顔がついてて動くキノコ

玄栖佳純

第1話 顔がついてて動くキノコとの出会い

 俺が初めてそれを見たのは、魔王を倒そうと躍起になっていた頃だった。

 魔王の城の近くに、それはたくさんいた。


 魔王の城の近くは強いモンスターが多いのに、そいつらだけはそれほど強くはなかった。


「またこいつだ」

 愛剣エクスカリバーで切り捨てて言った。


「そんなに強くないのに、地味に体力を削られるな」

 僧侶のソウは魔法で仲間の傷を治しながら言う。


「ねえ……」

 魔法使いのマホがそいつらの死体をじっと見ていた。


「どうしたんだ、マホ」

 真剣な顔でモンスターの死体を見ていたマホに、戦士のセンリが声をかける。


「これ、なんか美味しそうじゃない?」

「え?」

 マホの言葉に俺を含めた他の仲間が驚いた。

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