その恋どうします

猫の集会

恋始まります⁇


「ニャア、ニャア」

 最近、家の庭に猫ちゃんが迷い込んで来た。

 しばらく様子をみてたんだけど帰る様子が

 ないからお母さんにお願いして飼い主さん

 がみつかるまでの間、うちで面倒みること

 になったの。とってもオシャレな首輪をし

 ているの。真っ白なかわいい猫ちゃん。

 

 私は、高校一年生。近 桜子。

 毎朝頑固な癖毛に苦戦中。

「おはよー桜子。」

「おはよー愛依ちゃん」

「今日は、ブローに苦戦したとみた。」

「さすが愛依ちゃん、今日はいまいち決まら

 なかった。」

 愛依ちゃんは、中学からの友達。ボブショ

 ートの似合う女の子。

 

 キーンコーンカーンコーン

「やっとお昼だ。私、購買行くけど桜子教室

 で待ってる?」

「まさか、行くに決まってるよー。」

「はいはい、ですよね。」

「今日も瞬先輩に会えるといいな♡」

「桜子は、購買じゃなくて瞬先輩がお目当て

 だよね⁈」

「アハハ…」

 

 瞬先輩とは、私の一つ年上の憧れの先輩な

 のです。石川瞬さま。

 しかし…

「はぁ、残念…。」

 会えなかった。

「ねぇ、私放課後図書室行くんだけど一緒に

 行く?」

「うん。読みたい本あるから一緒に行く。」

 

 そして、放課後。

「私、これ返すだけなんだけど桜子本見つか

 った?」

「うん。あった。借りて来る。」

「じゃあ、私トイレ行ってきちゃうわ。」

「はーい」

 本を借りて急いで愛依ちゃんのいるトイレ

 に向かってたら、廊下の曲がり角で人にぶ

 つかってしまった。

 

「キャア、ごめんなさい。」

「いいよ、それより怪我はない?大丈夫?」

 ん?この声は、まさか!

 瞬先輩‼︎こんな髪ボサボサの日に限って…

「大丈夫です。」

 急いでその場から立ち去ろうとしたとき、

 ぐいっ…ん?

「あっ、動かないで。」

 ? ? ?

 先輩の持っていた備品と私の髪が絡まっち

 ゃった…

 先輩は、優しく髪を備品から解いてくれた。

 「あ、ありがとうございます。」

 私は、逃げるようにその場から立ち去った。


「愛依ちゃーん。」

「みてたよ、あんなにくっついて、よかった

 じゃん。」

「よくないよ、だって髪がボサボサ。」

「そこ?」

「うん。そこ大事!‼︎第一印象髪ボサボサっ

 て。」

「そっか、じゃ次を期待して明日は、ブロー

 もっと頑張ろう!」

「そうだね。前向きにね。そういえば今日愛

 依ちゃんバイトないの?」

「うん。今日休み。」

 愛依ちゃんは、お花屋さんでバイトをして

 いる。

「私もどっかでバイト始めなきゃ。」

「え、なら花屋の向かいのカフェ屋さんなん

 てどう?確か募集してるよ。」

「いいね、カフェ。早速偵察がてらそこのカ

 フェ行かない?」

「いいよ。」


 カランコローン

「いらっしゃいませ。」

 わぁ、オシャレなお店。そして、店員さん

 が美人。

 ふぅ〜、カフェラテ美味しい。癒し〜。

「ここで働けたらいいなぁ、愛依ちゃんバイ

 ト楽しい?」

「え?何急に、た 楽しいよ。」

 うん?愛依ちゃん…顔赤くない?

