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世界には真夏の太陽の照りつける明るい光が溢れていた。
みーん、みーん、という蝉の鳴き声も聞こえる。
二人はその額や頬に汗をかいている。
『本当に毎日、暑いですね。さなぎちゃん。そこにある木陰に移動しませんか?』と雪のような妖精さんが言う。(さなぎは妖精さんの言葉通りに木陰に移動をした)
それからしばらくして、約束の時間に少し遅れて、のはらが二人のところにやってきた。
「ごめんなさい。森の中でちょっとだけ迷ってしまって、少し遅れちゃった」
二人の前に来て、のはらは言った。
のはらは相変わらずとても綺麗な女の子だった。
その腰まである黒い髪の毛をストレートで流していて、シンプルな白いシャツに、緑色の(膝の見えるくらいの丈の)スカートを履いている。
足元は前と同じひまわりの絵柄の入った白いサンダルだった。
「のはらでも森の中で迷ったりするんだ。この森ってそんなに深いの?」
のはらのすぐ近くに立ってみらいがいう。
「うん。結構深い。私もそんなに森に詳しいわけじゃないから、暗い時間だったら、きっと森から出られなくなったりとか、しちゃうかもしれない」
のはらがいう。
「危ない森なんだ」
「まあ、それなりに子供は危ない森だと思う。大人なら、たぶん、大丈夫だとは思うけどね」
さなぎのことをちらっと見てから、のはらは言う。
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