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『さなぎちゃん。ほら、早く、早く』
妖精さんは小声でさなぎにそう言った。
「うん? なにか小さな声が聞こえる気がする。もしかして、さなぎちゃん。さなぎちゃんの友達の妖精さんがなにか言ってる?」
なんだか子供みたいに目を大きくして、じっとさなぎのほうを見るようにして、のぞみさんがそう言った。
「いえ、別に」とさなぎは言う。
「あ、さなぎちゃん。今、嘘ついたでしょ?」のはらがいう。
「えっと」
のはらにすぐに自分のついた嘘を見破られてさなぎは動揺する。
「じゃあ、やっぱり妖精さんがなにか言っているのね。どこ? どこにいるの? 妖精さん」のぞみさんはいう。
困ってしまったさなぎは仕方なく本当のことを言うことにした。
妖精さんがのぞみさんには自分の姿が見えて、声が聞こえるかもしれないこと、それからさなぎは妖精さんのことをのぞみさんに紹介したいけど、妖精さんは大人の人には自分の姿は見せないほうがいいです、と言っていること、そのことを妖精さんとさなぎが(話し合いの結果)約束していること、などを素直に話した。
そのお話を聞いてのぞみさんは「なるほど」と言って納得した。
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