「ねぇ、もしかしてバイト先にイケメン君い

 る?」

「いないよ。店員は、私とパートのおばさん

 だいたいいつも二人だよ。」

「ふーん。そうなんだ。」

 愛依ちゃんの目線の先にイケメンカフェ店

 員。まさか、愛依ちゃんこの人の事。

 私は、じっと愛依ちゃんをみつめた。

 その視線に愛依ちゃんが気がついた。

「違う違う、あの人じゃないよ。」

「えーっ、隠さなくてもいいじゃん。私がこ

 こで働いたら協力するから。」

「桜子、私 実は気になる人がいてね…。」

 うんうん。

「お花屋さんのお客さんなの。」

「え、お客さん?常連さん?」

「うーん、なんか毎月決まって同じ日に花束

 を買いに来るお客さんがいてね。なんか気

 になるっていうか…」

「その花束は、誰用に買っていくの?」

「それがわからなくてね。お見舞い用のお花

 で、年配の女性が喜ぶ花束をお願いします

 ってだけいわれて…」

「年配…年上の彼女?お見舞い…うーん、愛

 依ちゃん大変な恋してるんだね。」

「恋とかまだそんなんじゃないんだけど、な

 んか気になっちゃって。」

「そっか。」

 ズズズズ。二人でカフェラテをすすりなが

 ら遠くを見つめた。


 私は、愛依ちゃんに勧めてもらったカフェ

 屋さんでバイトできる事になった。

 あの綺麗な店員さんもいる。綺麗過ぎて緊

 張する。

「よろしくお願いします、チカです‼︎」

「よろしく、わたしは、ユリです。」

 お〜、お名前まで美しい。

 そして、イケメン店員はなんとこのカフェ

 の店長さんでした。

「あまり緊張しなくても大丈夫だよ。」

 優しく店長がにっこりしてくれた。

 向かいのお花屋さんには、愛依ちゃんがい

 るし優しい店長。美人なお姉さんまでいる。

 素敵だ。

 早速、私は美人なユリさんと意気投合した。

 ヘアスタイルがうまくいかないって言った

 ら、オススメのスプレーを紹介してくれた。

 早速、バイト帰りに買って帰ろっ。


 次の朝、スプレーを使ってみたんだけどい

 つものブロー時間の半分でセットが終わっ

 た。さすがユリさん‼︎

 今日は、いつもより早く駅についてしまっ

 た。

 

 わぁ、あのおばあさん紫のカーディガンよ

 く似合ってるなぁ。ん?でもあのおばあさ

 んなんか様子が変?

「あの、何かお困りですか?」

「あ 私足が悪くて階段登るのが不安で。」

「でしたら、あちらにエスカレーターありま

 すよ?」

「あら、ありがとう。」

 私は、おばあさんとエスカレーターに乗っ

 た。おばあさんのバックにパープルのビー

 ズに包まれた鈴がぶら下がっていた。

 綺麗だなぁ。

 ビーズをボーっとみているうちにもう上ま

 で上がっていた。

「どうも親切にして頂いてありがとう。これ、

 私の手作りなんだけど、お礼に受け取って

 ちょうだい。」

 おばあさんは、そっと私の手にバックとお

 揃いの鈴を握り入れてくれた。

「あの、お礼なんていりません。」

「いいのよぅ。」

 おばあさんは、にっこり笑うとお辞儀して

 行ってしまった。

 私は、鈴を大切に握りながらおばあさんを

 見送った。


 お昼になり、愛依ちゃんと購買に向かった。

「ねぇ、そのお財布についてるビーズのキー

 フォルダー綺麗だね。」

「うん。今日おばあさんをエスカレーターに

 案内してあげただけなのに、お礼にってく

 れたの。」

「へぇ、よかったね。」

 キーホルダーを光にかざしながら話してた

 ら、なんか遠くから視線を感じた。

 えっ⁉︎

 視線の先には、なんと瞬先輩。

 こっち見てる‼︎でもなんで …

 私が固まっていると

「おーい瞬、いこーぜ。」

「お、おう。」

 瞬先輩は、行ってしまった。

 ねぇ、瞬先輩また告白断ったらしいよ。

 売店でジュースを選んでいた女の子達がヒ

 ソヒソと話をしていた。

 また、告白されたんだ…


「そうそう、昨日瞬先輩私のバイト先に来た

 んだよ。」

「え、愛依ちゃんのお花屋さん?」

「うん。紫の薔薇の花束買って行った。」

「花束?」

「あれは、プレゼント用だね。お母さんの誕

 生日とかかな?」

 先輩が花束をプレゼント…

 一体誰に…


 家に帰っても誰にお花をプレゼントしたの

 か気になって仕方なかった。

 ボーっとキーホルダーを眺めてたら、いつ

 のまにか隣にいた白猫ちゃんと眠ってしま

 っていた。


 次の日、愛依ちゃんと理科室に向かってい

 た。

「だからぁ、もう愛依ちゃんったらー」

「桜子こそそうじゃーん」

 あははは

 二人でじゃれながら歩いてたら、

「あの、これ落としましたよ。」

 私のペンケースを男の人が拾ってくれた。

「あ、ありがとうございます。」

 ハッ‼︎

 隣に瞬先輩! 

 思わず見惚れてしまった。 

 私が瞬先輩を見惚れているとお友達が、

「君のペンケースを僕が拾ったのは、きっと

 運命に違いありません。僕と新しい未来つ

 くりませんか?」って。 

 ………  ?   ?

「えっとー…」

「バカ!困ってんだろ。ごめんね。この人、

 変なんだ。気にしないで。はい。ペンケー

 ス。」

「あ、ありがとうございます。」

 瞬先輩からペンケース手渡し!

「なんでじゃますんのー」

「お前、彼女に怒られんぞ」

「キャーコワイ」

「じゃ、ごめんね。」

 瞬先輩は、一言そう言って軽く手を振り行

 ってしまった。

 私は、すかさずお辞儀をペコリ。

 やっぱカッコいい。

 コノコノって愛依ちゃんがグイグイしてき

 た。


 それから数日が経ち、バイトも順調だ。

 ユリさんもとってもよくしてくれている。

 なんだか、お姉さんができた気分。

 あ、雨降ってきそう。

 もうすぐバイト先に着く。雨に降られる前

 に急がなきゃ。

 お店の前に着くと、ユリさん。

「ユリさー…」

 ん?

