第40話 ボジョレー
2021年11月13日。
真夜中、スマホがブーブーいってる音で目を覚ました
えっ何時?
まだ真っ暗だけど・・・
通話を終えたあと、また寝ようと思ったが尿意をもよおしたので
トイレに立ち、寝室に戻ってきて再び布団に入り、眠りにつく・・・
朝6時半。
アラームで目が覚めた。
目が覚めても布団から抜けられずに数分いたら、夜中の電話の事を思い出した
誰だったっけ・・・
何の用だったかな・・・
男だった?女だった?
「うん分かった」そう言って電話を切ったのは覚えている
スマホを見るが、着信履歴がない
あら?LINEか?
しかし夜中のやりとりはない
あれ?
夢だったか?
電話のあと寝れずにトイレに起きたが・・・あれも夢だった?
そういえばトイレに起きた時に喉が乾いてコカコーラゼロを開けて、半分コップで飲んだ気がする
布団から抜けてキッチンに向かうと、たしかにコップが流しに置いてある
待てよ・・・
なんか思い出してきた
女性から「夜中にごめんね〜私の都合が悪いけん翌週にさせてくれん?」と言われた
ん?
けん?
広島弁?
・・・あ!Σ(,,゜Д゜)
慌てて寝室に戻り、スマホのメモを見る
1年前。
2020年11月6日金曜の夜。
11月19日にボジョレー解禁なったら飲もうな〜と約束していた店のママから電話が掛かってきて
「私の都合が悪いけん、20日(金)約束してたけど翌週にさせてくれん?」と言う
何かあったのかと聞くと「最近ちょっと体調悪いんよー」と元気がない
そして彼女は翌7日(土)に緊急入院
2020年11月13日(金)の早朝、心疾患により47歳の若さで急逝した
数日前、息子さんと電話で
「一周忌には寄れないけれども、今年のボジョレーが解禁(18日)になったら持って行くから、お母さんと3人で飲もう」という話をした
だからだろうか。
あの真夜中の電話は、彼女がこの世を去った時間だったのかもしれない
楽しみに待っとるけん〜という意味だったのだろうか。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます