第31話 談話

    山本と晃司、忠和は旗艦大和にいた。


山本五十六「晃司、今日は任務後指すか」


岡本晃司「いいですよ、リーグ戦でもやりますか」


山本「藤井が今日は都合でいないから普通にやろう」


晃司「はい、了解です」


    そして晩を迎えた。

   

晃司「ちょっと長官たちと、将棋指してくるわ」


渋野忠和「ほんと好きだな。お前、付き合いでやってるとかか?」


晃司「いや、俺も楽しんでやってるぞ」


忠和「趣味があるのもいいものだな。俺はこれと言ってないからな」


晃司「この前山本長官と渡辺中佐が100時間耐久目指して指してた

   らしいけど、75時間で限界がきてやめたらしいぞ、長官から聞いた」


忠和「その話、聞いたことあるぞ、意外と軍人って暇あるんだな」


晃司「そうみたいやな、まあ行ってくるわ」


    晃司が着替えて作戦室に行くと、山本と渡辺が指していた。


山本「遅いぞ、晃司」


晃司「お二人もう指してましたか」


渡辺安次「来たな、岡本少佐。今日は五部にもっていくぞ」


晃司「以前にも増して執念深くなってますね、渡辺中佐」


渡辺「君がいない間、山本長官と75時間ぶっ通しで対局したんだぞ」


晃司「そこまでやったらもう将棋じゃなくなるでしょ、

   まさか今日やるとか」


山本「今日は普通にやる。晃司、俺は今はお前に五部だが、渡辺は

   お前に2つ負け越している。五部になるまでやってやれ」


晃司「ええ、お付き合いしますが、逆に差開かない様にして

   くださいよ。私が寝れませんから」


渡辺「言ったなー、絶対倒してやる。おし、私の勝ちですね、長官」


山本「ちくしょう。まあいい、この調子で今日は晃司に勝ち越せ、渡辺」


渡辺「やろう岡本少佐・・いくぞ、うーん」


晃司「これも難しいですねぇ」


    結局3人の対局は明け方近くまで続いた。


渡辺「ああ、まだ二宮少佐に全部で負け越してるか。と言っても

   1つだけになったな、またやろう」


山本「確かにもう寝ないとな、では解散しよう」


渡辺「ではお先します、おやすみなさい」


    渡辺は作戦室から退出した。


晃司「長官、明日、ああ明けて今日か、昼頃からでも、忠和と園田中尉や

   井上少尉に、特に史実を確認しに行きたいと思います。

   兵学校のほうへ、連絡を一報入れといてもらっていいですか」


山本「ああまだ史実が世界には、残っていると言っていたな」


晃司「まだ可能性があるだけで、確実ではないんですけどね」


山本「まあ分かった、一報入れておく」


晃司「ありがとうございます、ではおやすみなさいませ」


    晃司は寝室に行き睡眠に入った。

   

晃司「おはようさん」


忠和「おう、おはよう」


晃司「忠和、今日な、一花と井上さんに会って4人で史実の確認

   含めて会話しよう」


忠和「ああ園田さんは、戦史にかなり通じているって言ってたもんな」


晃司「山本長官に、兵学校の方へ一報入れてもらう様、言って

   おいたからあとで確認とってから行こう」


    そして昼過ぎ。


晃司「長官、今から行ってきたいと思いますので、ご連絡入れて

   頂きましたでしょうか」


山本「うむ、しておいたぞ、行ってこい」


晃司「では行って参ります」


    晃司と忠和は海軍兵学校へ着き、一旦草鹿学校長に会ってから、

    一花たちの寝室に行った。

    草鹿任一は晃司たちに、これから一花たちと会うときは、自分に

    毎回会わなくていいと伝えた。


晃司「トントン・・」


園田一花「はい」


晃司「入るよ」


一花「晃司さん」


井上胡桃「忠和さん」


晃司「やあ二人とも」


忠和「こんばんはー」


晃司「史実の確認等したいんやけど、ここでいいかな?」


一花「ええ、いいですよ」


忠和「すっかりここが、会議室になってしまったね」


胡桃「これからも、ここで4人で会議しましょ」


一花「史実って、どうかしたんですか?」


晃司「俺ら今回出兵なんよ」


胡桃「忠和さんもですか?」


忠和「そうだよ」


一花「詳しく教えてくれませんか?」


晃司「今は作戦の詳細まで教えられんけど、背景はいいよ」


忠和「以前、俺の中国の兵力削減もあるけど、この前晃司が

   フーヴァー所長に会って、アメリカからの中国への、

   軍事関係の物資の供給が止まったんだよ。

   それで当面、中国の日本に対する脅威はなくなったから、

   大艦隊をヨーロッパ方面に日本から派遣するんだよ。

   それで俺たちも参加するっていう訳」


胡桃「二人とも参戦するんでしたよね」


忠和「そうだよ」


晃司「フランスを解放するんやけどね、それで特に詳しく、一花に

   史実を確認しに来た訳。

   まあ世界やし、まだどこまで史実通りか、分からんけどね」


一花「じゃあ、私の知っている限りの事を話しますね。

   あ細かい事はメモっておきますんで」


    一花はフランス解放の、知っている限りの知識を、

    健司たちに提供した。


忠和「ほんと細かい事まで知っているね」


胡桃「流石、一花」


晃司「以前も、ほんまこれで助かったんよ」


一花「まあこれしか取り柄が無いですから」


晃司「一応史実が少しでも残ってそうやったら、また来ていいかな」


胡桃「史実から外れても、来てください」


忠和「あそうそう、胡桃言っていい?」


胡桃「ん、いいと思いますけど」


忠和「最近ちゃんと眠れてる?」


胡桃「はい、忠和さんのおかげで、よく眠れてますよ、最近は」


忠和「それはよかった」


晃司「それで君らの方は、どうなってるん?」


一花「学校教育の方は私たちも慣れてきましたし、まずまずという

   ところです。それと工学技術についてなんですが、

   私たち、マイクロ波について、その兵器利用等を、静岡の

   牛尾実験所に提供しています」


晃司「マイクロ波か。非殺傷兵器とか、電子チップの破壊やね」


胡桃「ちゃんと特許申請と印税が、おりるようにしています」


忠和「しっかりしてるね」


一花「胡桃の場合はしっかりしてるというか、ちゃっかりしてるって

   感じですよね」


忠和「それもそうかな」


胡桃「一花、あんた仕事柄、口八丁になってきたわね」


晃司「そうかもしれんね。まあ俺ら、遅くなるからそろそろ

   この辺で、おいとまするよ」


忠和「そうだな、行こうか」


一花「お帰りなんですね、くれぐれもお気をつけてください」


胡桃「ほんとにお気をつけてください」


晃司「ありがと」


忠和「ありがとう、それじゃ」


    晃司と忠和は兵学校を後にし、大和への帰路についた

    のであった。

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