 誰かとユリさんが話をしている。傘を持っ

 て来てくれたんだ。彼氏かな!優しい。後

 ろ姿しか見えないな。彼氏らしき人が傘を

 渡して帰って行った。

 その瞬間、チラッと横顔がみえた。


 瞬先輩?

 なんで瞬先輩がユリさんと…

 ボー然とたちすくんでいたら

「あ、チカちゃーん。」

 ユリさんが私に気づいて手を振ってくれた。

「あ…雨、降りそうですね。」

「そうだね。傘持って来てもらって助かった。

 ってか、持ってきてって頼んだの私なんだ

 けどね。」

 ユリさん、瞬先輩とどういう関係なんです

 か?って聞きたいけど、怖くて聞けない。

「ねぇ、チカちゃん顔色良くないけど大丈夫

 ?今日このまま帰ってもいいよ。私から店

 長に伝えておくし。」

「いえ、大丈夫です。ちょっと走って来たか

 ら疲れたのかもしれないです。」

「そう?ならいいんだけど。あ、ねぇもし急

 にバイト入れなくなっちゃったときシフト

 交換できるようにライン交換しない?」

 さっきまでなら、喜んでラインの交換でき

 たのに、今はとにかく混乱してどうしたら

 いいかわからない。

 もし、本当に二人が付き合っていたら…

「あ、ごめん。急にそんな事言われても困る

 よね。」

「いえ、そんな事…」

 まさか、私の見間違いって事もあるし。

 そうだ。きっと見間違い!

「これ私のQRコードです。」

「はーい、じゃあ私が読み込むね。」

 ピコン

 ユリさんのアイコンが私の携帯に送られて

 きた。

「私のアイコン、この紫の薔薇ね!よろしく

 ね。」

 紫の薔薇⁈

 確か愛依ちゃんがこの前、瞬先輩紫の薔薇

 の花束買って行ったって言ってたよね…

 やっぱりさっきのは、見間違いなんかじゃ

 ない。

「あっ、もう着替えなきゃだね。」

「あ …はい…」

 それから、ユリさんと一緒にバイトに入る

 時は、気が重くなってしまった。

 ユリさんは、全然悪くない。

 はぁ、こんな自分やだなぁ。でも、仕方な

 い。瞬先輩イケメンだし、ユリさん美人だ

 もん。お似合いのカップルだ。だから、先

 輩告白断り続けてたんだ。他の高校に彼女

 がいたから…

 これは、全力で応援するしかないか…

 気持ち切り替えなきゃ。

 

 数日後

「おはようございます…」

 なんだか店長とユリさんが真剣に話をして

 いた。

「あ、ちかさん最近不審者がこの辺ででたら

 しいんだ。なんか変な事とかない?誰かに

 つけられたり。」

「私は、大丈夫です。」

「そうか、ならよかった。でも一応心配だか

 らなるべく帰り一人にならないようにシフ

 ト組み替えようと思うんだけど都合悪い日

 ある?」

「いえ、いつでも大丈夫です。」

「そうか、助かるな。ありがとう。じゃあ、

 早速シフト組み替えてくるからなんかあっ

 たら、裏に来てね。」

「はい。」

「チカちゃん今日、バイト上がる時間一緒だ

 よね。一緒に帰ろう。」

「はい。不審者怖いですね。」

 ちょっとまだ心の整理できてないけどでも

 一人で帰るよりユリさん一緒の方がいいよ

 ね…

 バイトが終わって、よし帰ろうと裏口を開

 けたら

「ギャッ」

 男の人が立っていた。不審者ー‼︎でたでた

 ー‼︎

 私がパニックになっていたら、ユリさんが

 クスッて笑った。

「ごめん、言い忘れてたんだけどボディガー

 ド。」

「え、… …」

 暗くてよくわからなかったけど、よくみる

 と ⁉︎ ⁉︎

 瞬先輩 … …

「あ、どうも…」

「えと、先輩… …」

 そうか。彼氏だから心配して送り迎え…

 気まずい…

「やっぱりもしかして二人知り合い?制服同

 じだからもしかして顔見知りかなーなんて

 思ってたんだぁー。」

「知り合いといいますか…、えと…」

「ま、とりあえず帰ろっか。瞬、肩になんか

 付いてる。」

「恥ずかしいからやめろって。」

「も〜照れ屋さん。」

 辛い。見てるの辛い。

 家に帰って新しいシフトを見て愕然とした。

 これからしばらくずっとユリさんと一緒の

 シフト…

 店長、危ないからって気を遣って私達同じ

 時間にしてくれたのね… …

 ハハハ。もう笑うしかない…

 そして案の定 私達は、しばらくの間三人

 でバイト終わりの夜道を歩いて帰る事にな

 ったのです。

 

