俺の転生って…これがですか?
ほし めぐま
第1話 え…マジで?
ありふれた日曜日
俺の母は図書館司書。
俺の父はトンネルとかの中小企業で働いてる。
兄は2人どっちも学生。
俺は三男。
公立高校の商業科の学生。
…だった。
正夢って言うものがあるじゃん?
いや、だって現実になるとは思わねぇじゃん?
気にせずに学生ライフを楽しんでた。
俺の意志とは反対に操られているように階段を昇る。ネガティブな言葉や後悔、日常のしょうもない事ばかりが頭をぐるぐるする。
「あれ?なんで俺は屋上に居るんだ?」
…まただ。
朝早く学校に来ては何故か俺は屋上に居る。
その度に教室に戻る。
だが、この日は違った。
気づいたら俺は屋上から身を投げていた。
…あとは一瞬だった。
中庭のコンクリート階段に全身を打ち付けた。
この階段を…下れば、中庭に入る入口が…
ぼやけた意識で必死に緩やかな階段を這うが、
誰か助けを呼べるかも知れないという希望は
ガラス扉の先に居た真っ黒な女の子の汚い物でも見るような視線で打ちひしがれた。
何故かは分からない。でも、間違えなくその子は扉を内側から押えて俺が助からないようにしているみたいだった。
…あつい。痛い。
頭から血が流れていることに今気づいた。
俺、死にたくない。
自分の血溜まりの温もりに身を委ねて、女の子の残酷な視線を感じながら、痛みに耐えられず目を閉じた。
それが俺が"可笑しな世界"に来る前の話。
俺の転生って…これがですか? ほし めぐま @wataamedokusen
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