キーホルダー

 私は毎日決まった道を歩いている。そのときに、見慣れないものを見かけた。


キラキラの入ったキーホルダーだ。


 トイ・サラ・ズーに売ってそうなおもちゃで幼い子が作ったのか、上としたの留め具の位置があっていない。私が拾って、このキーホルダーが落ちていた場所の近くの目立つ場所にまた置いておこうと思った。するとそのとき、赤いランドセルの女の子が歩っているのを見かけた。何かものを探しているみたいだった。今時、声をかけたら変人だと思い、必ず女の子の目に入る場所に置き、その場を立ち去った。



*翌日*

 また、あの女の子とすれちがった。今日は他の女の子たちとも一緒だった。その子たちのランドセルには、昨日落ちていたキーホルダーと同じようなものが全員についていた。お揃いで用意したものだからこそ、さぞ、見つかったときには嬉しかったのだろう、何て考えながら、今日も同じ道を進むのだった。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る