 しばらく、先輩とユリさんと三人で帰って

 いたけど今日からは、しばらくバイトお休

 み。

 よかったようなよくないような…

 なぜならもうすぐテストなのです。

 はぁ、勉強しなきゃ。

「ねぇ、桜子。テスト終わったら、パァーッ

 と遊び行こうよ‼︎」

「だね‼︎ヨシッ。頑張る‼︎」

 

 そんなこんなでテストも無事乗り切り

「さあ今日は、パァーッと遊ぶぞー」

「桜子は、恋も勉強もよく頑張ったよ。じゃ

 行こ。」

 早速私達は、カラオケで歌って発散した。

 次は、癒しの猫カフェ。

 二人共、わざわざ隣町まで行くほど大の猫

 好きなんだ。

「いらっしゃいませ」

「うわーかわいい。あーっハチワレちゃんが

 いるぅ」

 ハチワレちゃんとは、おでこの模様が前髪

 みたいにふたつに分かれている猫のことな

 んだ。

 ひとしきり猫カフェを満喫した。

「ねぇ、桜子。あっちで少し飲み物飲まない

 ?」

「うん。飲もう飲もう!」

 コトッ。

 ジュースをテーブルに置いてしばし水分補

 給。

「あー潤うー。ところで最近もあの男の人は、

 毎月年上の女性に花束買って帰るの?」

「エッ、何急に。…うん まぁね…」

 愛依ちゃんは、私なんかよりもっと辛い恋

 してるんだな。どうにかしてあげたいけど

 無力で情け無い。

「それよりさ、桜子の家の迷い猫まだ飼い主

 見つからないの?」

「うん。全く。沢山張り紙してるんだけどな

 ぁ。」

「確か真っ白だよね?首輪がピンクと水色の

 さ。」

「おーッ、よく覚えてるねぇ。」

「ねぇ、その張り紙の猫違う?」

 愛依ちゃんが私の後ろのボードに貼ってあ

 った張り紙を指差した。

「エッ⁉︎本当だ。似てる。でも隣町まで歩い

 て迷い込んだのかな⁉︎歩きすぎじゃ…」

「とりあえず連絡先載ってるから、電話して

 みたら?」

「そうだね。かけてみよう。」

 ゴソゴソとバックから携帯を出そうとした

 んだけど。…

「携帯家に忘れてきたかも。」

「んもぅー、なら私の携帯使ってかけなよ」

「ありがとう、じゃあお借りします。」

 電話をすると男の人が出た。猫が見つかっ

 てとても喜んでいる様子だった。


 早速明日、家の近くの公園までお迎えに来

 てくれるそうな。

 愛依ちゃんも心配だからってついて来てく

 れる事になった。

 息が上がる。以外と猫をゲージに入れて運

 ぶと重いってことが勉強になった。

 遠くの方から男の人が歩いてきた。

 あー ついにお別れか。

 少ししょんぼりしていたら愛依ちゃんが私

 の服をグイグイ引っ張った。

「?どうしたの?愛依ちゃん?」

 愛依ちゃんは、小声で

「例の年上の花束買って行くって言った人あ

 の人だよ」って。

「え?どういうこと?」

 そうこうしているうちに男の人が近ずいて

 きた。

「あれ?あなたは、お花屋さんの…」

「は、はい。そうです。もしかして猫の飼い

 主さんですか?」

「うん。そうなんだ。すごい偶然だね!電話

 をくれたのは、そちらの方?」

「はい。数ヶ月前、家の庭をさまよっていた

 ので保護してました。」

 何で隣町までこの猫ちゃんは、来たのかな

 って思ってたんだけど私の家の近くの病院

 の帰りにどうやら逃げ出しちゃったみたい。

 飼い主は、男の人のおばあちゃんだったの。

 男の人は、智也くんって言うみたい。大学

 生らしい。 

 あの猫ちゃんついこの間までおばあちゃん

 とフランスに住んでいたんだって。でもお

 ばあちゃん入院しちゃって、

 だから代わりに孫の智也君が世話してたん

 だって。でも猫が逃げちゃって、お詫びの

 つもりで毎月猫が逃げてしまった日をお詫

 びの日って決めておばあちゃんの所にお花

 を持ってお見舞いに行っていたんだそうな。

 何でこんなに詳しいかと言うと、実はあの

 後愛依ちゃんと智也君は、意気投合してお

 付き合いを始めたからなのです。

 

