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もちろん、さなぎの怖いお姉ちゃんとも大違いだった。(男の子に告白されたりしていたみたいだし、お姉ちゃんもそれなりに綺麗な人だとは思うけど、のはらはもっともっと、綺麗だった)
でも、そのことをすなおにのはらに告げると、のはらは「そんなことないよ。私は全然綺麗じゃないよ」と顔を真っ赤にしたままで、慌てた様子で、さなぎに言った。
いつも自信満々ののはらが自分のことを綺麗だと言われて、そんなに否定するなんて、全然想像していなかったさなぎはすごくそのことを不思議に思った。
「そんなことないですよ。のはらさんは本当に綺麗です。本当に、まるで本物のお姫さまみたいだと思います」とさなぎは言った。(慌てるのはらを見ていて、少し楽しい気持ちになっていたさなぎは、半分、のはらをおだてるつもりでそういった)
「そんなことないよ」のはらは言う。
「そんなことありますよ」と(調子に乗って)さなぎはいう。
そんなつもりは全然なかったのだけど、だんだんと本当に楽しくなってきた。
『わくわく、わくわく』
と妖精さんもさなぎの頭の上でぴょんぴょん跳ねながら、そんなことを言っている。
そんなことない。そんなことある、のやりとりを繰り返していると、それから少しして、「もう、さなぎちゃん! 面白がってるでしょ!?」と、ついにさなぎの心がのはらにばれてしまって、のはらは怒った顔をして、さなぎのほっぺたを両方ともぎゅっとその手でつねってきた。
「ごめんなさい」
のはらに両方のほっぺたをつねられながら、(痛みで冷静になって反省した)さなぎはそんなことをのはらに言った。
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