第2章 日常の脇道
第35話 ほんへ
今日も今日とて仕事。この前中途半端に終わってしまった笹目さんたちとの探索を再開しようと思う。4日前のことだが、間に色々とあって昔のことに感じる。
この3日間、笹目さん達には自分の能力がどういうものかを確認してもらうことにした。
「久しぶりです。笹目さん」と、挨拶を交わしながら探索者教会で合流。この前向かったダンジョン【環境不変ダンジョン-180-b】にもう一度向かう予定だ。前回は(おそらく)異世界人の少女がなぜか居たので中断してしまったが、今回は【ボス】のところまで着きたい。
バスにて移動。
移動中に全員の能力がある程度どんなものかを確認。
まず笹目さん。前はぐわーー。と、抽象的なものだったが、肌の感覚が鋭くなっていたらしい。ぐわーーの原因はその時着ていたヒートテックが肌を触った時の感触だのこと。どこまで鋭くなっているかがわからないが、そこまで役に立たなさそうな能力だな。
次に、亮太。前は爪が早く伸びてる。と言っていたが、そのままらしい。そのままの文面の能力だ。爪が、伸びる。正直に言って使えない。伸ばす速度を変えたりできたらまだ使えそうだけどな。
次に蓮。前は体が暑い。と言っていたが、どうやら体を冷やすこともできるらしい。体温調整でできるのはダンジョン内の環境に適応するのが便利そうだとは思ったが、戦闘には使え無さそうだ。だけど、便利な能力ではある。
次に凪。前はピリピリする。と言っていたが、原因は分からなかったそうだ。能力の中身が本当にわからん。ただピリピリするだけの能力なのか、まぁ、たまによくわからない能力があったりするが、凪の能力もその類だろうか。この中で唯一何の能力かがわからなかった。
最後に紗枝。ダンジョン内にいた少女を見つけた能力、聴力が良くなることが前にわかっていた。他にないかと色々試したそうだが、特になかったそうだ。このパーティーのメンバーでは唯一と言っていいほど実践で使える能力だ。
それぞれがどんな能力を持っているかでパーティー内での立ち位置が変わるのだが、前のように一番戦える蓮を前にして、紗枝を真ん中にして索敵、他のメンバーは蓮と一緒に戦える位置と後ろに二人の2-2-2でいいだろう。
ダンジョンに到着。今日も1日で探索を終わらせたい。一応キャンプ道具を持ってはきたが、なるべく使わずに早く終わらせたい。
僕も真ん中に位置取って出発。探索開始だ。
道中はモンスターと遭遇するだけで、特に何も起こらなかった。結構早く進むことができ、モンスターに対して特に驚いてもいない。ある程度慣れたかな?モンスターから出る血とかを見ると体調が悪そうな表情を見せるけど、結構慣れてそう。
あと、気づいたことが一つあった。なんか笹目さん達が使っている武器が強い気がする。
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