 バイト先のカフェでコーヒーを飲みながら

 愛依ちゃんは、のろけ話をよく聞かせてく

 れる。

 もうすぐ夏祭り。一緒に花火を見に行くん

 だって。

 私は、予定なし…

「あ、もうこんな時間。じゃ私バイト入るね。

 またね〜」

「桜子、がんばれ‼︎」

「うん。ありがと‼︎」

 テストも終わりまた二人の仲を見る羽目に

 なるんだ。もう少ししたら、バイト辞めよ

 うかな。

「あ〜、チカちゃんおはよー。」

 ユリさんは、いつも元気で明るい。輝いて

 みえる。

 はぁ…

「おはようございます。」

「ねぇ、チカちゃん今年の花火大会行く?」

「いえ、今年は行く予定ないです。バイトも

 入ってなくて何しようかなと思ってます」

「なら、お願いがあるんだけど、その日バイ

 ト代わってもらえないかな?彼氏がその日

 いけなかったんだけど花火行ける事になっ

 てね。」

 瞬先輩と花火行くんだ。いいなぁ。

 よし!私は、二人を応援するんだ‼︎

「私、バイト入れます。全然代わりますよ」

 精一杯の笑顔でユリさんに言った。

 ユリさん喜んでたなぁ。

 

 花火当時、カフェはガラガラだ。みんなお

 祭り行っちゃったんだな。

 暇だと余計な事考えちゃうよ…

 今頃二人は…

 ふぅ〜 やっとバイトおわった。

 今日は、ユリさんいないし一人で帰るよう

 か…

 三人も複雑だけど、一人も少し怖いな。

 みんなお祭りに行ってて人気も少ないし。

 裏口のドアを開けると、

 シーン

 よし、早歩きで帰るか。

「あのっ。」

「ギャッ」

 でた不審者ーー

 どうしよう…

 って、よく見たら?瞬先輩?

「え?ユリさんと喧嘩でもしたんですか?」

「え?何で?」

 ん?…  …

「おーいチカちゃーん。」

 ユリさん…

 ってか、ユリさん⁉︎

 その手を繋いでいる男の人は、一体…?

 エッ⁉︎どういう事?しかも、

「店長‼︎」

「そうなの。実は、私達付き合ってまーす」

 え?瞬先輩と二股?そんな堂々と店長と付

 き合ってます宣言って。

「あれ?瞬?今日は花火デートだから迎え大

 丈夫って言ったのに。」

「そうだけど、ついいつものくせできちゃっ

 たの。」

「ふぅ〜ん、そうなんだぁ。あ、そうそうこ

 れリンゴ飴チカちゃんに。今日は、シフト

 代わってくれてありがと。帰り心配だから

 と思って来てみたんだけと、瞬来てくれた

 から大丈夫そうだね。ね、雅人♡」

「うん。チカさん今日は、お疲れ様です。

 お店の方なんにもトラブルありませんでし

 たか?」

「はい、とても暇でした。」

「ねぇ、なんで雅人はチカちゃんの事、名前

 呼びしてるの?」

 ? ? ?

 店長が不思議な顔をしながら言った。

「ん?名前呼び?もしかして下の名前がチカ

 さんだと思ってない?チカさんのチカは、

 苗字だよ?」

「はい。私、近 桜子です。」

「エッ、そうなの?なんだぁ、よかった。実

 はバイトの時いつも何で下の名前で呼んで

 るのかな〜ってちょっとモヤモヤしてたん

 だ。でもチカちゃんって呼んでたしこれか

 らもそうよぼっかな。雅人、疑ってごめん

 ♡」

「いいよ♡」

 今は、プライバシーの問題だとかでネーム

 つけないから尚更わからなかったのかも。

 ってか、苗字なんて気にしてなかった。

 すると、ユリさんの苗字は…

「ユリさん苗字って…」

「あ、私は石川だよ」

「え⁉︎じゃあ、瞬先輩とはまさか」

「ん?弟だよ。」

 エー‼︎弟ー!

 全然わからなかったよー‼︎

 でも、確かによく見ると美形で似てなくも

 ない⁉︎

 

 じゃあ、今まで私は、一体…でも、薔薇の

 花束…まさかブラコン⁉︎…

「瞬、ちゃんとチカちゃんのこと送ってあげ

 るのよ。」

「うん。」

「じゃ、私達はこれで♡」

 店長とユリさんは、仲良く手を繋いで行っ

 てしまった。

 

