第46話 対面
用意されたお茶を飲む。緑茶は美味しい。
チームに分けると言っても、新しく発生したダンジョンを探索するパーティーと、飛島のダンジョン探索班、そしてメシアの制圧班の三つだろ。
できれば新しくできたダンジョンを探索するパーティーがいいな。すぐに探索するっていう風にはならなそうだ。笹目さん達とでかいダンジョンを一つ攻略して、仕事を終わらせたい。
ふぅ、緑茶美味しい。
会議室内の困惑した空気はすぐにいつもの雰囲気に戻っていった。まぁ予想だにしないことはよく起こる。空気が元に戻ったのを察したのかすぐに入江さんが帰ってきた。
特に期待もしないチーム分けだ、結果と他のパーティのメンバーと顔合わせして家路につこう。今の僕の頭には帰りに買うお土産のことしか浮かんでないぞ。
軽く咳払いをして入江さんが呼ぶ。続々と知り合いの名前が出てくる中、僕の名前が呼ばれた。どうやら僕は飛島のダンジョンを探索するパーティーとなったのだ。同じパーティーのメンバーの名前を聞くと一人だけ知らない名前の人がいた。新人だろうか、それとも今になって初めて顔を合わすことになる古株の同業者か。前者の方が確率が高そうだな。
パーティーメンバーは6人。プラス探索者協会から何人か一緒に来るそうな。
その後、制圧班の名前が呼び、入江さんは帰っていった。あとは好き勝手しろという意味だろう。とりあえず顔合わせといこう。一人知らない人がいるし。
パーティーの中に一人、クソ目立つ奴がいるので自然にみんなが集まっている。
「久しぶり」と軽く声をかけ、談合の輪に挟まる。みんな気づいたようだ。
「よ、おひさ。元気してたか黒」
この中で一番目立つ奴だ。金髪ロン毛とこの会議の中に一人しかいなかった髪型をし、耳にはフクロウのような飾りをつけている。2mを超える巨体、サングラスをかけているからか、威圧感がすごい。ちゃらそうな見た目とは裏腹にこの中で一番真面目な男。
「元気そうだな、サザメ。今回はよろしくな」
「よろ。お前がいると俺たち百人力よ」
気前のいいやつ。僕で全員が揃ったらしい。それぞれ椅子を転がしてきて、ちっさく円を作る。サザメから時計回りの順で改めましての自己紹介をするそうだ。
「改めてサザメだ。全員知り合いってことで特に喋ることはねぇけど俺が指揮とるから、よろ」
……全員知り合い?なのか。指揮を取るのは妥当だな、このメンバーでは一番指揮を取るのがうまいだろう。
「……どうも。
竹で編まれた大きな帽子を被ってる女性。能力が奇抜だったのは覚えている、顔を知っているぐらいの知り合い。
「フラです。ども」
サザメのとこのパーティーメンバーだ。素早かったのは覚えてる、猿みたいな奴だったかな。
「どうも、初めまして、
こいつだ、僕が知らないの。初めて顔を合わせたし、名前は聞いたことがない。見た目が若いし、最近頭角を表してきた感じか。……なんか頼りなさそうだな。
「……(コンコンとタブレットを叩く音)」
『
小町ちゃん。何度もお世話になっており、僕が探索者を初めた頃からの知り合いだ。この中のメンバーで一番付き合いが長い。
「黒宮です。追放屋やってます」と言うが、簡素な挨拶に左から野次が飛んできた。右を見ると、もう少ししゃべれと書いてある。フラさんだって短かっただろうが。
「よろしくお願いします」、ついでにペコリと頭を下げておく。
許しは出たようだ。
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