推し活

眞壁 暁大

第1話

2つ目のお題は推し活だった。

私は推し活を知らない。

よって今回は創作を諦める。

以下はいつにも増してただの駄文である。


多少はどうにかしたいと思った。

思ったが、推し活というものの定義がかっちりしていない感じがする。

かっちりしていないのなら、いっそ開き直って自分勝手に定義してしまえばいいと思ったのだが、それも少し憚られる。

いちおう、手を付けてはみたのだが最初に参照した資料が拙かったのだろう。

推しの強さ≒札束のような固定観念が自分の中に根を張ってしまってそれに引っ張られた話しか思い浮かばなくなってきた。

それで書いてても積み上げた札束の厚さ勝負、みたいなそれはそれはつまらない話。

だめだこりゃ、と投げ出した。


そもそも、推す というのと ただのファン の違いがよくわからない。

・ファンとして応援し、なおかつ自分以外の人に広めること

が「推し活」である、という見解もあれば

・ファンである時点でそれはすでに「推し活」である

という見解もある。

自分以外の人に広める、というのは布教という奴ではないのか? と思ったが、それも含めて「推し活」ということになるらしい雰囲気。

ファンとしての「推し活」の方は推し対象であるタレントさんや作家さん、コンテンツの商品・サービスを買うことで推し対象を支えている……らしい。


どちらが正しいのかは外からは判断できないが、広める推し活と支える推し活ではベクトルが違う感じがする。

両方とも生々しいカネの話がところどころ露出するのだが。

広める推し活は、その推し対象の露出の増加のためにどれだけの手間とカネをブチ込んできたかを語り、支える推し活はこれもまた、推し対象の展開する商品・サービスをどれだけ買い込んだか、通い詰めたかを語る傾向があるっぽい。

あくまで検索で引っかかったサイトをいくつか、さらっと上っ面を撫でただけの感想なので的はずれなのだろうが。

要は推し活とは、ベクトルは違えど、推し対象にどれだけの時間と資本を投じたか、の争いのように見えた。

争ってはいないのかもしれないが、個々人の推し活への入れ込みの強さから、己とは異なる形の推し活は「それは違う」と言いたくなる(まれに言ってる)のが外から見ると争っているように見える。


これをどうやって話にするのか。

カタチの違う推し活同士のバトル・ロワイアル? デスゲーム?

を真っ先に思いついたものの、不毛すぎる。

人の世はもっとあったかいもののはずである。


推し活をする主人公を据えるにせよ、俺はどのような推し活も知らない。

しいて言えば好みの歌手などは居るし、その商品・サービスを購入したこともあるからそこから「支える推し活」のようなもの、を書いてもいいのかもしれないが、これで「推し活」を名乗るのはおこがましい気がする。

多くの場合、支える推し活はアイテム(例えば、推し対象がこれまでにリリースした楽曲CDなど)フルコンプリートがスタートラインであるかのように思えるのだ。

そこまで一つの対象に没入するという経験がないためにうまいこと想像ができない。


昔からそうなのだよな。

このカクヨムだって「カク」のはこの時期のアニバーサリーのお題短編しか書いてない。

それ以外はもっぱら「ヨム」のみである。

抽選で当たるリワードとかの小銭が当たったら嬉しいな、くらいの感覚で書いてる。


長い枕になった。もはや枕が本体。

ようやくの問いとなる。

今回のお題。推し活。なぜこれがお題として選ばれたのかを考えてみる。

これは「カクヨムの考える推し活とは」という問いかけなのではないか。

毎回このアニバーサリーには脈絡の感じられないお題ばかりだが、何かしらの意図はあるはず。


カクヨムにとっての推し活とは何なんだろうか。

カクこと?

枯れ木も山の賑わいというし、拙いながらも書いて公開すれば、登録されている小説(その他)の本数が増えれば増えるだけ露出機会も増える→広める推し活

と言えなくもなさそう。

ヨムこと?

登録されている小説(その他)を読むことで同時に広告も踏み、あるいはそこからさらに書籍化やら何やらの展開に至った作品を読者が買えば金が入る→支える推し活

であると言っていいとも思う。


カクヨムがより好ましいと思っている推し活のカタチはどっちなんでしょうね?


書こうという意欲のあるユーザーに「推し活」というお題をぶつけてくるあたり、おそらくは広める推し活の方を好ましいと思ってるんじゃないかな、という気がするのですが。

皆さんはどう思われますか?






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