 頭がパニックで、何を話したらいいんだろ

 う。

「送るね。じゃ行こうか。」

「はい。」

 うわー緊張するー

「あのさ、お財布にビーズの鈴つけてるよね

 ?」

 え?  ああ。だからこの前購買でこっち

 見てたんだ。私じゃなくてビーズを。

 そっか。ビーズか。

「はい。持ってます。ある人から頂いたんで

 す。」

「だよね。多分その人、うちのばあちゃん」

「え?おばあちゃん?」

「うん。駅で助けてもらったって言ってた。

 その節は、うちの祖母がお世話になりまし

 た。」

「いえいえ、そんな大した事していませんよ。

 なのにあんなに素敵なものを頂いてしまっ

 て。」

「あれは、ばあちゃんの趣味で作ってるもん

 だからさ、逆にもらってくれてありがとう。

 うちのばあちゃん紫がとにかく好きでさ、

 この前も誕生日に紫の薔薇の花束あげたん

 だ」

「あ、花束を…」

 愛依ちゃんが言ってた花束おばあちゃんの

 だったのか。

「姉貴がバイト帰り買う予定だったんだけど

 行けなくなって俺買いに行かされてさ、

 姉貴人使いあらいんだよな。傘持ってこい

 とか、ボディーガードしろとかさ。」

 なるほど。そういう事かぁ

「素敵な家族です。」

「そうかなぁ?  … … 花火終わっちゃ

 ったね。もしかして、姉貴のせいで花火行

 けなかった?」

「いえ、元から行く予定なかったので。」

「彼氏は?」

「か、彼氏なんていませんよ…」

「そっか。ならよかった。」

 よかった? よかった⁈…

 何がよかったなんだろう …

 お姉さんが無理言っていけなくなったと思

 ったのかな。

 先輩は、何で彼女つくらないんだろう。

 恐る恐る聞いてみた。

「先輩は、彼女いないんですか?」

「うん。いないよ。でも好きな人ならいる」

 そういう事か。

 結局私は、フラれる運命か。当たり前か。

「俺の好きな人は、目の前にいる。」

 目の前?誰もいませんよ…

 私には、見えない人?

 キョロキョロ見渡したけどやっぱり誰も。

 瞬先輩が私の目の前に立ってもう一度言っ

 た。

「俺の好きな人、目の前にいる桜子さんです。

 ずっと好きでした。付き合ってください」

 ⁉︎   ⁉︎   ⁉︎

 一瞬 ポカーンだったけど、我に帰った。

 私⁈  嬉しい‼︎ 返事しなきゃ。

「 私もずっと… ずっと好きでした。 」

「本当‼︎やった!」

 瞬先輩は、優しく私を包み込んだ。

 幸せすぎて涙が溢れた。

「もしかして泣いてる?」

 泣き顔を見られたくなくて瞬先輩に強く抱

 きついてしまった。

 瞬先輩は、優しく私の頭を優しくポンポン

 してくれた。

「来年は、一緒に花火見ようね。」

「はい。」


 それから私は、毎日がハッピーだった。 

 クリスマスは、ユリさんと愛依ちゃん私、

 彼氏達とみんなで過ごした。

 

 約束通り一年後一緒に花火もみた。

 帰り道、瞬先輩が急に、

「はい‼︎提案があります!」って

「何ですか?」って言ったら、もう一年経つ

 し敬語やめない?って。あと、瞬って呼ん

 でよって言われた。

 瞬は、なんか呼べないからせめて瞬君って

 呼ばせてもらう事になった。

 ずっとこのまましあわせが続けばいいな。

 瞬君は、三年生になった。このまま地元の

 大学に行くって言ってたし、側にいられる。

 でも、先輩モテるから心配だな…

 ムッスーって顔して歩いてたら、

 カシャッ。

 え⁈

「桜子ちゃんのかわいい顔いただきました」

「だめーっ、削除。」

「もーっ、待ち受けにしようと思ったのにな

 ぁ。」

 瞬君がきちんと削除するのを見届けなきゃ

 瞬君の携帯を覗きこんだ。

 その時 ピロン

 瞬君の携帯に

「桜子ちゃんにもう言った?」ってLINEが。

 何の事?

