オタクが3年推してるVの対面イベに行った話

柊アメヤ

前編

題名通りです。一オタクが対面イベを体験した話です。ついでに、推しとの思い出も振り返りつつ書いていこうかと思います。こういったブログは読み専で、まさか自分が書くとは思ってもなかったのでたどたどしいですが、ご了承願います。


この手のブログは、身内以外いわゆる別ジャンルのオタクにも届きがちなので、推しの紹介から入ります。


私の推しは、VTuberです。【ミツハジメ】というVTuberグループです。彼らをデビューから3年推しています。グループ名の由来は、メンバーの頭文字を取ったもので、左から【ミサト・ツキハ・ハノ・ジル・メオ】です。名前だけでも、覚えて帰ってくれたら有り難いです。その中でも私は、リーダーの【ミサト】君を推しています。


元々彼らに出会う前から、VTuberの存在は知っていて何組か推しも居ました。大手事務所にも、個人勢にも。古参ぶるわけではないですが、と呼ばれる頃からこの世界でオタクしてました。今、私の最推しはミサト君ですが、その前に最推しだったのは大手事務所の男性Vでした。黎明期は、どちらかといえば女性Vが主流で男性Vは邪流とまでは言わずとも腫れ物のような扱いでした。そんな中でも、彼は輝いていました。当時は、個人勢ならまだしも企業勢、事務所所属となるとキャラ設定や生い立ちは落ち着いたものになりがちでした。学生から20代前半が多い中で、1人だけ30代。実際、配信内容もその世代に向けたものが多く、まだ高校生だった私にはジェネレーションギャップが凄くて戸惑うばかりでした。でも、なんでか好きになっていました。明確に好きを自覚したのは、歌枠だったかな。ほんと、かっこいいんですよ。普段は、低音ボイスなのに、歌となると高音が綺麗に出てて、女性ボーカルの曲もキー変更せずに歌えてて、そういうところが好きだったんですよね。


好きだと自覚してからも、数多くいる推しの1人でした。それが、最推しに変わったのは、企業勢も個人勢も立て続けに休止・引退をし始めた頃の話でした。何気なく読まれるはずもないと送ってしまった匿名メッセージを、彼は個人配信で拾ってくれました。


「推しは推せるときに推せっていうけど、推したくても推せない事情がこっちにもあるんだよ。そうなったタイミングで引退しないでよ。こっちが悪いみたいじゃないか」


と、活動してる人相手に送るようなものじゃないと今は思います。当時の私は、いっぱいいっぱいだったんでしょうけども。もちろん、このメッセージを拾った後の配信コメントは荒れました。今でも、申し訳ないと思ってます。そんなコメントたちを制止するように、彼は話し始めました。


「そうだよなぁ。俺たちが思うよりも深く考えてくれるんだもんなぁ。そう簡単に切り離せるもんじゃないしな。難しい問題だよな。まぁ、今んとこ俺はそうする予定も無いし、気軽に俺を応援してよ。そういう問題じゃないか、ははは」


好きだと、思いました。恋だと、思いました。同時に、こういう人だから何となく好きになっていたんだろうな、今まで特に問題も起こしてこなかったんだとも。何も考えなくていい、ただ応援してればいい、推していればいい。責任も負わなくてもいい、好きでいればいい。彼のおかげで、ようやく自分なりのVTuberの推し方を理解できました。


それから、3年。


デビュー5周年記念配信で彼は、休止を発表しました。きっかけは、喉を痛めたこと。それを理由に、休み始めたあたりからどことなく察していました。今ここで、集中的に治療しなければ、一生喋れなくなるかもしれない。そこまでの状況にもかかわらず、彼は休止前の配信にを選びました。


休止します、そう書かれたお知らせを見て、私は落ち込むばかりで何も手につかなくなっていました。ずっと推させてくれるって、同期の半分が辞めた時も言ったじゃないか。あれは嘘だったの?


さっきも書きましたが、この世界で休止発表と引退発表は、同じ意味だと思っています。動画の投稿・配信は休むけど、SNSは動かすからねって言っていても段々と頻度は落ちていくんです。そうなっていって、結局は引退します。好きになったあの子もこの子もそうなったから。


だから彼を推そうと決めた時、彼が休止や引退を発表したら私もVのオタクやめよう。このタイミングで降りよう。また傷つくだけだし。これでいいんだって。


そんな時でした、彼らのデビューを知ったのは。



うまく説明できなくて、申し訳ないんですがこう、インターネットって使っていけばいくほどおすすめが自分に最適化されていくじゃないですか?


Vのオタクになってからは、ずっと見続けていたんです。関わりのあるサイト全部。プレスリリースも、すぐ見るのはやめましたけど炎上だけまとめているようなサイトも含めて。


だから、ずっとおすすめ欄には、VTuberの情報、あの事務所の新人がデビューするだの引退するだのが乗っている状況でした。そしてVのオタクやめようと決意してからは、そういったおすすめを全部興味がないにして、見ないようにおすすめされないように変更中のことでした。


また、いつものデビュー発表か。好みだったら、見に行こうかなぐらいで。まさかそれが、運命の始まりだなんて思ってもみなくて。


まず、全員のキャラデザが自分好みでした。VTuberの特徴として、担当イラストレーターさんをと呼ぶ風習?があります。めったにイラストレーターさんをフォローしない私でも、思わずフォローしに行きました。異世界の王子様5人のアイドルユニットというテーマに合わせた衣装に、現実でも思わず素敵と呟いてしまう程でした。


次に、これは少しばかりメタい話になってしまいます。苦手な方も多いでしょうから、飛ばしてください。

VTuber・配信者ってもう星の数ほどいるじゃないですか。その中には、姿かたちを変えてまた輝きだす人もいる。それは理解しているんです。そして、その話は表では話さない。これは、当事者もリスナーもそうしている。だから、には言及しない、するとしても本人には見えない場所で。これが暗黙のルールです。

そういうものだという前提の上で、彼らは中の人を公開しました。厳密に言えば、異世界人なのでその通訳者として。

異世界人の彼らは、どうしても日本に地球に合わせて配信しようとするとズレが発生してしまう。言語的な違いもあるから、自分たちの声に似た人に通訳を頼むことにした。そういう体です。

VTuberが苦手な人や嫌いな人はその理由として挙げることが多い、設定じゃん・ただの絵じゃんは、正直言ってVTuberファンである私でもそう思ってしまう、感じてしまう時はあります。

でも、私は人から見たらバカバカしいことかもしれないそれでもマジメにやる、やっている様が好きなんです。好きになってしまったんです。


それからは、最推しの休止前ラスト配信に赤枠×5個分投げたりしながら彼らのデビューを心待ちにしていました。

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