第10話 能力!!!
そのまま進むこと1時間。昨日の疲れが抜け切れてない様子のパーティーなので、昨日みたいな強行軍より、ゆっくり確実に進む(なるべく早くだが)。
休憩時間を利用して、パーティーメンバーはどんな能力が発現したのかを確認しておこう。
能力はダンジョン内に入ると対象に発現する。様々な種類の能力があり、これまで観測された中で全く同じ能力を持った人間は現れていないが、似たような能力の事例は確認されてる。さて、僕がパーティーメンバーに、どんな能力が発現したかを確認する方法は、ただ1つ。
確認する対象が能力を使わなければならない。
そう、かなりめんどくさいのだ!!!
「能力の確認をしたいと思います」
さて、めんどくさい作業が始まる。さっさと終わらせて先の探索をしたい。まず初めに能力を使わなければいけない。この最初の部分が一番めんどくさく、例えるなら『貴方は翼があります、飛んでみてください』みたいなものだ。まず翼をどうやって動かすんだよ!!と皆まっさきに思う。
能力とはその例と全く同じ。全く操作の分からない(場合によっては多大な被害が出る)兵器を使う事が能力だ。
「何となく、体に変化がありますか?」
と、問いかけると5人全員が手を挙げた。
「………」
ラッキー!全員が自身の体に変化があるタイプの能力だぜ!!どんな能力かがわかりやすいな。
「じゃあ、
「えっと、何と表現したら良いのかわからないですがぐわーとします」
「ぐわー?どこからそれを感じます?」
「肌からですね」
どんな能力かがわからん。
「それは、なんだろ、害がなさそうですか?」
「えっと、違和感がありますが、、多分なさそうです」
……心配だけど、これ以上のことが分からないので次の人。
「亮太さんは、どんな変化があります?」
「爪がですね、なんか生える速度が上がっているんですよ」
「髪の生える速度は?」
「髪?いや、変わってないような気がしますね」
うーん、新陳代謝が上がっているわけでもなさそうな。爪が早く生える能力か?
「それは、害がありそうですか?」
「多分ないっすね、多分」
多分て。まぁいいや、次の人。
「蓮さんは、どんな変化がありますか?」
「僕は、なんか体が暑いですね」
「体が暑い?それはどのぐらいですか?できるなら体温がどのぐらいかを教えて欲しいです」
「えーと、風邪を引いた時に似ています。昔、39度の熱を出した時と同じぐらい暑いです」
それは大丈夫か?疲れからくる風邪じゃあないのか。それか、体温をあげる能力。どうやって使えばいいかな。
「それは、害がなさそうですか?」
「ないです。ですけど暑いので今着てる服を脱ぎたいですね」
裸になるのなら好きになりなさい。
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