間奏曲 Part2
天花は折に触れて晴香の事を思い出していた。
晴香は自分がこの世界の人ではないのだと思っていた。そして本の内容は時に変わるし、その事で異世界と通信というか対話が出来ると信じていた。少なくとも天花は晴香からそう聞かされていた。
「だからだよ、もし私が死んでも別の世界に行くだけだし、本を通じてやり取りできるんだよ」
天花は何故か晴香に頷いてあげなきゃと思った。
「あなたがそういうなら私も信じる」
天花がそう答えると学校図書館の本の監視という晴香の奇行を手伝う事にした。
世界が過去を書き換えられるとして、その世界の人は過去の変化を知る事が出来るのだろうか。天花はそういう疑問を感じていた。親友の晴香はそういう事を考えてはいないようだったけど、その天真爛漫さから問い掛けるのは
そしてその行為は遊びではなくなった。本当に晴香が死んでしまったからだ。それ以来二人の遊びは一人の真摯な願いに変わった。
だから高校に進学して最初に図書室にあの本があるか調べたのだった。そしてそんな思いを誰も知らない。「世界」に一人取り残された天花はその儀式を信じて縋って晴香のいない世界での日々を生きている。
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