応援コメント

第1話」への応援コメント

  • ご挨拶は初めてだったでしょうか。
    こんばんは。

    非常にこの作品が刺さりました。

    肉の、かたまり。

    この言葉が走るとき、

    「つまりモノで器だから好きに抱いてしまえ」

    「わざわざ汗かいて取っ組み合う必要もないか」
    と、
    結果に関わらず、男には二種類の思考があるような気がします。
    『僕』にはここで眼前の肢体に対する生々しいままの欲が抜けているので、どう転んでもある程度冷めた感覚というか、スマートに事が終わったような気がします。

    ハルさんは。結構意地悪ですね。部屋のドアをくぐった後も、
    「どっちに転んでもいいや」
    と思ってたんじゃないかと何とは無しに感じました。
    事がない方に転ぶ可能性も見透かしていたようにも。となるとかなり『僕』を見ていた上な訳で、少し怖いような気までします。

    作者からの返信

    こんばんは。コメントいただくのは二度目です。ご訪問、ありがとうございます。ハルは「僕」がどんなふうに振る舞うか、おもしろがって部屋に行ったのだと思います。何もなくてもいいし、体を交わすことになってもいいし。はい、ご推察の通りです。ちょっと不思議な女の子という感じで、ハルを魅力的に描きたいという思いでした。魅力が伝わったなら幸いです……。一方「僕」の方は、そのハルにただ振り回されるだけみたいな。こんな場面で男がどういう選択をするか、難しいところですね(笑)。お読みいただき、ありがとうございました。

    編集済
  • 「アマダイ」発言が許されたのは、基本、主人公たる男性が邪気のないタイプだったからでしょうかね。まあしかし、この時点で彼の恋愛偏差値が暴露されてしまっているような気もします。これだけで、女性側に貸し一つって感じですが。

    >ワタの苦みが日本酒によくあって

    ワタって苦味を楽しむもんなんですね。うちでは基本抜くか、鮎程度の腸でも「薬だと思って食え」みたいなノリです。こういう書かれ方をすると、ほんの一行でも、食の楽しさがにしみでている感じがします。
    それにしても、

    >ここに横たわっているのは、四十キロの肉の塊なのだ。

    九割近くの作家が、ここで主人公を何らかの行為に向かわせるだろうと思われるこの場面で、出てくる言葉がこれかっとツッコミたくなります 笑。というか、ツッコミ待ちですよね、これ? でもこの一行で止めたことで、この掌編がいっぺんに奥行きのある佳品に化けたんだろうなとも。とはいえ、この一言でこの二人の関係が決まった、という気がしないでもないんですが……。

    ちなみにタイトルの「鮎」というのは、ふらりとなわばりに入ってきて、するっと逃げた、そんなハルの比喩でもあるんでしょうか? とぼけた味わいながら、軽やかな出会いと別れ、ほのかに尾を引く喪失感、などなどが、落ち着いた筆致で描かれている逸品だと思います。向田邦子の短編……とはまた違う味わいですけれど、何となくそういう方向の文芸性が香っているような気がしました。たぶんこれ、ハルの視点で全文を語ったら、全然別の雰囲気のストーリーになるんではないかなどとも想像します。

    作者からの返信

    このお話、公式自主企画に応募しようと、ちょっと背伸びして書いた覚えがあります。飲み屋での、少し気取った男女のシャレた会話……みたいな感じを目指して。でも私には少々荷が重かったか、という思いでした(笑)。
    ツッコミ待ちということでもないのですが、
    >ここに横たわっているのは、四十キロの肉の塊なのだ。
    この一文にひっかかっていただけて、とてもうれしい思いです。この一文を核として書き始めたお話だったので。うまく描けているか分かりませんが、フィクションでなく実在の人間というものを、読んだ方がこの一文から感じてくれないだろうか……などと思って書いたのですが。それと、女慣れしていない主人公ということも含め。
    そういえば鮎は縄張りをもつ魚なのでしたね。そのことは考えていませんでした。そうした意識があれば、もう少し違った味つけもできたかもしれません。
    お読みいただき、ありがとうございました。いつも励まされるお言葉をいただいている思いです。

    編集済
  • こんな酒場いいですねー!
    実際、こういう所あったので(笑)なんだか懐かしささえ感じてしまいました。雰囲気がよく伝わって、店内が思い浮かびます。

    「キュウリの匂いがするよ」って言ったのって、鮎は「キュウリウオ目に分類される」からですか? 笹の葉の匂いがするとか聞いたことがありましたが、自分もミヤさんと同様に???となってました(笑)
    「アマダイに似ている」って言っちゃうあたりで、ミヤさん面白い人ですよ(^^)
    お話も面白かったです!

