鳴くことが多かった飼い猫も、今ではパトロールをしなくて良い状況に変わった。

何度となく玄関の鍵が開く音がしたり、誰も歩いていないのに足音が聞こえたりする現象も無くなった。


普通では考えられない現象が、ほぼ起きなくなった。

そして神託の代わりに誰かが読経する声が聞こえたり、明らかにこれまで以上に守護してもらっているのを実感している。



そんなある日、母からの荷物が届いた。

私が体調が悪く外出できないと知り、食料を届けてくれたのである。


対立していた妹との関係は修復されたが、母との関係性も変わるのではないかと期待しては諦める日々を送っていた私にとって、それは小さな歩み寄りではあるものの、長く厳しい冬が終わりを告げ、雪解けを感じる出来事だった。


「法華経の信心は冬の如し。冬は必ず春となる」と。


我が心法が変われば宿命も変わるのだ。



私のこれまでの長い過去の呪縛は、周りの人の優しさや思いやりで少しづつ変わり、諸天善神は神託という形で物事の道理を説いてくれた。

そして法華経を信心することで、それらが正しく軌道修正されたのではないかと感じている。


そんな自分しか伝えられないこととして、私は巫としての役目を果たす。


なぜなら、崩壊と再構築の未来の現象を説く者がいない限り、「気づけ」と罰を与えている諸天善神の声が届かない。

諸天善神の声が届かなければ、人々はただの自然災害という受け身的な立場のままで、崩壊する未来は永遠と変わらない。


人は自分の常識や殻を破る為には、全てをひっくり返すほどのエネルギーと、強い信念がない限り変わることは出来ない。



私は自分の命を賭けて、狙ってくる魔に対峙し続けてきた。


正しい方向に進もうとすればするほど、心を折ろうと魔は仕掛けてきた。

身近な存在の健康被害であったり、仕事上追い詰められる案件が発生したり、理不尽に多くの問題をその身に受けた。


追い詰められる訳を知らされた時、立ち上がるしかなかった。

逃げる道などなかった。


その中で支え続けたくれたメンバーの想いに救われた。

時にはからかい、笑い話をする諸天善神の愉快な一面にも救われた。


そして今私は、生きる為に支えてくれた仲間と、これから出会うであろう仲間と笑う為、神託された世の中の魔と戦うと決めた。


仏弟子の一人として、真実を説く。

それはこれまで体験してきた葛藤全てに、意味を生じ自分が生きる理由となると知った。



私は私として胸を張って生きたい。


過去の選択が未来を作るなら、私は真実を知り、意味ある行動に繋げたい。

嫌な相手のどうしようもない態度、性格だとしても、裏に見える環境や葛藤が創り上げた世界でそれぞれ生きている。


だからこそ、まず否定する前に寄り添うことから始めたい。

その人には偏らなければならなかった事情や背景があり、そのトラウマゆえに創り上げた世界があるかもしれないのだ。


全ての人に宇宙が存在する。

宇宙の中に魔も神も仏も存在するからこそ、宇宙を持つ一人一人の命の中にも魔も神も仏も存在する。


他人を尊重し自らを守る事が、一番大切な事だと今、私は考える。



あの日願った。


誰かに必要とされる事、誰かの力になれる事。

自分しかできない何かを成し遂げる事。


だからこそ今があるんだと言えるのだ。

コツコツとゆくっりでもいい、私の道を歩きたい。

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