おきゃんのおうちは普通に特殊。

おきゃん

第1話 うつ病(仮)4年目

 『問題のない家族なんてない』。


 おきゃんのよく聞いた言葉です。どこの家にも大なり小なり問題はあるから、お前だけじゃないんだから、世界には餓死してる子どもやヤングケアラーだっているんだから。だから、お前は幸せな方だよ、我慢しなさい。


 そうだね、そうだろうね。

 私もそう思います。


 さて、おきゃんは今面白い環境に身を置いています。実家です。4年前に友人関係と授業内容をきっかけに自殺未遂(といっても首の吊り方を調べてそのとおりに首に紐を通し、うげってなるのを繰り返す程度)をして短大を休学、実家で自宅療養になりました。そのあと短大を中退。


 おきゃんのおうちは普通です。

 父、母、父方の祖母、姉、おきゃんの5人家族です。父方の祖父は小学生の頃に亡くなりました。亡くなったのがクラスメイトの誕生日で、葬式がおきゃんの誕生日と被ったので覚えています。『毎日が誕生日で、命日なこと』という歌詞が頭を過ぎりました。世界は広いし人口も何億人っているのに日付は365日しかないもんね。


 そんなおきゃんですが、少し前まで実はご飯抜き&お風呂抜き生活を強いられていました。2022/08/11~08/17とわりと短い期間でしたが、ほんとに令和かな?? 体罰って言葉知ってる??

 おきゃんは父の機嫌に左右されがちです。いつも機嫌悪いけどその日は特に悪かったみたいです。

 前日まで母に対してだけご立腹だったので自分は標的にならないだろうと安心していたところにこれでした。油断禁物。夕飯前に洗濯物を姉と畳んでいたら父が来て怒鳴ってきました。こわいね。去年くらいから夕飯のときはレコーダーを回すことにしているのですが、夕飯前だったので録音もできていないので証拠はないです。おきゃんの発言と姉の証言しかないので本当に証拠能力がない。父がいるときは録音しようね(自戒)。


 「お前は畳むことない!! 触るな!」

 「ご飯も食べることないからどうぞ部屋に引きこもっててくれ!!! 2年くらい!」


 畳もうとしていた洗濯物はひったくられて、おきゃんは父が怖くて自室(二階)に退散。夕飯は食べられませんでした。

 姉からその後のことを聞いたところ、食事だけじゃなくお風呂も入らせない! って感じだったらしいです。


 要約すると、


 ・俺(父)にご飯食べさせてください、お風呂に入らせてください、と頭を下げれば許可する。

 ・タダで飯が出てくると思ったら大間違いだ、そんな常識で育つとおきゃんがかわいそうだから常識を教えてるんだ。

 ・都合のいいときだけお手伝いをしてるのが気に入らない。

 ・おきゃんを家族とは認めない。


 みたいな話。


 そして、おきゃんはうつ病(仮)4年目で実家暮らし。2022/04/07からB型事業所に通い始めましたが、医療費も奨学金の返済も年金も親に任せっきりで工賃も家に入れていません。あと、予定がないと起きられません。B型事業所に行く平日、歯医者、友達と遊ぶ約束など予定があるときは起きられるのですが、土日はとにかく起きられない。12時を過ぎ、13時くらいにやっと起きてきます。そして父を避けているため(なんで避けてるのかとか家族の話とかは次話にまとめたいと思います)、昼起き&父がいる土日、昼ご飯いらないかな状態。運と気分が大丈夫なら父と一緒に昼ご飯食べれたりもするけどあんまりないです。


 食費も払ってない二十歳も過ぎた娘が何もしないでご飯食べてたらそれはイライラするだろうな、飯食わせてやる義理ももうないよなって納得している反面、ご飯と風呂禁止されるくらい悪いことしたかなあ、と思いながらの生活でした。

 躾は身を美しくするって書きますが、おきゃんはリスカ常習犯で泣き泣き手首にカッターを当てていました。身、美しくなってる?

 怒られた理由もなんとなーくしか分からないし、機嫌が悪かっただけかな? なんて思ったりもしてるのでどこが悪いとかどうしてほしいが何ひとつ伝わっていないので体罰より話し合いしてほしいです……。話しても直らないからこういう行動に出たのかもしれませんが。

 工賃で水とスポーツドリンク、パンなどを買って、自分の部屋に籠もり、父が眠ってからこっそりお風呂に入るという日々……。


 夏場なので躾に丁度いいと思ったらしいですよ(姉から聞いた)。

 おきゃんがご飯も食べず水分も取らず、窓閉めきって風呂も入らないで死んでても構わないってお父さん思ってるんだ!! って姉に喚いたら「夏だからだって言ってた」という流れで聞きました。へー。


 ご飯抜かれることはわりとあったんですが、どうやって解除されていたんだっけ? 姉と一緒に割り箸噛んでいたこともありました。覚えてないってことは自然解除されたってことだと思うのでまだマシな家ですね。今回はどうなんでしょうね。


 現在は逆転していて、父がおきゃん含めた他の家族より先にご飯を食べ、部屋に籠もっており、おきゃんを避けている状態です。

 

 ……なんで??


