ランダムガチャでどん底人生逆転し最強へ至らんとす〜ユニークスキル【ランダム召喚】でアイテムだろうが人材だろうが楽々召喚〜

ネリムZ

第1話

 どうしてこうなった!

 俺の目の前には、幼女が戦斧を振るいゴブリンを粉砕している光景があった。

 俺はただ、推しの為に数年ぶりに外に出ただけなのに、どうして、どうしてこうなったんだ。


「⋯⋯お前が、私のマスター?」


 ◇


 俺は伊集院いじゅういんしゅう

 親のスネをかじりヒキニートをしている社会不適合者のカスである。

 日々の行いはパソコンとにらめっこ、推しを応援。

 お小遣いで推しの活動を応援している。ま、その推しは2次元なんだけどさ。

 今日も扉の前に置かれたご飯を食っている。

 俺は太りにくい体質のようで、フケだらけの髪や伸びきった髭等を除けば顔立ちは母譲りで良い方だし、太りにくい体質に加えて筋肉質だ。喧嘩? デコピンで負ける自信があるね。


「な、んだと」


 そんなカスの俺だが、外に出ない俺だが、外に出る事になった。

 何故って?

 そりゃあ、推しが出るアニメのブルーレイの店舗限定の品を手に入れる為だ。

 兄や両親には頼れない。


「はぁ」


 行きますか。

 髪と体を洗い、日が俺にとっては最大の強敵なので帽子を被り、いざ出陣。

 道を歩いていると剣を担ぎ鎧を来ている人や魔法使いの服を来ている人等がいる集団を見つけた。

 あの剣は本物だ。


 2019年、5月1日にこの世界は狂った。

 ダンジョンゲートと呼ばれる物がこの世界に出現したのだ。

 ゲートが現れる時に周囲の生命体を吸い込む性質があり、ゲートの中に入った人はステータスと言う物を授かる。超ご都合的なアレである。

 ステータスはゲートの中、自分の命の危険、誰かを守ると言う思い等が判断されると適応される。

 もしもステータスで強化された人がゴロゴロと居たら世界はとっくに滅んでいる。

 戦争ではステータスの力は使えない。

 ステータスにはスキルがあり、中にはユニークスキルと言う物があるらしい。

 2024年、ゲートを攻略するハンターと言う職業が一般化された。

 現在2026年、ゲートがある日常は普通に成った。


「はぁあ。買えた買えた。さて、帰るか」


 ゲートは発生と同時に周囲の生命体を巻き込む性質がある。

 そして、俺が横切る裏路地へと続く道に、ゲートが現れた。


「え」


 そして、俺はダンジョンへと入室した。


「う、うん」


 目を開くとそこは、石の壁だった。

 今の世の中、不運があると偶にこうなる。

 今ではゲート出現を読み取り、警告を流す機械等もある筈なんだけどな。

 畜生。


「あ、これでステータス獲得したんだっけか」


 長年ヒキニートの俺はステータスを手に入れる事は無いと思っていたんだけどな。


「頼む。ユニークスキルとか良いんで初期スキルは優秀であってくれ」


 ゲートに吸い込まれた場合はランダムでダンジョン内部に入る。

 その為すぐ後ろに出口がある訳では無い。

 人は既にどうしてゲートが出るのか、ステータスと言うのがあるのか、そんなのは考えるのを止めている。


「えっと、なんだっけ? 確かこう言うご都合的なアレの場合はステータスオープンだっけ?」


 ま、何も出ないんだけどね。


「あ、思い出した」


 最初はステータスが自動的に開くまで待つんだったわ。

 その後は自由に出し入れ可能、だった筈。


 ◇

 名前:伊集院柊

 レベル:1

 ステポイント:0

 スキポイント:0


 筋力:5

 敏捷:2

 魔力:7

 忍耐:3

 器用:3

 運気:1


 称号

 ・無し


 スキル

 ・ランダム召喚


 魔法

 ・無し

 ◇


「ランダム召喚? これ、内容に寄ってはガチャでは?」


 見てみる。


 ・ランダム召喚(ユニーク)

 ランダムに1個だけなんでもランダムで召喚出来る。

 運気に寄ってレア度が変わる。

 N、R、S、SS、U、SU、SSU、L、SL、SSL、UL、SUL、SSUL、G、SG、SSG、UG、SUG、SSUG、LG、ULG、SSULG。

 運気10以上でNより上が確定

 運気50以上でRより上が確定

 運気100以上でSより上が確定

 運気200以上でSSより上が確定

 運気250以上でUより上が確定

 運気350以上でSUより上が確定

 運気450以上でSSUより上が確定

 運気600以上でLより上が確定

 運気650以上でSLより上が確定

 運気700以上でSSLより上が確定

 運気750以上でULより上が確定

 運気800以上でSULより上が確定

 運気850以上でSSULより上が確定

 運気950以上でGより上が確定

 運気1000以上でSGより上が確定

 運気1500以上でSSGより上が確定

 運気2000以上でUGより上が確定

 運気2500以上でSUGより上が確定

 運気3000以上でSSUGより上が確定

 運気3500以上でLGより上が確定

 運気4000以上でULGより上が確定

 運気5000以上でSSULGより上が確定

 毎日1回無料。00時00分に更新。

 ボスコアを媒介に召喚可能。

 召喚したモノと強制的に契約が行われる。

 初回ボーナスとしてSSUG以上確定或いはシークレット。

 最低レアリティが7回連続で出た場合、8回目はSSUG以上が確定。

 1ヶ月に1回ランダムでSSUG以上確定のチャンス


 ふむふむ。正しくガチャ、しかもソシャゲのガチャ。

 さらに言えばユニークスキルらしい。


「はぁ。取り敢えずここを安全に出られるモノが来てくれよ。ランダム召喚!」


 俺の目の前に魔法陣が展開され、その中から戦斧が出現する。

 俺、195センチなのだが、戦斧は210センチはありそうだ。

 見た目はポール・アックス。

 ランダム召喚は運気に作用されるっぽいが、俺の運気1だし、確定最低レアリティの戦斧が出て来たな。


 そう思い、戦斧に手を伸ばそうとしたら、矢が俺の手の前、戦斧と手の間を通った。


「え」


 そういやぁ、ダンジョンにはモンスターがいるんだっけ?

 見た目はゴブリン。

 やばい、死ぬ。

 普通に死ねる。

 一般ピーポーのステータス平均値は全て10。

 全て低い俺に勝ち目はゼロ。

 急いで武器を……ない!

 武器がない!

 なんで!

 やばい!


 しかし、次の瞬間、肉塊が俺の顔に当たる。


「え」


 ゆっくりとゴブリンの方を見ると、先程の戦斧を肩に掛けている小学生くらいの幼女がそびえ立っていた。

 銀髪碧眼、顔立ちはとても整っており、幼女にしては美しいと思えてしまうような女の子だった。


「……お前が、私のマスター?」


 小さな、透き通る声を、ゆっくりと発した。

 マスター? え、なんの事?


「聞いて無いのか? 言葉、間違っているか?」


 キョトンと首を傾げる女の子。

 俺は、言葉を出す事が出来なかった。



 ちなみに幼女の身長は130センチくらいだった。

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