「瞬君?」

「あーもう、姉貴ー。 実はさ、俺パティシ

 エに憧れてるって智也君に話したことあっ

 て、ぜひフランスに留学きたら?って有名

 店から勧められてたんだ。ほら、智也君の

 おばあちゃんフランスにいたじゃん。でも

 留学二年だし、桜子ちゃんと離れたくなく

 てさ。」

「それは、絶対行くべきだよ‼︎私二年なんて

 平気だよ。それに今は携帯も進化してるし、

 いつでも連絡取れるじゃん。ね?」

「う…ん。でもさ、パティシエも夢だけど桜

 子ちゃんの笑ってる顔側で見てたいんだ。

 なんかあったらすぐとんでいけるし。でも

 離れてたら、すぐに行ってあげられない」

「私は、大丈夫‼︎夢叶えて。で、私に美味し

 いお菓子つくってほしいな。」

 瞬君にギューって抱きついた。

 今のうちに沢山充電。


 瞬君は、決心した。そして、卒業してすぐ

 にフランスにたった。

 瞬君が留学中、私は看護師を目指して看護

 学校に通っている。

 愛依ちゃんは、獣医さんを目指しててユリ

 さんは、美容系の仕事をしている。みんな

 夢に向かって進んでいる。


 もうすぐ二年。ついに明日、瞬君に逢える。

 ワクワクがとまらない。

 でも今日は、大事な研修。身を引き締めな

 きゃ。

 大学病院。やっぱり大きいなぁ。何度研修

 に来ても色々考えさせられる場所。

 研修中沢山の患者さんとすれ違う。

 思い思いの人生がある。

 ここは、毎日が大きく変わる場所でもある。

 一日一日が大切に思える場所。

 今日も、イイ勉強になったな。研修が終わ

 り、裏口から帰る途中一台の救急車がとま

 った。

 急患だ。

「よし、運ぶぞ。」

 救急車から意識不明男性。

 ちょ、ちょっとまって。私は、目を疑った。

 だって運ばれてきたの、

 まさか

 瞬君⁉︎明日帰国のはずだよね?なんで救急

 車に⁉︎

 意識不明ってどういう事⁉︎

 一緒に救急車から降りてきた女性見たこと

 がある。でも、今はそれよりも瞬君‼︎

「あの、この方私の知り合いなんです‼︎意識

 不明っどういう事ですか⁉︎」

 女性は、最初私の剣幕に驚いていた様子だ

 ったけど、落ちついた様子で話はじめた。

「この方、沢山荷物を持っていて階段であし

 を踏み外したみたいなんです。こちらの箱

 の中によっぽど大事なものが入っていたん

 でしょうね。この箱をかばって頭を打ちま

 した。ちょうど居合わせたので同乗してき

 ました。私は、ここの看護師をしていま

 す」

 あ、だから見たことあったのか。

「あなたは、看護見習いの方ですよね?」

「はい」

「ならここからは、あなたが付き添いしてく

 れるかしら?この荷物もお願いできるかし

 ら?」

「わかりました。ありがとうございます。」

 瞬君が脳の検査をしている間、震えがとま

 らなかった。

 瞬君。お願い。目を覚まして。


 ガラッ

 ドアが開いた。

「あのっ、あのっ…」

「中へどうぞ」

「はい。失礼します。」

 恐る恐る中へ入った。

「あれっ、桜子ちゃん⁈どうしてここに⁉︎ま

 さか夢?…」

「夢じゃありませんよ、脳には異常見られま

 せんでしたのでもう大丈夫です。少し落ち

 ついたら点滴外しますね。そしたら、もう

 帰って大丈夫ですから。」

「わかりました。ありがとうございます」

 先生は、にっこり笑って部屋を出て行った。

「瞬君!明日帰国じゃ?どうして救急車なん

 かに…すっごく心配した…」

 沢山の涙が溢れ出た。

「ごめん。びっくりさせようと思って一日早

 く帰国したんだ。早くあいたくて急いで。

 そしたら、こんな事になってさ。情け無い

 よな。本当ごめん。…あ、そこにある箱取

 ってくれる?」

 その箱は、瞬君が大事に持っていたという

 箱。

「はい。」

 瞬君に渡そうとした時

「それ、開けてみて」って。

 この箱の中に一体何が。

 箱を開けると、

「わぁ、綺麗。」

 かわいいお菓子に綺麗な飴細工。

「これ、桜子ちゃんに早く渡したくてさ。」

 私の為に…瞬君…

「ありがとう。大好き。 お帰りなさい‼︎」

「うん。ただいま。」

 チュッ


 やっと遠距離が終わり安心したのも束の間。

 瞬君のモテあらし…

 瞬君は、ホテルの有名スウィーツ店で見習

 いとして働きだした。イケメンパテシエが

 いるってあっという間に噂は広まった。

 私は、無事看護師に。瞬君も仕事忙しいし

 すれ違いの生活。

 クリスマスも当然スウィーツ店は、大忙し。

 

 お店終わったら逢える時間つくるって瞬君

 は、言ってくれたけど疲れてるだろうし、

 私も遅番の仕事だから気にしないでって言

 ってしまった。本当は、休みだったんだけ

 どね。

 ちょうど愛依ちゃんが、彼氏の智也君仕事

 で海外に行ってたから二人でクリスマスし

 た。

 楽しかったなあ。

 でもちょっぴり寂しいな…


 メリークリスマスってラインしたけど既読

 されてない。まだ仕事かな。

 もう、クリスマス終わっちゃう。

 ピンポーン

 こんな遅くに誰だろう?

