最強魔法剣士~実はこの男重度のシスコンである!~

おもち

追放編

第一章 出来損ないその1

 「この出来損ないが!!」


 「兄さまが出来損ないのはずがありません!!」


 「しかしこやつは14歳になっても魔法や剣術などの才能ギフトを使いこなせておらぬではないか!?」


 「それは、ただ兄さまの才能がまだ真の力を発揮していないだけです!!」


 「もう話にならん!」


 こうして言い争いをしているのは俺の父と愛しの妹の”ファング・ブルーンス”と”エレナ・ブルーンス”だ。そして、エレナが兄さまと呼んでいる人物は”ロイド・ブルーンス”


 俺のことだ。


 ブルーンス家は、代々強力な魔法と剣術を扱うことができる数少ない一族で、エレナはその中でも”歴代最強”と称されている。


 


 そして、一人の姉と二人の兄、エレナは無事魔法と剣術どちらも強力な才能を授かり、今は王都魔法剣術学園に通っている。


 「ロイド!!―――もう貴様の面倒なんて見ていられるか!いつまでも無能をこの伯爵家に置いておけるか!!」


 父は勢いよく机を叩きそう言った。


 そして続けて


 「ロイド・ブルーンス―――貴様を今日を以ってブルーンス家の名を剥奪とする。どこへでも好きなところに行け!」


 「そ、それってつまり」


 「ということですか」


 「お父様!!それはいくら何でも酷過ぎです!」


 「当然の結果だ」


 父は淡々とそう言った。


 どうやら父はもう俺には興味がないみたいだ。


 それでも、エレナは諦めなかった。


 「お父様お願いです!!どうか兄さまの力を信じてください!!」


 エレナが深々とお辞儀をした。


 愛しの妹が俺のためにここまでしてくれているが俺はあえて何もしない。

 理由は簡単


 


 父は驚いた顔で言った。


 「エ、エレナがそこまでするとわな。・・・・・よし、分かった。ならばこうしよう

ロイド、明日ゲイルとをしろ!もし勝つことができれば、追放の件は無かったことにしてやろう。もし嫌ならば今すぐ出ていけ」


 「に、兄さま!・・・・・・・」


 「・・・・決闘させていただきます」


 「それでこそ兄さまです!!!」


 その時、外から誰かが扉をノックした。


 父が「入れ」と言うと、メイドのリアラさんが入ってきて言った。


 「旦那様、エレナ様夕食のご用意ができました。あ、ロイド様の分もあります。」


 「すぐにそちらへ行く。エレナも早く来るんだぞ」と言い、父とメイドは部屋を出て行った。


 (はぁーあのメイドの俺の扱いは相変わらず酷いな。あ、エレナが頬を膨らませてぷりぷりしてる。めっちゃかわいいいい!)


 俺はそう思いつつエレナの膨らませてる頬を人差し指で軽く突いた。


 すると、エレナは


 「ひゃ/////!?」


 と、かわいらしい声を出した。


 「ににに、兄さま///!いきなり何するんですか///!?」


 「悪い、ついかわいくてな」


 「ついじゃありません///ま、まぁかわいいと言ってもらえたのはう、うれしいですけど//」


 「ん?最後なんて言ったんだ?声が小さくてよく聞こえなかったよ」


 「な、なんでもないです///!」


 「それよりも!!兄さま!!」


 「な、なんだ!?」


 突然、エレナが大声を出したが話の内容はどうやら先ほどのことのようだ


 「さっきのリアラさんの兄さまに対する扱いが酷くありませんか!?」


 「別に、それ相応の対応だと思うが?」


 俺がそんな風に言うと


 「はぁーそんなんだから、舐められてしまうんですよ。まったく、もぉ」


エレナはそう言うとまた頬を膨らませて少し機嫌を損ねてしまったようなので


 「ごめん、ごめん」


と言いながらエレナの頭を撫でた。

するとエレナは機嫌を直してくれたようだ。まったく、分かりやす妹だ。


 そんな会話をしながら俺たちは夕食をとるために部屋を出て行った。


 

 


 

 

 








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