    作者からの返信

    「あったので」というのは過去形でしょうか。昔よく通ったけれど、今はもう、という感じの。その店を思い浮かべていただけたなら、書いた人間として本望です(笑)。なじみの店があるって、いいですよね。人にはそれぞれ好みがあるから、10人いれば10通りのよい店がある。自分好みの店を見つけるのは結構難しい。
    笹の葉の匂いというのは、私は聞いたことがありませんでしたが、たぶんキュウリの匂いと同じ意味合いだと思います。鮎は川底の石についた苔を食べているから、そういう植物の香りがする、という意味なんだと思います。お読みいただき、レビューまで書いていただき、ありがとうございました。

    編集済

  • 編集済

    ポツポツと書かれたという印象を受ける作品で、ハルさんとの関係とか、酒場での様子とかリアルで、とても素敵でした。
    雰囲気のいい小説ですね。
    頭の重さが10%って知識、なかったので、ほおおって思ってしまいました。

    作者からの返信

    これを書いた時に、どうもうまく筆が進まなくて、少しずつ書いていきました。ポツポツと書いた……まったくその通りなので、見抜かれてびっくりしました。そんなふうに書いた痕跡が、文章から感じられたでしょうか。お酒が好きなもので、飲み屋の描写には力を入れています(笑)。飲み屋の雰囲気が伝わったならうれしいです。読んでいただき、ありがとうございました。


  • 編集済

    コメント失礼いたします。

    女子にアマダイと言ったらダメですね(笑)。でも、本来なら不機嫌になるなどするところを、噴きだすのがハルさんの魅力なんでしょうね。
    なんとなく店にはもうひょっこりと顔はださないような気がします。そして、そのほうがミヤさんのいい思い出になりそうです。
    と思いながらも、またどこかで再会しそうな予感も・・・
    いろんな余韻のあるお話でした。

    作者からの返信

    そうですね(笑)。ちょっとズレた感じで、それが魅力になるような女のコにしてみたい、と思って書きました。奔放で、結果男を振り回すことになるけれど、そんなことに本人は無自覚のような。その後、どうなったんだろう、という余韻の残る読後感であったなら、私としてはとてもうれしいです。お読みいただき、ありがとうございました。

    編集済
  •  「おくだ」でのちょっとした出会いと、たぶん別れ(かな?)・・が見事に描かれていて秀逸でした。
     このようなことはどこにでもありそうで・・よく考えると、あまりないような・・そんな不思議な世界ですね。
     素敵なお話です。ありがとうございました💛
     (私の駄作も応援していただき感謝です💛)

    作者からの返信

    はい、たぶん別れです。そのところをハッキリさせず余韻が残るように……と考えて書いたのですが、うまくいっているかどうか(笑)。馴染みの飲み屋で常連同士が仲良くなる、というところまでは、よくありそうですが、それ以上は? どうなのだろう、という物語でした。読んでいただき、ありがとうございました。

  • お邪魔します。

    不思議な女性ですね、ハルさんは。人懐っこくて、誰とでも仲良く話せて、親しい友人だとみんなに思わせてしまう。でも、本当の彼女を誰も知らない…そう、キンモクセイのように強く香るけれど、木の在処がわからないように…と、想像しました。
    店の馴染み客同士と、ミヤさんは何度も言うけど、本当にそれだけなのでしょうか。恋なのかどうかの判断さえミヤさんはしたくないのかもしれません。「ハルのことだ…」と言いながら、半分はもう会うことはないかもと、思っているような気もします。
    色々妄想が膨らむ物語で、楽しかったです。ありがとうございました。

    作者からの返信

    最初に書いている時に「人懐っこい」に類する言葉で、ハルの性格を形容した文章があったのですが、その部分は削って、行為の描写だけに変えました。それで、このように読み取っていただけたので、とてもうれしい気持ちでいっぱいです。
    「判断さえミヤさんはしたくないのかもしれません」
    ここのところもその通りで、とても深く読み取っていただけたことに、ほとんど感無量です(こんな主人公ばかり書いていて「うすぼんやりしている」と否定的に評されることが多かったので)。
    キンモクセイのことは比喩のつもりはなかったのですが、そのように言っていただけて「なるほど、確かに」と納得してしまいました。読み手と書き手が交感できるところが、カクヨムのよいところですね。
    お読みくださり、ありがとうございました。