 インターホンをみると瞬君。

「瞬君?」

 瞬君は、玄関が開くなり私を抱きしめた。

「遅番じゃないじゃん。無理しなくていーか

 ら。」

 わざわざあいに来てくれた。

 どうやら智也君が、愛依ちゃんとクリスマ

 スを桜子ちゃんがしてくれたから寂しい思

 いさせなくて済んだってお礼の電話を瞬君

 にしたみたい。

「うん。ごめんなさい。ありがとう。」

 私も瞬君にギューってした。

「今日は、遅いからもう帰るね。」

 チュッ

 瞬君…

 もともと、クリスマスは忙しいってわかっ

 てたから別の日にクリスマスしようって言

 ってたのにわざわざ来てくれた。嬉しいけ

 ど申し訳ないな…


 そんなこんなで、今度はバレンタインデー

 クリスマスのリベンジ‼︎

 瞬君は、やっぱりバレンタインも大忙し。

 でもやっぱり次の日じゃなくてその日に渡

 したい。

 こっそり瞬君が仕事終わるまで待ち伏せ。

 もうすぐ出てくるかな。ワクワク。

 キィ

「お疲れ様でした」

 きたきた‼︎

「しゅ…」

 ガチャ

「待ってください。石川さん。」

 え、女の人。しかも綺麗な人…

「山下さん、どうしたんですか?」

「私、石川さんに彼女いるのわかってます。

 でも、私も石川さんが好きです。」

 女の人は、いきなり瞬君に抱きついた。

 私は、それをみて逃げ出した。

 大切な鈴を落としたことに気づかないくら

 い全力で走った。 ハァハァ

 家に帰り、チョコをテーブルに置いた。

 明日会う予定だったんだから、無理してサ

 プライズなんかしなきゃよかった…

 リリリリリ ビクッ 電話…

 瞬君から三回もかかって来てた…

 私は、何事もなかったかのように電話に出

 た。

「はい、もしもーし」

「はぁ、よかった。やっと出てくれた。」

 瞬君がほっとした様子だった。

「ごめんなさい、気がつかなくて…」

「ううん、あのさ明日なんだけど朝イチから

 会う約束だったけど二時から昔桜子ちゃん

 がバイトしてたカフェで待ち合わせに変更

 でもいい?」

 何で?でもわがまま言いたくない…

「はい。わかりました…」

「ごめんね、急遽で。」

「いえ。」

 電話を切った後、さっき瞬君が抱きつかれ

 た事また思い出してしまった。

 もしかして、さっきの人と瞬君付き合うの

 かな…

 私なんかより、いつも側にいてくれる。

 綺麗だったし…

 明日、別れ話される?

 考えても仕方ない。寝よう。バサッ

 

 昨日は、全然眠れなかった。

 私達、本当に恋人だったのかな。

 一度も喧嘩した事ないし、本音で向き合っ

 てなかったのかな。

 だから瞬君こんな私に疲れちゃったのかも。

 待ち合わせの場所まで行くのに気が重い。

 しかもどうしてあのカフェ?

 まさか、あの女の人も一緒⁉︎

 僕たち付き合う事になりましたって言われ

 たらどうしよう。

 怖くて足がすくむ… 一歩一歩

 あの信号を渡ったら…

「桜子ちゃん。」

 ビクッ

「瞬君…」

「あのさ、コーヒー買ってくるから、少し歩

 かない?」

「うん…」

 瞬君、どこに向かってる?

 

 この道…  角を曲がったら…

 この角は、曲がらないでください…

 … 曲がった…

「この道、覚えてる?」

「うん。もちろん。」

 忘れない。瞬君と付き合えた場所だもん。

 ここではじまってここで終わらせるつもり

 なのかな。

 チリン ? ?鈴?

 瞬君がポケットから鈴を出した。

 あっ。それは、私が瞬君のおばあさんにも

 らった鈴。

 そうか。昨日あの時、落としたんだ…

 大事な鈴を落とすなんて彼女の資格なしだ。

 しかも、偵察してたみたいで情け無い。

「もしかして昨日来てくれた?なんかみたよ

 ね?…」

「えと、…その…」

 なんて言えばいい…何を言ったらいいの…

「俺、昨日あの後鈴の音がして行ってみたら、

 桜子ちゃんの鈴が落ちてたから走って追い

 かけたんだけどもういなくて。もちろんだ

 けどあの女の人には、きちんと断ったよ。

 信じてもらえる?」

「え、…信じるもなにも…ごめんなさい。」

「何で謝るの?謝るのはこっちなのに」

「だって私いつもこんなんで…」

「いいよ。そんな桜子ちゃんが好き。これか

 らは、クリスマスもバレンタインも一緒に

 いよう。だから結婚してください。」

 瞬君が綺麗な指輪を差し出してくれた。

 瞬君。

「う…うん。ずっと一緒にいたいです。」

 ぼろぼろ涙が溢れた。

 瞬君は、私の涙を拭いて指輪をはめてくれ

 た。

「今日約束の時間遅れちゃったのは、実は指

 輪買ってたからなんだ。もう、桜子ちゃん

 に心配かけないようにするには、これが一

 番って思って。それに俺もずっと一緒がい

 いし。」

「いつもありがとう」

「こちらこそ」

 チュッ

 私達は、またこの場所から新しい未来を築

 いていく。

 

 そして、三年後

 私の勤め先の近くに瞬君はスウィーツ店を

 オープンさせた。

 二階は、自宅。

 その数年後、男の子と女の子の双子ちゃん

 を産んだ。

 女の子は、パパ似。男の子は、私に似てい

 る♡

 

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その恋どうします 猫の集会 @2066-

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