私の推しは女を作って炎上した。
ぽきちたむ
第1話 大好きな私の推しくん
突然だか、あなたには大好きな推しがいるだろうか。
そして、その大好きな推しは本当に大好きなのか。
ファン同士の争いや推しに対する不満。そんなことなんて日常茶飯事だ。
この小説はそんなどこにでもある1人の女子高生の不満と愛と争いが詰め込まれている作品である。
「ゆみ~起きなさい」
朝6:00 下からお母さんの声が聞こえてくる。
「はぁ~い」
私はいつも通り返事をし、かばんと制服を持ちリビングへと向かった。暖かい日差しとともにテレビのニュースの音がリビングを包み込んだ。
私はいつも通りスマホ片手にお母さんがついでくれたホットミルクを飲む。
「ゆみ、ご飯の時くらいスマホをしまいなさい!」
お父さんがコーヒー片手に私に喋りかけてきた。
「はぁ~い…」
ご飯の時くらいって、こっちは大好きな推しのツイートに反応するのに忙しいんだつーの! だいたい、お父さんだっていつも休日の昼ごはんの時にスマホでゲームやりながら食べてるくせに!人のこと言えないのに!
そうこうしてる間にもう登校の時間だ。
私は急いで髪にアイロンを通し、ドラッグストアでお母さんが買ってきてくれたヘアオイルを髪につける。
そうそう、このヘアオイルについてだ。
それはたしか2週間前のこと。
「お母さん~!ヘアオイル帰りに買ってきてほしい!」
「誰に髪の匂いなんて嗅がせんのよ。いらないでしょう?」
とお母さんは言う。
いや、誰に嗅がせるって… 彼氏がいるわけでも好きな人がいるわけでもない。
可愛くなって大好きな推しの視野に少しでも入るようにしたいだけだ。
なのにお母さんはいちいち文句を言ってくる。正直、だるい。
私の推しはザ・イケメン!って感じでファンも多い。普段はとあるアプリで毎日22時から定期配信をしている。名前は「いゆくん」これな私の大好きな推しだ。
いゆくんがツイートする度、私はいいね、RTそしてリプをして毎日推し事をしている。
なんでこんなに頑張っているかって、いゆくんが大好きな気持ちもあるけどそれよりフォロバがほしいのだ。
可愛い同担の子はみんないゆくんのサブ垢からフォローをもらって、カギアカにして推し事をしている。
そりゃぁ、フォロバが全て!ってわけではないけどもらったら一気にいゆくんに近づけた気がして嬉しいし、何より嫌いな同担にマウントをとられない。
だから私はこうしてずっと推し事を続けているのだ。私は同担の子よりずっと前から推し事をして、無料ポイントのお茶も投げて現在アイテムランキング504位 サポーターが8000人もいるなかでは上の方である。
なのに私ではなくランキングも下の方で、アカウントを作ってからまだ3ヶ月も経っていないような子をいゆくんはフォロバする。
それがどうも気に食わない。この前なんか繋がっている同担の子がインスタで「わたしいゆくんからフォロバ貰っちゃった~♡みんなおつかれ♡」とストーリーをあげていたのだ。
これには同担拒否ではない私でも腹が立った。いつか見返してやる!!と言う謎の競争心か芽生え、今に至る。
はぁ、はやくフォロバくれないかな~。
「あんたいつまで髪の毛セットしてるの?もうバス来ちゃうわよ!はやくしなさい!」
横からお母さんが家中大爆発しそうなくらいな声で怒ってきた。しぶしぶ家を出る。
バス停につき、バスに乗った。
「あ!ゆみきたよ~おっはーん!」
「ゆみおはよ~!」
この2人は私のリア友のさくらとかなこの2人もいゆくんと同じグループに所属している なずあくんとゆらくんを推している。
この2人はどちらとも推しからフォロバをもらってる。はあ、なんで私だけ~、、
「ゆみ、どうしたの?なんかいつもより元気なくな~い?」
と、かなが喋りかけてきた。
「いやぁ、前も話したんだけどさ~ いゆくんまだ私の事フォロバしてくれないんだよね」
と私はかなとさくらに話した。
「え、まだされてなかったの?いゆくんさすがに見る目ないわ~ なんでフォロバしないんだろ」
「がちそれな~?ゆみ推し事頑張ってるのに!」
と2人は私に言う。
「まあこんな事で落ち込んでちゃだめだわ~!私、いゆくんのこと大好きだし、フォロバが全てじゃないし!」
となんとか言った。こんな事でいちいち落ち込んでいたらキリがない。そうだ。帰り際にiTunesカード、いわゆるちゅんかを買おう。それでいゆくんにお茶爆を投げよう。
そうすれば覚えてもらえるかもしれないし、ゆみって呼んでくれるし。
そんなことを考えながら私はバスをおり、学校へと向かった。
休み時間、かなとさくらが私の机に走ってきた。
「ちょ、ゆみこれみた!?やばくない!?え!?」
なんだか騒がしい。なにがあるんだ?
「あいらずワンマンライブ決定だって!!こここから近いし、初現場いけるかもよ泣」
え、ちょっとまって!?話についていけない。 まず、あいらずとは私たちの推しが所属しているグループの名だ。
そして、
「え~!!!!!!?」
私は思わず教室のど真ん中で叫んでしまった。
私の推しは女を作って炎上した。 ぽきちたむ @0728__kun
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