 顔合わせづらいのか、拗ねてるのか、怒ってるのか、どれかの理由か全部の理由か他に理由があるのかは分かりかねます。

 会わなければ会わないだけ怖くなる、けどあんまり存在を意識しなくて済むラクさがありますね。


 現状に軽く触れたところでおきゃんの鬱病になって帰ってきてからの4年間をちょっと振り返ってみましょうか。前の方でも少し触れましたが。


 【1年目】

 おきゃん19歳。

 自殺未遂(軽度)。

 大学は休学。10月くらいには自宅療養していた気がする。


 【2年目】

 おきゃん、20歳。短大を中退。

 この時点で自傷行為、不眠、うつ。

  ↓

 精神科に通う

  ↓

 車の普通免許を取る

  ↓

 アルバイトや求人見たり、応募や面接に行ってみたり。落ちたり怖気づいたりして結局何もできませんでした。


 【3年目】

 おきゃん21歳。

 精神科からデイケアへ(月水金)

  ↓

 デイケア継続。

 お医者さんの都合で水木金に。

 2021/09/30自立支援受給者証交付。

  ↓

 計画相談員さんと事業所見学、体験


 【4年目】

 今年でおきゃん22歳。

 4月からB型事業所に通所(月、火)。

  ↓

 7月から週5日に変更。

 デイケアは診察がある2週間に1回だけ。


 現在まで継続。

 B型事業所は楽しく通所させて頂いてます。首吊りの真似事とリスカは減ったものの、頭皮毟ったりささくれ毟ったりはまだあります。眠りやすくする薬と、気持ちを楽にし意欲を高める薬の2錠を継続して飲んでいます。不安やイライラの強い日は薬を飲んでも眠れなかったり、何時に寝ても朝の5時付近に目を覚まして二度寝(できる時とできない時がある)という日もあります。


 あとおきゃんが何故うつ病(仮)なのかってお話しましたっけ?

 診断書を出してもらったことがありますが(免許取るとき必要だった)おきゃん本人は確認していないことと、自分でも怠惰だ逃げだと思っていること、それから父に甘え(怠惰)だって言われたことで『うつ病(仮)』と言っています。こころの病気ってどこからが仮病でどこからが本当の病気だか自分でもわからないし難しいんですよね。


 そして次話でもちょっと触れたいお父様のありがたーいお言葉。


 ・血が繋がってるから道具に見える。

 ・病気せいにできていいなあ、お前は! 俺もうつ病になりたい(首を吊りたい)くらいだ!!

 ・可哀想がられたいだけの仮病

 ・穀潰し

 ・(目につくところで泣いてると)泣かないといけないのかあ、病気だから笑

 ・(怒声にビクッとすると)わざとらしくビクつかなくていいから!ああ仕方ないのか病気だから笑

 ・うつ病になってる本人も大変だろうがその家族の方が本人より大変だ!!



 はい。

 おきゃんの心の問題なのか、環境の問題なのか、どっちも悪いのか、どっちも悪くないのか分からなくなってまいりました。


 自宅療養ってなんだっけ()


 道具に見える〜の下りは帰ってきてすぐ。短大は幼児教育系だったので、家族の話題や虐待についてのこともやります。それで、父に「授業でこういうことをやって、おうちがちょっとそれっぽくてつらいの」ってお話をしたらこうなりました。姉は福祉系だったのですが、「姉にも同じことを言われた、でも俺はもう60(歳)で今更直せないし、血が繋がってるから道具に見える」とのことでした。なんの道具だかは聞けませんでしたが、このとき「あー人間だと思われてなかったんだ」とショックを受けたことは覚えています。こうなる前に殺してくれたら良かったのに、道具なら罪になるとしても器物損壊罪くらいでしょ、殺せ(壊せ)よと強く思っていました。今もたまに殺してくれたら良かったのにと思います。おきゃんは一応人間です。


 では、第1話はこのへんで。


 『次話! おきゃんのかぞく』


 お楽しみに!!

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