自首

@kanzakiyato

自首

「はい!アタシがりました!」


教室内がザワつく。一人の女子生徒が手を挙げた。


「何故やったのですか?」


先生が聞く。


「あの子がアタシを虐めるから!」


そう。彼女はとある生徒に虐められていたのだ。


「皆んなも、先生も、アタシが虐められてるの知ってた癖に、

 助けてくれなかったでしょ?」


さっきまでザワついていたのが一変。教室は静かになった。


「だから、何かアタシが救われる方法を探したの。

 そして、いい事を思いついたのよ。

 あの子もアタシと同じ目に遭わせればいいんだって。」

「だから、あの子を階段から突き落としたの。他にも色々やったわ。

 上履きの中に画鋲を入れたり、教科書を隠したり、捨てたり。

 挙げたらきりがないわ。」

「だって、アタシがやられた事を全部やったから。

 まぁ、でも。思いもしなかったわ。

 まさか、階段から突き落としたぐらいで死ぬなんて。」


「で?次は誰の番ですか?」


その言葉に教室内がまたザワついた。


「アタシ、見て見ぬ振りしてた奴も同じ目に合わせてやるって決めてるの。

 でも、見て見ぬ振りしてた奴が多すぎて誰から殺すか決めれないの。」


「だから、見て見ぬ振りしてた奴は挙手をしてください。」



ザワつくだけで、誰ひとり手を挙げようとしない。


「あれ?おかしいな。聞こえなかったのかな?早く挙手してくださいよ。

 見て見ぬ振りして、笑ってたクズの皆さん?」


「まぁ、自首しても許しはしないけどね笑。」

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