第二次戦国時代

@jityan

第1章崩壊 1話危機的事態

20XX年4月

 日本は危機的な状況を迎えていた。

まず、少子高齢化による人口減少で財政が崩壊寸前にまで追い込まれると

そのまま追い討ちをかけるように昨年に起こった南海トラフのせいで産業

が完全にストップしたのだ。

挙げ句の果てには科学技術の進歩が原因で大企業は次々と

労働者を解雇し、ロボットやAIによる人件費の削減が行われたことにより

大量の失業者が発生してしまい生活が困窮する人が続出する程状況が悪化

してしまった。これがのちの「ロボット打ち壊し運動」が発生する事態となる。


 そんな国家の存亡をかけた政府、国会はついに衆議院を解散し、現体制の

維持を主張する"保守党"と大規模な社会改革を主張する"改進党"による2大

政党による日本の将来が大きく変える転換点で世論を二分する白熱した

戦いの結果、現状の変革を望む"改進党"が僅差で与党第1党になる。


 人々はこれで日本の経済が良くなると思っていた、、、、、、、が、

そう簡単に上手くいくはずがない。まず野党第1党の"保守党"が未だに

衆議院での議席を多数保持さているためその影響力は大きく、

参議院にとって与党よりも議席数の多い、いわゆる"ねじれ国会"という状況で

法案が全く通らないでいた。さらには連立している党との対立

も激しさを増しており不満も日に日に大きくなっている。

そんな中、ついに全国で大規模なデモが発生してしまった。数百万人という

大規模なデモの勢いは凄まじく内閣では総理を始めとした大臣などの要人達

がこのデモさらには今後の方針について対応を協議していた。


首相官邸

官房長官「総理!、この事態にどう対処するのですか」


総理「落ち着け、官房長官。機動部隊の状況は」


秘書官「かろうじて国会や官邸、裁判所などの重要施設は完璧な防衛が

できていますが、それ以外の地域はほとんど劣勢でありこのままでは

東京23区がデモ部隊に包囲されてしまいます。さらに、多数の政府関係者

や官僚がデモ部隊に襲撃されており何名もの死傷者が発生、それだけ

ではなく多数の県庁所在地との連絡が取れていません。テレビ局や

ネット会社、ラジオ会社や新聞会社もなんとか防衛はできています

がもはや孤立してる状況でありいつ陥落してもおかしくありません」


官房長官「もし、デモ部隊に占領なんてされたらこれらの情報が

世界中に拡散されるぞ。かろうじて圧力をかけてネットワークや

テレビを停止させているがもう持たないぞ」


総理「各国大使館の状況は、外務大臣。」


外交官「大使館職員は次々と日本から脱出しており、現在残ってる

大使はほぼいないかと」


官房長官「警察庁はなにをしているんだ。秘書官、なぜこんな状況

なのになぜ押さえられないんだ」


秘書官「どうやら、警察庁の職員や警察官さらには機動部隊の一員

ですらこのデモに参加しているかと」


総理「大臣達が経費削減で警察官を減らすからあいつらももはや

他人事じゃないと思っているんだ、、、、」


官房長官「どうなさるおつもりか。自衛隊の派遣はまだなのですか!」


総理「さっき統合幕僚長に電話してみたが、繋がらなかった」


官房長官「きっと、電話線がデモ隊に破壊されたか、失踪したのか」


総理「そんなわけないだろ、官房長官、このデモが起こった

最大の要因わかるか?」


官房長官「我々が、公約を守らなかったからかだろ」


総理「逆だよ。お前は1月に何があったかわかるか」


官房長官「なに?一月か。一月といえば、………予算案しか

なかったはずだが?」


総理「そうだ。そこで我々の公約が社会改革にとって最重要な

課題、"財政破綻"だ。それを阻止するために緊縮財政を取る方針

を閣議で決定した。本当は、そこで大企業を締め上げるべきだった

が保守党、さらに大企業が我ら議員に賄賂を配ったせいで作成した

予算案は認められずにいたんだ。だが、どんな形であれ結果を出す

必要があった為に行ったのが軍事予算と公務員の給料の削減。結果

今まで抑えてきたデモももはや止められる人が消えてしまった。

その結果が、これだ」


官房長官「なるほどな、、、、ということはもはや」


総理「あぁ、もう終わりだな。どちらにせよいずれここにも

デモ隊が突入してくるだろう」


官房長官「馬鹿な、、、、、そんな簡単に、、何か、、、、

何か策はあるんじゃないのか!」


総理「もう、全てが手遅れだ。それよりも我々がこれをどのように

