88.食中毒の季節・・・

 2024年は梅雨入りが遅れていて、これを書いているのが6月8日なんですが梅雨入りが宣言されているのは沖縄、奄美、あとついさっき九州南部が梅雨入りしたと宣言されたくらいで殆どの地方がまだ梅雨入りの見通しが立ってなくて天気予報の歯切れも良くない、そんな状況の日本列島です。


 鬱陶しい季節ではあるんですが梅雨が無いと困るのは農業に従事する皆様を筆頭に都会で暮らす皆様にも夏場の水不足と言う恐怖を味わう事になる訳ですからなくてはならない季節であることは確かです。しとしとと降る雨を眺め、葉っぱの上を這う蝸牛かたつむりとかちっちゃくて鮮やかな緑糸の雨蛙さんが喉を膨らませながらけろけろ鳴いている姿を見詰めるのも風情が有って良いじゃないですか。そうそう、紫陽花あじさいの葉っぱの上に蝸牛って有りそうな風景に感じますが紫陽花は微妙に毒を含んでるので蝸牛は寄り付かないんだそうですよ。紫陽花に蝸牛は季節の雰囲気に刷り込まれたイメージでしかないんですって。


でも、それぞれの季節を楽しむのが日本人に生まれた醍醐味だいごみなんだと思います。ただ、その季節がここ最近貧弱になってきているのは温暖化のせいなんでしょうか。


 梅雨時問題になるのが食中毒ですね。と言っても暑くても寒くても気をつけるに越したことは無いんですが食中毒になる原因って何だと思います?


 そんなの食べ物の中で発生した黴菌ばいきんのせいに決まってるでしょって思うんですが、じゃぁ、黴菌が直接の原因だとしたら加熱して黴菌を全部殺しちゃえば全然おっけーの筈ですよね……いや、実は問題はそこにはないんですよ。


 食中毒を起こす菌には大きく分けて二種類有って一つは菌そのものが問題になる『感染型』代表的なのは『腸炎ビブリオ』『サルモネラ属菌』『病原大腸菌』『カンピロバクター』『ウェルシュ菌』が代表的な物でもう一つは『毒素型』と呼ばれるもので『黄色ブドウ球菌』『セレウス菌』『ボツリヌス菌』などが挙げられるそうです。


 で、感染型の菌が付着した食品は75度以上の温度で1分以上加熱すればある程度大丈夫かも知れないらしい(サルモネラ菌や腸管出血性大腸菌はそれ以上の温度と時間が必要だそうです)んですが、毒素型の場合、加熱しても全くダメで菌が放出した毒素自体が過熱しても分解されるような性質のものでないので口に入ってしまうと確実に食中毒になるそうです。厚生労働省が食中毒に関して注意喚起しておりますのでこの辺を是非一度御一読くださいませ。


■厚生労働省-細菌による食中毒-

https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/shokuhin/syokuchu/saikin.html


 幸な事に私は食中毒に合った事が有りません。私の亡き父が海鞘ほやかなんか食べて大当たりした経験が有るって聞いた事が有るくらいで親類縁者、食中毒とはあんまり縁がない暮らしをしてきておりますがそれは寒い地域だからって言う事も有るんでしょうかねぇ?


 振り返って考えてみれば私って、自宅での料理って結構ぞんざいで残り物は冷蔵庫にぶち込んでおけば大丈夫さって認識が有って、更にその手で今迄ひどい目に合った事が無いから他人から見れば物凄く危ない食材の取り扱い方をしてるんじゃないかって、反省する必要あるかも知れませんね。一人暮らしで食中毒にかかったら悲惨だろうなって頭の中では考えるんですが、考えるだけで終わっちゃってそれ以降の行動に移らない、賞味期限切れてても平気で食べちゃったりしますもの。我が身を抓っていないからこそ出来る危ない所業なんですようねぇ。


 気候変動で一年の平均気温も上がってその分、菌が繁殖しやすい環境になっている事は火を見るよりも明らかです、今年の梅雨はその辺十分注意して乗り切りたいと思います……おいおい、今年もまた思うだけかい。

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