54.お出汁なくして料理は出来ない。

前回のお醤油からの引きずりネタです。


日本料理はお出汁の料理。この考え方は日本の独自の調理技術であり、他の国々には類似したものが有るには有るんですが、同様の文化や料理の中で一般的に使われている訳ではありません。お肉や野菜を煮込んだら何となく旨味が出た、そういうノリみたいですね。


だから、日本料理の様に意図的に何かから旨味成分を抽出してそれを料理に使うと言う事は無いらしくかなり珍しい考え方であり手法である様です。で、このお出汁に含まれる旨味成分と言うのは何種類か有る訳ですが、代表的なものとしては『イノシン酸(Inosinic Acid)』『グルタミン酸(Glutamic Acid)』『グアニル酸(Guanylic Acid)』なんかが有って、この三種類が代表的な物の様です。


まず、イノシン酸ですが、これはなんにでも含まれてるって言うのが正直なところで肉全般、魚介系だとマグロ、鯛、鰤、鰹。つまり、日本人が昔から慣れ親しんできた旨味がイノシン酸って言えるのかなと思います。あと、アジ、鯛、エビ、カニ、貝類なんかの組み合わせを使うとシーフード的なお出汁の味になったりします。イノシン酸は、肉や魚の調理時に発生して旨味の強化に貢献します。これらの食材や調味料を料理に取り入れることで、美味しい旨味を引き立てることが出来るんだそうですよ。


次にグルタミン酸。これは特に椎茸しいたけに沢山含まれていて日本料理に広く使われることが多い事から和食特有の旨みを引き出すのに有効な旨味と言って良いのかも知れませんね。それに、寿司酢にも多く含まれていて、お寿司のしゃり独特の旨みはグルタミン酸由来の物なんだそうです。ただ、私の知り合いに椎茸大嫌いって言う人がいるんですよね。何が嫌いって、味が嫌いなんだそうですけど、お寿司は好きなんだっていう話を聞いて、なんか妙な理屈のズレを感じるのは私だけなんでしょうかねぇ。そうそう、トマト他、植物系の物にも多く含まれてるんですって。


で、最後にグアニル酸。これは乾燥昆布に沢山含まれてるんだそうで関西系のお出汁のうどんなんかはグアニル酸の旨みが活かされているんですね。上品でちょっと悪上な感じのする風味はグアニル酸に支えられての物の様です。さらにこれって雲丹うににもたくさん含まれていて高級な旨味イコールグアニル酸って思っていいのかも知れませんが鰹を叩きにすると凝縮される物なんだそうで、私大好きなんですよ鰹の叩きでビールや日本酒飲むの、私の舌は意外と高級感が有るのかも知れないって、普段の食生活からかんがみて、そんな事は絶対に無いと言い切ることが出来るなぁ。


『化学調味料』最近は『旨み調味料』って言う事が多くなりましたが、代表的な物で某『味の素』。あれって、基本的に発酵調味料なんだそうですね。サトウキビをバクテリアの力を借りて発酵させてモノナトリウムグルタミン酸を抽出するんだそうです。ただ、抽出したモノナトリウムグルタミン酸を精製するプロセスで科学的な段取りを踏む関係で化学調味料って言われてるみたいなんですよね。でも、活性炭を混ぜてフィルターで濾して濃縮して結晶化させて熱湯で乾燥させてる程度の物だから気にするような校庭ではない気がするんですけどね。モノナトリウムグルタミン酸は『中国料理症候群』って言うのを引き起こすって言われますけど物凄く稀な症状らしいので気にする必要はないんじゃないかしら。


私、好きですよ味の素、昔からガンガン使ってます。勿論、体調崩したことも無いです。




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