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「スイカ。食べる?」のはらがいう。
「のぞみさんとのはらさんが育てたスイカですか?」興味津々と言ったような顔をしてさなぎは言う。
「そうだよ」のはらは言う。
「食べます、食べてみたいです!」ととても嬉しそうな顔をしてさなぎは言った。
「よし、わかった。じゃあ、ちょっとだけここで待ってて」
笑顔でそう言ったのはらは縁側の上に立ち上がると、そのまま居間の中に入っていって、家の奥に消えていった。(きっと、そこには台所があるのだろうと、さなぎは思った)
『お二人とも。とてもいい人たちですね』
妖精さんがさなぎにいう。
「うん。本当にいい人たち。そんな人たちとお隣さん同士になれて本当によかった」とさなぎは言う。
妖精さんはさなぎの頭の上から空の中をふわふわと跳びながら移動をして、さなぎの座っている太ももの上のところに移動をした。
『なんだか、とても気持ちが良くて、居心地が良すぎて、とっても眠くなってしまいますね』
はぁ〜、とあくびをしながら妖精さんはそんなことを言った。
「本当だね」
と体を楽な姿勢にしながらさなぎは言う。
スイカを切ってくれているのか、のはらはまだ縁側には戻ってこない。それから少しして、さなぎはそのまま、縁側で眠りについてしまった。(自分でも思っていた以上に遊び疲れていたのかもしれない)
こんなとき、いつもは妖精さんが『さなぎちゃん。まだ寝るのは早いですよ。もっと一緒に遊びましょう!』と言って起こしてくれるのだけど、妖精さんは今はそんなことを言わずにさなぎを眠らせてしまった。
その理由は、さなぎと一緒に妖精さんも、同じようにさなぎの体の上で、『すー、すー』と気持ちのいい寝息を立てて、眠ってしまっていたからだった。
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