第16話 20200830

切ります 腕を、手首を、傷つけます

あなたに「いつ切ったの」と聞かれたからです、溜息をつかれたからです、あなたのせいで、また3本。

よく切れます、このナイフ。百均のデザインナイフ。

猩々緋ってこんな色かもしれない、こうこうと。

SNSに書いて、切って、ここに書いたら、やっとおちつけるときもあります。それでもおちつかない方が多いのですが。

やっぱり綺麗だけれどな。必死に生きた証が、目に見えてわかるから。どうしてそんな哀れむの、溜息をつくの? そんなことしてまた追いつめるなら、根本から解決させてよ。身体は大事なのに、心は大事じゃないのかな。

「我々は他人と同じようになるためにきびしい自己放棄によって自身の4分の3を棄てなければならない」

ショーペンハウアー。私は棄てすぎた。4分の3どころではない、とりもどしたいのだ、棄てた私を。

そしてホッファーは言った、「他者への没頭は、それが支援であれ妨害であれ愛情であれ憎悪であれ、つまるところ自分から逃げるための手段である」

きっと他人には「今まで」より「今」の方がつらそうに見えることだろう。今は学校にもあまり行けていないし、リストカットもしているし、先生にも相談している。しかし前の方がずっとずっとずっとつらかった苦しかった それを皆相手にしなかった、軽くあしらった 今はそれらが表に出てきただけなのに。

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る