第2話 阿弥陀仏(無量光仏)ご乱心か?

「モグ、地震か?揺れてるな……」

「え?いや~違うと思うよ?」


「む!………地球外からか!!………モグ、ブッダ様に連絡取ってくれ!直ぐにだ!」

「はい」


モグは久しぶりに緊張した。ブッダ様とお話しするのは20年ぶりだったからだ。特別な装置を使うのだが惑星間の距離が光の50乗なだけに繋がるのに時間を要した。


「ブッダ様ですか?荒木(モグの本名:荒木豊子)です。お分かりになられますか?」


「当たり前やん。何言うとんねん。涅槃ブッダ様から召喚してもろたんやろ?そんな光栄なことないで、ほんま感謝せなあかんぜ!」


「はい!感謝しております。では涅槃ブッダ様と代わります」


「うん。代わって」


「山口です。ブッダ様。お忙しところ申し訳ございません」


「とんでもございません。涅槃ブッダ様。私から連絡しなければいけないのに大変申し訳ございません。もう感じていらしたのですね?私はご連絡いただいて初めて感じ取りました」


「ブッダ様、何が起こっているのでしょう?とても大きな気を感じます」


「涅槃ブッダ様、この気はブッダが10000人集まっても超えることは出来ないかと……」


「そうですね。私でも無理です」


「それでは……やはり……」


「そうです。本尊です。阿弥陀仏しかいません! 過去にこのようなことは? 」


「私がブッダになってからはありません」


「そうですか……この微振動は光が来る予兆に思えるのですが?」


「なるほど、本尊が光を放たれたと言うわけですね?」


「そうです。たぶん30%くらいのお力です」


「それでは全宇宙が光に照らされると言うわけですか……」


「はい。とにかく事は急を要します。全てのブッダ達に私の元に集まるよう伝えてください。お願い致します」


「はい。わかりました」


「モグ」

「はい」

「僕を近くの高い場所に連れて行ってくれ」

「はい……?……ゆめタウンの屋上しか思い浮かびませんが……」

「いいね!行くぞ!」

「この非常事態にゆめタウンに行くのですか?」

「そうだよ。この微振動の後、光が来るまでの時間を計るんだ。本尊は西方極楽浄土から光を放たれているから距離はわかる。それまでに手を打たなければビッグバンが起る!後は行きながら話そう」

「はい。わかりました」


 とりあえずゆめタウンを目指して車を走らせた……。

 

「え~、え~、でも涅槃ブッダ様、(私の元に集まるように)とおっしゃってましたがうち1Kですが……?」

「そうだよ。リモートも考えたが今回は集まる必要性を感じたの。それと、彼等はブッダだよ。3㎜くらいになっていただく。それで100万人くらいは入れるでしょ!」


「……なるほど。踏んだらどうしよう!」


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