15.餃子の思い出

私、大好きな餃子が有るんです。それは私の母が作ってくれる蒸し餃子です。大蒜にんにくが効いててにらもいっぱい入ってて豚挽肉の食感が素敵でさっぱりしてて美味しかったんですよ。


それを辛子酢醤油でいただくんですが、20個~30個は平気で食べることができました。あんまりよく食べるんでいい加減にしなさいって、心配されることも屡々しばしばでしたよ。母は残念ながらすでに他界してしまい、この蒸し餃子を頂くことはもうできないんですが、懐かしいなぁ、作り方ちゃんと聞いておけばよかったなぁ。ホント、後悔と言う奴は先に立つことは有りませんね。


本場中国で餃子と言うと水餃子のことを指すようで、日本で一般的に食べられてる焼き餃子は一般的なものではないようです。それに、餃子は主食と言う概念が有るみたいで、一度に大量に召し上がるみたいですね。ですから、餃子をおかずにご飯を食べるという文化はなくて、日本人が餃子でご飯食べることにはちょっと違和感を感じるみたいです。ご飯をおかずにご飯食べてる、そんな感じなんでしょうね。ただ、焼き餃子もないことはないみたいです。その日に食べきれなかった水餃子を次の日焼いて食べるって言うことも有るらしいので。


日本国内で初めて餃子を食べた人は江戸時代、徳川光圀とくがわ みつくにさんとされており、当時、明末清初みんまつしんしょの動乱で日本へ亡命していた朱舜水しゅ しゅんすいさんと言う方が伝えたらしいですね。徳川光圀さんと言えば日本で初めてラーメン食べた人とも言われてます、中華好きだったんでしょうか。


今の日本式焼き餃子が広まったのは第二次世界大戦後で中国からの引き揚げてきた方々が、日本各地で紹介し始めたのが始まりと言われています。特に栃木県宇都宮市には大日本帝国陸軍の『第14師団』が駐屯してて、そこから中国へ兵士が出兵した関係で戦後引き揚げ者が集まってそこから大きくに広まっていったんだそうです。そして、それが餃子の街の基礎になったんだそうですよ。宇都宮意外に静岡県の浜松市も餃子で有名ですが、その発祥は宇都宮とほぼ同じなような感じで、戦後、中国から引き揚げてきた皆様が広げたみたいですね。最初は屋台で広まっていったみたいですよ。


大人になってからは餃子と言えばもっぱらビールやチューハイで、酒のつまみ的な立ち位置になっています。餃子食べながら流し込むビールって、どうしてこんなに美味しいんでしょ、まさに至福と言っても良いと個人的に思っています。大蒜と合うんでしょうか、それともぱりぱりとした食感が合うんでしょうか、いずれにしてもこの組み合わせは滅多に有るもんじゃありませんね、これからも楽しんでまいりたいと思います、でも、母の蒸し餃子ももう一度食べたいな。餃子のことを思うと少しセンチメンタルになってしまったりします。

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