推し活してたら幼馴染が物凄いやきもち妬いているんだが、もしかして俺のこと好きとか!?

雲川はるさめ

第1話

「俺の推しか!?そんなん決まってんだろーがよ!キャンドルのヒロちゃんだよ、ヒロちゃん!!」


昼休みに好きなアイドルを聞かれたから正直に答えた俺。


今や人気絶頂のアイドルグループのセンターポジの女の子の名前をヲタク仲間の前で言い切った。


「んだよ。俺もだよ。

シンジもかよ。。推しが被ってるな。。」


「俺はアキちゃん。やっぱりツインテは正義だと思ってる!」


人それぞれ、好きなタイプがあって

推しが被ることもあれば被らないこともあった。


俺的には、被らない方がよかった。

何故かって?だって推しを独り占めできそうだからさ。


「ヒロちゃんのポスター何枚持ってる?俺は4枚だかんな」


「俺は、まだ一枚も持ってないけど、、」


「なぁんだ。ファンとしてありえないな。

ファンならグッズを集めなきゃ」


「そうかな、、」


「そうさ。金をかけなきゃだめだろ。

で、握手会でここぞとばかりに言うんだ。

ヒロちゃんのグッズ、めっちゃ持ってるよって」


「そっか。。俺はそれ、できそうもないな」


貧乏だった。

母子家庭ゆえ、そんな金をかけられなかった。テレビで見るのが精一杯だった。


「ねぇ、シンジ。

あんた最近、ヒロちゃんヒロちゃん言ってるけどさ、もしかして、アイドルに目覚めちゃったとか?」


ある日の放課後。

幼馴染のマヒロが俺にチョコをくれた。


「義理チョコじゃないよ!

本命だかんね!大事に食べなさいっ」


「アイドルに目覚めた...うんそうだな。

ヒロちゃん推しだな」


「にしても、マヒロ。おまえ、いま、なんて?」


「本命チョコだって言ってんの!

良かったら食べなさいっ」


「お、おう。。どうしちまったんだ。俺に本命チョコなんてくれたことないのに」


「別に、細かいことは気にしないで。今日は途中まで一緒に帰ろう、シンジ。で、ヒロちゃんの

どこが好きなわけ?」


「うーん。まぁ、元気がいいところ。

それと、ダンスをミスっても笑顔を絶やさないところ。。」


「ふむ」


「あとはポニテが好きだな」


「ふむ。私もポニテにしようかしら」


「おまえとは違うよ。ヒロちゃんは

清楚系美少女なんだから。ギャルのおまえとは違う」


「ふーん。言ったわね」


「俺は、黒髪清楚な子が好きなんだ。

ヒロちゃんみたいな。ヒロちゃんはまさに

俺の理想。やまとなでしこ、的な」


「ふーん。なるほどね。シンジの好みが分かったわ」


「...おまえ。目がマジだけど、

どした?」


「明日、シンジの憧れのヒロちゃんに会わせてあげようか?」


「は?」


「PARCO前の花時計公園前に10:30。

いい?10:30だかんね」


「え、ちょっと...!?」


マヒロはぱたぱたと走り去って俺の前からいなくなった。


翌日。


半信半疑でヒロちゃんを待った。

来るわけないだろ。会えるわけないだろ、

と思いながら。


しかし、どうだ。


10:30きっかり。


ヒロちゃんが現れた。


「うぉう!?」


「ひ、ヒロちゃん!?」


「しっ。声がでかい、シンジ。

私だよわたし。マヒロだよ。てか、まぁ、

ヒロちゃんだけど」


「まったく、幼馴染のマヒロじゃなくて、アイドルのヒロちゃんが好きとか。

まぁ、わたしだからいいけど、嫉妬しちゃったじゃない!!」


俺はびっくりして、へなへなと

その場にへたりこんだ。


「マヒロがヒロちゃん?ギャルのマヒロが、

清楚系アイドルなわけ...!?」


「ったく。声がでかい、シンジ!

取り敢えず、喉乾いたからお茶しよ!」


俺は。


ヒロちゃん、もとい、幼馴染のマヒロに

手を握られ、PARCOの中にある喫茶店へと足を踏み入れたのだった。





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推し活してたら幼馴染が物凄いやきもち妬いているんだが、もしかして俺のこと好きとか!? 雲川はるさめ @yukibounokeitai

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