終わらすかが大切だろ?もし、我が政府が徹底抗戦を貫いてデモを

かろうじて抑えたとしてもきっと甚大な被害が出てしまう。そうなった

とき、きっと世界中の国はもはや日本という存在を認めることはない」


官房長官「だから、その最悪だけは回避しなければならないと、、、」


総理「秘書官」


秘書官「はい、なんでしょうか」


総理「このデモの首謀者は誰かわかるか」


秘書官「いえ、未だに不明のままです。が、どうやら思想家が

関与してると公安から伝えられております」


総理「思想家?、、、そうか、ならその思想家

とコネクションは取れそうか」


秘書官「多分、できますが、、」


官房長官「総理、何をなさるのですか」


総理「決まっているだろ。それは、、、」



デモ隊


民兵1「総理を許すな!」

民兵2「首相官邸を燃やせ、全員皆殺しにしろ!」

民兵3「我々がこの腐った国を終わらせるんだー」

民兵4「火炎瓶はまだか…」

民兵5「催涙弾如きで止められると思うな」

民兵6「自衛隊は弱腰だぞ。この闘い勝てるぞ」




機動部隊

A隊員「止まれ!今すぐ武器を捨て投降せよ。さもなくば発砲する!

繰り返す。早く武器を捨て投降せよ」


B隊員「やばい、バリケードが突破されたぞ」

C隊員「ここから一人たりとも中に入れるな」

D隊員「くそ、こいつら俺たちが発砲しないからといって

調子に乗りやがって、、、おい、もっと放水の勢いを強くしろ」

 

E隊長「もう良い、、、、、発砲せよ」

A隊員「ですが隊長!このデモ隊の中には子供や女性もたくさん」

E隊長「あいつらの目を見ろ。あの目は獣だ。もはや死ん

でも構わないという目だ。もはや、あそこまできたらもう

理性なんで働いてないさ。理性のない奴に説得をかけても無駄だ。」


A隊員「ですが、多くの犠牲者が、、」

E隊長「今、我が機動部隊は何人だ。」

A隊員「およそ7000人」

E隊長「対してデモ隊の数は」

A隊長「、、、、、約300万人」

E隊長「我々の犠牲者は?」

A隊員「死者56人 重症者200人越えです、、、」

E隊長「お前それでも動かないといえるか」

A隊員「ですが、、、、、、」

E隊長「なら、隊長命令だ。無線をよこせ。」

「、、、全部隊に次ぐ。我々の何回にも渡る警告を無視し

続けこの首都に多数の犠牲者を出し続けた。もはやこれ

以上の被害は看過できん。よって全機動部隊隊員に対し発砲を許可する」


B隊員「おい、まじかよ、、、」

C隊員「やるしかないのか、」



デモ隊

民兵1「よし、突破したぞ。いけー、なだれ込め、、、

、、、え、、パァン!」


民兵2「どうした。おい、、、」パァン

民兵3「発砲だ!!、こいつら発砲しやがった‼︎」

パァン、パンパンパン!


民兵1「ギャァ~、痛い痛い!」

民兵2「足が、チックショーめ!」

民兵3「目が、、目がーーーー」

民兵4「隠れろ、、、怪我人は下がれ、、、

あいつらぶっ殺してやる。」



デモ隊作戦本部

通信兵「大変です。警察官が発砲致し、多くの犠牲者が出ております。」

No.2「なんだと!、民間人に発砲したのか!あいつら、絶対に許せねぇ、

もう、こっちもなりふり構うな。放火、自動車で特攻、煙玉、なんでも使え。

機動部隊から略奪したピストルも使え!」


No.1「おい、落ち着け」


No.2「こんな状況で落ち着けるわけねぇだろ」


No.1「もう、あいつらはもう追い込まれたんだよ。こうなったら

我々の勝利が間近だ」


No.2「どういうことだよ!逆にやばいだろ、こっちはそんな武器

持ってねーんだぞ。このままなら俺たちみんな殺されるんだぞ。わかっているのか」


No.1「今は窮鼠猫を噛む状態だ。もう、あいつらは追い詰められてるんだよ。

しかもその発砲で逆に我々の士気も上がるし向こう側だ。そろそろしたら

仲間割れを始めるから問題ないさ。逆に撃ってくれて感謝だな」


No.2「仲間が死んでるのに、何を考えてやがるんだよ」


No.1「あれは致し方ない犠牲だ」


No.2「死ぬのはあいつらなんだぞ、、、、、」


通信兵「少しよろしいでしょうか?」


No.2「今は俺が話しているのが聴こえないのか」


No.1「お前は黙ってろ、、、どうしたんだ」


通信兵「さっき政府関係者だと名乗る人が会いたがっている者

がおるのですが、、、」

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