51.きのこのこのこ

秋は何食べても美味しい!!


で、その中でも特に茸は格別なんじゃないでしょうか。ぱっと思いつくだけでも椎茸しいたけ舞茸まいたけ杏鮑菇えりんぎ平茸ひらたけ占地しめじになめたけ。養殖で一年中食べられるの物増えて来ましたけれど、基本的に茸は秋の収穫物で中でも『松茸』は出回っている物全てが天然物です。


松茸は老舗デパートや有名な八百屋さんで売られている超高級品から街のスーパーなんかで売られている十把一絡じゅっぱひとからげな物まで養殖物は今のところ存在しません。何故ならば松茸の生態は謎な部分が多くて『赤松』と言う木の皮が少し赤みを帯びている木の近くで比較的痩せた、落ち葉の少ない日当たりの良い場所に生える傾向にある以外の生態は解明されていなくて、故に養殖する事が出来ない状態なんだそうです。これだけわかってれば何とかなりそうなものですがそれでも栽培できないって言う事は、物凄くデリケートな菌類という事なんでしょうかねぇ。


日本人が松茸を愛する一番の理由はその香りにあると思います。『香り松茸、味占地』と言われるくらいですもので昔から松茸の香りは日本人にこよなく愛されてきた香りな訳ですね。と、書いては見た物の、私の場合、松茸の香りと言うと皆様ご存じ『永谷園』様から発売されてる『松茸のお吸い物』なんですよね。あれ、そのままお吸い物として頂いても美味しいですし、炊き込みご飯の隠し味として入れてもいいですしパスタにかけても美味しいですし、そのまま頂くよりも万能調味料的な側面も有るのかなぁなんて思ったりなんかも致します。


で、世界三大茸と言いますと『ホワイトトリュフル』、『ブラックトリュフル』、『松茸』という事に一応なってるんですよ。そして、その香りが高く評価されてるわけなんですが、松茸に関してはその香りの評価はばっさり二つに分かれてて、アジアでは凄く良い香りと言われてるんですが、欧米、ヨーロッパの方では何か月もお風呂に入ってない人の匂いとか、軍人の靴下の匂いとか、革靴の内側の匂いとか結構散々であまり良い訳ではないみたいです。トリュフがいい香りと感じるなら松茸の評価も良さそうな気もするんですがそういう訳でも無いんですね、なぜなんでしょ。


実は松茸って国際自然保護連合が2020年7月に絶滅危惧種(危急(VU))に指定されてしまいました。これは、採って食べちゃダメよって言うレベルの危惧ではなくて保護しないと絶滅しちゃうかもよと言うレベルの一番低い階層の分類になります。その原因として松茸の発生は人々の里山利用と大きな関係が有るんだそうで、近年、里山の手入れがあまり芳しくなくなってきていて赤松が燃料として使用されなくなり古い赤松が増え(松茸って若い赤松の近くに生えるんですって)かぜとおしが悪く成った等々、環境が悪化したせいで発生頻度がここ50年で30%減少してしまったからなんだそうです。


最近、森の熊さんやお猿さんが街中まで降りて来る、そんなニュースを度々目にしますね。人間が自然と共生していた時代、人間も自然のシステムの一つだったという事が如実に分かる気がします。便利だけを求めると今度は自然から排除される立場になってしまうのかも知れません。私は積極的な推進派ではないのですがSDGSとか環境保護活動なんかも有る程度意識して暮らす必要は有るのかも知れませんね。自然を無視して生きる事は滅亡への道なのかもしれません…でも、人類の知恵が何とかしちゃうのかも知れませんけど。


いずれにしても、茸の季節が訪れました。季節の風物詩を美味しく楽しみたいですね。今年は松茸食べられるかな、それともお吸い物入りの炊き込みご飯で終わるのかはこれからの政府の経済政策にかかってるのかも知れません。なんか他力本願な結論になってしまいました・・・

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