隣のクラスの美少女同級生を屋上で助けたら、僕の小さなあそこに惚れられてしまった件 【本編完結】
蒼真 咲
第1話 僕のあそこは小さい
「可愛い♡赤ちゃんみたい♡」
小さい頃、幼馴染の今泉雪代、雪ちゃんは、僕のあそこを可愛いって言ってくれた。
その時は子供ながらに嬉しくて、見せあいっこなんかしていた記憶がある。
僕の容姿は特段優れていることも無く、中の下くらいの普通だと思っている。
容姿さえ良ければ良かったのか?童貞の僕はリア充死ね!なんて余裕があれば良かったのか。
僕、田中おたるのあそこは人より小さい。普段は赤ちゃんみたいに小さいけど、大人になれば成長もするし、大丈夫だと思っていた時期もあった。
そんな幻想も中学生の時に破られることになった。学校行事の林間キャンプで温泉に入ることになったんだけど、クラスメイト他同じ学年の男子はことごとく、平常時でも大人の大きさだった。
僕はその時に自分の平常時の赤ちゃんのような大きさに、打ちひしがれてしまったのだ。
それが、クラスメイトにバレてからは地獄の日々だった。
僕についたあだ名は、「赤ちゃん」女子からは赤ちゃん扱いされ、ズボンを脱がされたり、何度も虐められ、男子からは短小、包茎などと事あるごとに虐められた。
幼馴染の雪ちゃんのパパは背が高かった。そう、雪ちゃんのパパはあそこも大きいに違いない。多分雪ちゃんは、パパのような大きい人が好みなんだろう。僕は雪ちゃんに幻滅されるのが怖くて雪ちゃんから遠ざかるようになった。それから雪ちゃんと会話することも無くなり、僕は一人になった。
僕はライトノベルや漫画は好きだけど、NTR系の小説や漫画なんて大嫌いだ。
あそこが大きいのなんて読むだけで気持ち悪くなる。
もう、生きる気力も無くなった僕は自殺を考えた。
僕なんて生きていても大きくはなれない。女の子を喜ばすことも出来ない。もう死のう。
僕はもう死ぬんだ。と考えたらちょっと気が楽になれた。もう悩む必要もないから。
僕は高校の屋上に上る階段を一段ずつ踏みしめて登って行った。
屋上への扉を開けると、空は赤く夕暮れ時の景色はとても綺麗だった。
ふと見ると屋上には先客がいたようで、靴をそろえて脱いで手すりを乗り越えようとしている女の子がいた。
――え? 何? 自殺!?
僕は自分が自殺しようとしていたことを棚に上げ、咄嗟に女の子の体を後ろから抱きしめるようにして止めようとしていた。
自殺しようとしていた彼女は、僕の良く知る人物だった。渡月杏子、隣のクラスだけどカースト上位の僕なんかが相手にされることなんて露ほども無い、艶のある黒髪で片目を隠した美少女だった。
「死んじゃ駄目だ!」
「離して!私は死にたいの!死なせて!」
「駄目だ!僕が死ぬから!君は死んじゃ駄目だ!」
「え!?何それ!?受けるんだけど?私の代わりに死んでくれるの?」
「違う!僕は自殺しに来ただけだ!」
「ええ~なんだ。じゃ止めないでよ!」
「止めなかったら!君は、僕と心中したことになるよ!」
「ええ!?それは嫌!止めてよキモい!心中とか勘弁!」
「君は、どうして自殺しようとしてるの?」
「別にあんたには、関係ないでしょ!?」
「関係ないけど、目の前で美少女が死のうとしてたら止めるよ!?」
「ふん!美少女ね……私は!美少女なんかに生まれたくなかったよ!男はみんな嫌らしい目で見るし、隙あれば犯そうとするし!おちん〇んなんか嫌い!みんなみんな嫌い!男なんて大っ嫌い!」
「え?そんな……」
「平凡で良かったんだよ!こんな死にたくなるくらいなら!」
この子には、よっぽど酷い過去があるのかもしれない。そう思った。
「何があったか分からないけど!僕は死ぬけど、君には死んで欲しくない!」
「説得力皆無じゃん!?あんた止める気あんの!?」
「死にたいのなら、僕が死ぬのを見てからにしてくれ!」
「最悪!止める気あるなら、あんたも死ぬんじゃねーよ!心中なんて御免だよ!」
「分かったから!死なないから落ち着いて!ね?」
「落ち着いたから!いい加減離してよ!そんなに私の胸触りたいの!?」
「あ、ご、ごめん!」
彼女をずっとつかまえていた僕の手が、柔らかい場所に触れていたようだった。
ようやく落ち着きを取り戻した彼女に安心したので、事情を聞いてみることにした。
要約すると、彼女は彼氏に浮気されて別れたと、で自分は男の子のアレが苦手なので、ほかの女に寝取られたと。よくある話だと思ったけど、一つ気になったのが、アレが苦手という所だった。
「苦手になった理由は?あ、言いたくなければ言わなくていいよ?」
「言いたくない。それより、あんたが死にたい理由を教えなよ」
「僕は、とある理由で虐められているんだ」
「虐めねぇ、サイテーじゃん!で?その理由って?」
「あ~、笑わない?」
「そんなの、内容によるでしょ?」
「実は……僕の……あ、あそこは赤ちゃんみたいに小さいんだ……はぁ」
「プッ……!!あはは!!まっじで!?」
「だから、死にたいくらい。やっぱり笑われたし……もう、死のう」
「あーごめんって!分かった分かった!ちょい、私に見せてごらんよ!」
「いじめる?」
「いじめない!」
彼女が見せてというので、僕はもう死ぬんだし、見せてあげることにしたよ。
僕は彼女の前でズボンを下ろし、パンツを下げてあそこを見せてあげた。これで死ねる。
「かっわいい!超可愛いんですけど!?ねぇねぇ、触ってもいい?」
もう、恥ずか死ぬ!助けて!彼女が僕のあそこをちょんちょん触ってる?
「本当に……赤ちゃんみたい」
彼女の目がキラキラしてるよ。もうやめてぇ!
「ねぇ、これ大きくなったらどうなるの?」
大きく?何の事言ってるのかな?
「知らないよ?大きくなったこと無いし!?」
「へぇ?そうなんだ。あんた、興奮したこと無いの?」
興奮?何それ?
「無いよ!何言ってるか分からないよ?」
彼女の笑顔が妖艶に変わって怖いんですけど?
「やばい……私、あんたとなら、いやあんたのコレとなら付き合えそう」
「え?」
今なんと?コレとなら付き合える?
「言ったじゃん、私は大きなヤツが嫌いなの、怖いの!死にたいほどに!」
えええええええ!?
「だから、付き合って下さい!私と!えっと、あんた名前は?」
「田中おたるです。僕と付き合うって、ほんとに?僕はいいけど……」
「私は、
渡月さんのその眩しくて綺麗な笑顔は、数分前に自殺を考えていた人には到底見えなかった。
こうして、自殺しに来た二人が屋上で巡り合ったのは、何の因果か運命の歯車が動き出した瞬間だった。
読者様へ
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