0秒の時間の中で

虹なん

第1話 妄想

ふと、周りを見るとみんなが止まっていた。

「えっ、えええ??みんなどうした!?」

声を上げても反応がない。

「ええ…」

そんな時、

想華そうか!なんかみんな変だよね!?」

と、友達の梨衣りいが言った。

「そうだよね!てか、よかった~梨衣も動いてて~」

「だよね!友達も動いてるならまだしも。1人だったら終わってたわ~」

「てかせっかく時間止まったんだし嫌いな人の顔に落書きしない?w」

「いいねーw」

そうして嫌いな人の顔に落書きをする。



「おい」

不意に名前を呼ばれた。

「なに?」

「先生呼んでるぞ」

「は?」

久野くのさん大丈夫ですか?」

先生に名前を呼ばれてたらしい。

「は、はい」

「この問題分かるか?」

「えっ、えっと分かりません!」

本当は話を聞いてませんでした。と言いたいけど妄想と現実は違うから迂闊に言えない。

周りの人に少しだけ見られた。


私と好きな人以外は時が止まった状態にならないかな~。


窓の外の景色を見る。


今日の空も綺麗だなあ~ってあれ?

なんだかいつもの空よりも違うような気がした。

雲がいつもよりゆっくり…より普通に動いてない…??気がした。

そして先生の声も書く音も開いたり閉じたりする音も今思えばしなく、とても静かだった。

教室の方を向き直るとみんなが動かなくなっていた。

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